Tomorrowland。ダンスミュージック界のグラミーと言ってもいいIDMAでBest Music Eventを4年連続受賞している、ダンスミュージック・イベントの最高峰です。2015年には国連の事務総長からメッセージまでもらっています。
‘Yesterday Is History. Today Is A Gift. Tomorrow Is Mystery’を掲げるこのイベント、2005年からベルギーで開催されているのですが、EDMの躍進とともにここ数年で急成長し、昨年は10周年ということで、二週にわたって、オリンピックの参加国数を上回る世界214か国から36万人を集めました。チケットの入手困難ぶりは有名で、通常18万人の枠に250万人が殺到すると言われています。その人気の秘密は、素晴らしいDJのラインナップのみならず、綿密なコンセプト、ストーリーに基づいた巨大な舞台装飾(メインステージには城が建ちます)、演出、会場の雰囲気作りにあると言ってよいでしょう。この日のために、ベルギーの州立公園の中に、ヨーロッパの伝統文化に影響されたアミューズメントパークができて、そこでダンスミュージックの祭典が繰り広げられているというイメージです。世界中のダンスミュージック・ファンが集まっているというのもポイントで、会場内は国旗とフレンドリーさに包まれています。ここまで国際色豊かなダンスイベントは、他にはありません。音も、どうやったらこんなに遠くまで、こんなにいい音が飛ばせるんだろうというほどすごいです。
この巨大イベントにEDM PRESS、取材で行ってきました!7/24金曜日からのイベントに行くことが月曜日に決まるというドタバタぶりでしたが、今回は水曜夜のエールフランスでパリまで行き、そこからTGVでベルギーの首都ブリュッセルに入るというルート。ちなみに普通は、こんな特殊なルートではいきません。ノーマルなのは、ルフトハンザでフランクフルト経由、KLMでアムステルダム経由でしょうか。
さて、Tomorrowlandが行われているボームは、アントワープとブリュッセルの中間にあり、ブリュッセルからは車で30分くらいかかります。Global Journey(ホテルと航空券セット)や旅行会社のツアーじゃない人は、Tomorrowlandのサイトで予約するシャトルバスを使うことになるのですが、人数が多い場合はUberを使う手もありということで、今回はUberを使うことに。
Tomorrowlandの開催時間は12:00-01:00(最終日00:00)ですが、三日フェスなので、フルに楽しむと確実に体力が持ちません。また、会場から帰りのシャトルバス乗り場まではバス移動なので注意が必要です。意味わからないかもしれませんが、バス乗り場までバスに乗っていくのです。この移動がけっこう大変なので、会場隣接のDreamville滞在じゃない方は、各日エンディンングまでは見ないほうが無難です。天候はまったく予測できず、とりあえず雨は降ると思っていたほうがよいので、足元はハイカットの防水スニーカー、ナイロンなど防水素材のパーカーなど持参が無難ですね。今年は異様に寒くて最高気温20度、最低気温12度とかで、長袖Tに秋冬物のジャケットとかでもいいくらいでした。もっとも最高気温30度の年もあったので、ここは悩みの種です。雨も今年は集中豪雨的なのはありませんでしたが、猛烈に降ることがあり、それで全身びしょ濡れになると、帰りにものすごい寒さを味わうことになります。都市型フェスではなく、どっちかと言うとフジロックに近いと思っておいたほうがいいです。とはいえ、ダンスフェスの場合、特に女子はファッションを楽しむ側面もあるので、そこは綿密に計画練りたいですね。客層はEDMがメインということで圧倒的に20代が多いのですが、コンフォートゾーンやVIPエリアには40代くらいまでいて、ヨーロッパにダンスミュージックの文化が根付いていることがよくわかります。ちなみに日没は21:00-22:00くらいで、時間感覚がなくなります。
今年のTomorrowlandですが、テーマは“The Kingdom of Melodia(メロディア王国)”。ちゃんと王様も女王もいて、ヨーロッパ情緒たっぷりでしたよ。メインステージで使われていた、パイオニアCDJ-2000Nexus + DJM-900Nexusまで、カスタムメイドの王国仕様になっていてびっくり。ここまで細部にこだわるのかと思いましたね。そこに、ものすごい数の国旗と人種が入り乱れていて、「これは世界最大の国際交流イベントのひとつだな」とも思いました。女子は当然としてw、記者のような男子に話しかけてくる人もけっこういて、毎度のことながらダンスミュージックは世界をつなぐなぁと実感しました。