EDM DJと、これまでのDJの違い


EDM DJと、いわゆる一般的なDJは、やっていることがまったく違います。
ふつう、DJっていうとみんなが想像するのはスクラッチびしばしのバトルDJだったり、クラブで黙々と(ときどきMCいれたりして)beatportやトップ40のヒット曲をつないでいくDJだったりしますよね。
これは、EDM DJではありません(いいすぎかな、EDM DJスタイルではありません)。

HardwellはBillboardのインタビューで、こう語っています。
「もうDJなんていないよ. まあ少しはいるか、年配の人に。新人はみんなビッグ・ヒットを出したプロデューサーで、突然DJになるんだよ」

そうなんです。
EDM DJは、いまやほぼ全員がプロデューサー出身なんです。
最初にヒット曲があって、それで人気が出て、いろんなクラブやフェスでプレイできるようになるんです。Martin GarrixやOliver Heldensが好例ですね。

もちろん彼らも10代の頃からみんなDJの基本的なところは練習してきているでしょうが、Zeddとか、ほとんどDJ経験はなかったって言っていますよね。あのCalvin Harrisでさえ、最初の頃はつたないPC DJでした。

先に音楽制作とヒット曲ありき。
そして、自分の曲や、自分のレーベルの曲、自分でつくったマッシュアップやエディットでDJパフォーマンスをする、これがEDM DJです。

その背景にあるのはPC DJの普及によって、DJ自体はもはやあまりスキルを必要としなくなったこと、そしてEDMのトラックはPC1台でつくれるようになったってことがありますね。
そういう意味では、誰にでもチャンスがある時代になったということです。
このDJカルチャーにとって、巨大な転換点が2000年代にあったわけですが、日本ではそこが見過ごされていると個人的には感じます。

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