Spinnin’ Records Asia 初の日本人アーティスト、Ken Takano インタビュー


Ken Takano & Patrick Moreno – Antidote (feat. Nico M) [Official Music Video]

2017年、Don Diabloに見出され、オランダのFuture House Musicからリリースした「Departure」がSpotifyで100万再生を記録、1001 Tracklistsの“Top Newcomer Tracks”で1位を記録するなど、日本人ダンスミュージック・プロデューサーの中でも突出した活躍を見せるKen Takano。
Lost Frequenciesの“Found Frequencies”レーベルからもリリースし、注目度が高まる中、YouTubeサブスクライバー2640万人を誇る、世界最大のダンス・レーベル“Spinnin’ Records”との契約を発表。そのアジア進出拠点となる“Spinnin’ Records Asia”の日本人第一弾アーティストに抜擢されました。

ここでは、“Spinnin’ Records Asia”から、「Ken Takano & Patrick Moreno – Antidote (Feat Nico M)」 をリリースし、文字通り日本を代表するダンスミュージック・アーティストとなったKen Takanoに、新作について話をききました。


Ken Takano – Antidote インタビュー

__最新シングル「Antidote」は、Spinnin’ Records Asiaからの日本人アーティスト初リリース楽曲となります。今回のリリースに至った経緯を教えてください。

世界最大のEDMレーベルであるSpinnin’ Recordsからリリースすることは自分にとって大きな目標でした。「Spinnin’ Talent Pool」という新人発掘サイトにエントリーしたり、人づてで教えてもらったSpinnin’ Recordsのスタッフの人のアドレスに送ったりしていく中で、返事をくれたのが運よくA&Rのヘッドの人でした。僕はそれまでサウンドのユニークさに重点を置いて曲作りしていたのですが、「せっかくヘッドの人に聴いてもらえるのだから、スピニンのメインレーベルからリリースしてもおかしくない、しっかりした歌モノを作ろう」と決めて作ったのが「Antidote」でした。Spinnin’ Records Asiaの話は「Antidote」を送ったときに初めて聞いたのですが、「Spinninとワーナーでアジアマーケットも視野に入れた新しいレーベルを作る。ポップ寄りの歌モノが好ましい」とのことで、「Antidote」がレーベルテイストに当てはまったようです。

__「Antidote」は、どのようなイメージ、コンセプトの楽曲ですか?

まず「歌」だけで素晴らしい!と思えるものを…というところから作り始めたのですが、「Antidote」はコラボ希望者から送られてきたボーカルトラックの一つでした。強すぎず弱すぎず、アンニュイな雰囲気もありつつキャッチーでポップな歌声を聴いて「これだ!」と思いました。トラックに関しては、自分らしいサウンドメイクの枠組みは守りつつ、Future Houseの枠組みを超えてポップになるように、具体的にはメロディーの音域やベースの音色などですが、とにかく“メインストリーム”ということを意識して作りました。

__音づくりやプロダクション面で、今回特にこだわった部分、重視したことがありましたら教えてください。

「Future Houseだけどクラブバンガーではない。リスニング、ストリーミング向けの歌モノ」ですね。

__歌詞で、何か伝えたかったこと、こだわったことはありましたか?

「Antidote(解毒剤)」という強いワードと「男の片想い」のミスマッチが楽しめる楽曲になってると思います。

__「Antidote」の制作にはどのくらい時間がかかりましたか?

約4ヶ月です。僕的に最も難産だった楽曲になりました。それくらい新しい試みがあってミックスとマスタリングは苦労しました。

__Spinnin’ Records Asiaからのリリースということで、制作していく中で何か意識したことはありましたか?

今振り返ると確かに、「Antidote」はSpinnin’ Recordsの他のどのサブレーベルからも出せないようなポップな歌モノになっていると思います。そういう意味で今後作ってゆく楽曲も、よりポップなものになると思います。アジアマーケット向けのサウンドの方向性は分かりませんが、今までSpinnin’ Recordsが培ってきたヨーロッパ向けのトレンドサウンドとは違う枠組みのサウンドが求められるだろうし、僕自身もそこを狙っていきたいと思っています。

__「Antidote」でのコラボレーター、Patrick MorenoとNico Mについて教えてください。それぞれどのような経緯でコラボレートすることになりましたか?

コラボ希望者だったPatrick Morenoからは大量の良質なボーカルトラックが送られてきてました。その中で「Antidote」を歌っていたのがNico Mです。

__Patrick MorenoとNico Mについて、コラボレーションの役割分担も含めて、それぞれ簡単にご紹介ください。

Patrick MorenoとNico Mが作詞作曲とボーカルプロダクションを共作してます。僕に送られてきた段階で完成されたものでした。

__MVも話題ですが、エグスプロージョンを起用することになった経緯、MVのコンセプトを教えてください。

エグスプロージョンとは、彼らのサウンドプロデュースをさせてもらってた経緯で仲が良く、依頼したときも二つ返事でOKをもらいました。ずっと前から「世界進出!」とお互いに話していたので、「いずれは大きな舞台で一緒に何か」というのが暗黙の了解であって、ようやくその時が来たという感じですね。エグスプロージョンと同じく、MVを制作してくれたUISHAAAWORKSも僕が最も信頼する映像制作集団で、「いつか一緒に」と思っていました。今回のMVは、エグスプロージョンのユニークなダンスとUISHAAAWORKSの映像センスの中に、日本らしい様々なエレメンツが散りばめられた、インパクトのある作品になっていると思います。良い意味で「こんなMVがSpinnin’ Recordsのオフィシャルビデオとして流れていいのか?」というくらい痛快な作品です(笑)。

__今後のリリース予定、活動予定について教えてください。

2作目、3作目、とSpinnin’ Records Asiaからリリースを重ねて、自分のサウンドがSpinnin’ Records Asiaのレーベルカラーとなるように頑張りたいと思います。

interview/text: Futuregroove

【リリース情報】
アーティスト:Ken Takano & Patrick Moreno
曲名:Antidote (Feat Nico M)
レーベル:Spinnin’ Records Asia
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