YouTube総再生回数52億回を誇るノルウェー出身のプロデューサー、Alan Walker(アラン・ウォーカー)が、デビュー・アルバム『Different World』(ディファレント・ワールド)の日本盤発売直前というタイミングで、初のジャパン・ツアーを開催。12月19日(水)大阪 ZEPPなんば公演、12月21日(金)東京 新木場STUDIO COAST公演は完売、さらに同21日(金)にはageHa@STUDIO COASTで日本人ゲストDJも多数参加した追加公演を行い、いずれも大盛況となった。
ライヴレポート:2019年12月21日(金)東京 新木場STUDIO COAST
一年余りで3度目の来日を果たしたアラン・ウォーカー。ここ日本でも人気急騰中のプロデューサー/DJが、初となるホール公演を開催した。大阪・東京は共に即完売、急遽、東京での深夜公演が追加されるほど加熱する中、待望のデビュー・アルバム『ディファレント・ワールド』もリリース。12月21日(金)東京・新木場STUDIO COASTには、トレードマークの黒いマスクとフードを身につけた多数のファンが詰めかけた。
19時を少し回った頃、デビュー・アルバムのオープニングを飾る「イントロ」でスタート。“コンニチハ、トーキョー”という挨拶と共にアランは登場すると、お馴染みのヒット曲「アローン」を繋げて一気にクラブ・モードへと突入。
頭上には銀テープが舞い上がり、スクリーンには未来~世紀末を彷彿とさせるドラマチックな映像が映し出され、カラフルなライトが会場中を駆け巡る。アラン自身もDJブースの中で踊ったり飛び跳ねたり、時折ブースの上に上がったり。指揮者のような手振りでオーディエンスを扇動する。
彼がリミックスを手がけたシーアやコールドプレイ、同郷ノルウェー出身のカイゴらのヒット曲を交えつつ、「シング・ミー・トゥ・スリープ」「タイアード」「ザ・スペクター」といった自身のヒット曲を次々とプレイ。激しいビートで乗せるというより、丁寧にメロディの美しさを伝えていく。
「リリー」「ドゥ・イット・オール・フォー・ユー」「ディファレント・ワールド」などの新曲では、一旦DJプレイを完全にストップ。丸一曲をフル尺で聴かせたのは、完成形への拘りだろうか。一方でリミックスした『パイレーツ・オブ・カリビアン』のテーマ曲を掛けるなど、ハンス・ジマーを愛する彼らしい遊び心も覗かせた。
終盤の「オール・フォールズ・ダウン」や「ダークサイド」では大合唱が巻き起こり一体感に包まれた後、アルバム・タイトル曲の「ディファレント・ワールド」で一旦終了。そして勿論、アンコールの最後は「フェイデッド」。声の限りに歌って叫ぶファンと共に、ドラマチックかつ感動的に約100分間のショーを締め括った。
ファンとの交流の場といったムードも強く感じられたこのライヴ。アラン自身もステージから去るのが名残惜しそうだったが、そんなファン思いな姿も印象的だった。
text:村上ひさし
Photo:Masanori Naruse