The History of EDM – 5 (’00年代)~エレクトロの台頭

ヨーロッパのハウス・シーンは、’90年代を通じて巨大化、そこから派生したトランスも勢いづき、スーパークラブ、スーパースターDJも登場する中、’00年代以降現在に至るまでのダンスミュージック・シーンに最大の影響を与えたのはDaft Punkだったでしょう。
テクノ、フィルター・ハウス、ディスコといった要素を組み込んだ彼らのサウンドは唯一無比のものとしてリスペクトされています。
Daft Punk – One More Time (’01)

Daft Punkチルドレンが2000年代初頭に始めたレーベル、Kitsune、Ed Bangerを中心とするエレクトロ・シーンは、Justice、Digitalismを生み出し、日本でも人気となりました。
Justice – D.A.N.C.E. (’07)
Digitalism – Zdarlight (’05)

DJカルチャーがデジタル化する中、beatportという新たなプラットフォームから生まれたスターがdeadmau5でした。
このころから、ダンスミュージック・シーンは、本格的にプロデューサー主導となっていきます。
deadmau5 ft. Rob Swire – Ghosts N Stuff (’08)

同時期、オランダではエレクトロ・ハウスの人気が上昇、Fedde Le GrandやSidney Samson、Afrojackが注目され始めます。
Fedde Le Grand – Put Your Hands Up 4 Detroit (’06)

Fedde Le Grand – Put Your Hands Up For Detroit (Official Video)

スウェーデンでも、新世代のハウスDJに注目が集まり始めます。
Eric Prydz – Pjanoo (’08)
Axwell – I Found U (’07)

この先、2009年以降は本格的にEDMの歴史となりますので、次の記事で。

The History of EDM – 1 (’80年代)~ルーツをたどればシカゴ・ハウス
The History of EDM – 2 (’90年代)~ハウス大躍進の時代 – US編
The History of EDM – 3 (’90年代)~ハウス大躍進の時代 – UK編
The History of EDM – 4 (’90年代)~ハウス大躍進の時代 – ヨーロッパ編
The History of EDM – 5 (’00年代)~エレクトロの台頭
The History of EDM – 6 (’09年~’10年)~EDMの起点
The History of EDM – 7 (’10年代)~ダンスフェスの爆発的人気上昇
The History of EDM – 8 (’10年代)~EDMシーンが巨大化
The History of EDM – 9 ~まとめ

The History of EDM – 4 (’90年代)~ハウス大躍進の時代 – ヨーロッパ編

ハウス~テクノの流れが飛び火したのは、もちろんUKだけではありませんでした。

Kraftwerkを歴史に持つドイツは、テクノに対して最も好意的だった国の一つで、その伝統は現在もベルリンを中心に残っています。
また「トランス」というジャンルは、ドイツのDance 2 Tranceが命名したとも言われていますし、初期トランス・シーンの代表曲には、フランクフルトのJam & SpoonによるAge Of Loveのリミックスがあります。
Age Of Love – The Age Of Love (Jam & Spoon Watch Out For Stella Mix) (’92)

EDMに欠かせない要素の一つとなっているロングドラムロールを発明したのは、やはりドイツのHardfloorでした。
Hardfloor – Acperience 1 (’92)

現在でもトランス・シーンに君臨するPaul Van Dykもドイツです。
Paul van Dyk – For An Angel (’94/’98)

’90年代のヨーロッパのシーンで最も重要だったのは、EDMの歴史から見ると’90年代中盤から’00年代初頭にかけて大きな盛り上がりを見せた、オランダのダッチ・トランスでしょう。Ferry Corsten、Tiësto、Armin Van Buurenは、このシーンの三巨頭でした。
System F – Out Of The Blue (’98)
Delerium ft. Sarah McLachlan – Silence (Tiësto’s In Search of Sunrise Remix) (’99)

Silence (DJ Tiësto's In Search Of Sunrise Remix)

Tomorrowlandが開催されているベルギーもテクノ、トランスの重要拠点で、Tomorrowlandには今でもBonzaiレーベルのステージがあります。
Push – Universal Nation (’98)

ハウスではフランスが、ディスコ・サンプルとフィルターを駆使したフィルター・ハウスで人気となりました。
Daft PunkのThomas Bangalterと、Alan Braxe、Benjamin Diamondが組んだStardustは、中でもよく知られています。
Stardust – Music Sounds Better With You (’98)

Stardust – Music Sounds Better With You (Official Music Video)

フィルター・ハウスは’90年代後半にUSからも盛んにリリースされていました。
Armand Van Helden – You Don’t Know Me (’98)
David Morales – Needin’ U (’98)

The History of EDM – 1 (’80年代)~ルーツをたどればシカゴ・ハウス
The History of EDM – 2 (’90年代)~ハウス大躍進の時代 – US編
The History of EDM – 3 (’90年代)~ハウス大躍進の時代 – UK編
The History of EDM – 4 (’90年代)~ハウス大躍進の時代 – ヨーロッパ編
The History of EDM – 5 (’00年代)~エレクトロの台頭
The History of EDM – 6 (’09年~’10年)~EDMの起点
The History of EDM – 7 (’10年代)~ダンスフェスの爆発的人気上昇
The History of EDM – 8 (’10年代)~EDMシーンが巨大化
The History of EDM – 9 ~まとめ

Calvin Harris 来日決定/SUMMER SONIC(2017年8月)

2017年8月19日(土)・20日(日)に東京はZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ、大阪は舞州SONIC PARKで行われるSUMMER SONICのヘッドライナーとしてCalvin Harrisの来日が決定しました。

米経済誌『フォーブス』による<世界で最も稼ぐDJ>ランキングで2013年から連続1位、昨年はCoachellaのヘッドライナーも務めたCalvin Harrisの来日は2012年以来、その後の大躍進を考えると、これは大きな話題となりそうです。

SUMMER SONICは、ダンス系では他にJustice、Kungs、Zara Larssonの出演も決定しています。
8月18日(金)SONICMANIAの第一弾ラインナップも発表され、こちらはKasabian、Liam Gallagher、Justiceとなっています。

http://www.summersonic.com/2017/
http://www.sonicmania.jp

続きを読む

Tomorrowland 2017のチケットが、今年も瞬殺でSOLD OUT

2017年は二週にわたって開催が決定している、ベルギーのTomorrowlandですが、日本時間の2月5日午前一時に発売開始となったチケットは、開始時間にクリックしても例年通りWaitとなり、約1時間後には多くの人がSOLD OUT表示となりました。これは、二週開催になっていることを考えると、昨年をも上回るスピードだったと言えるでしょう。

ちなみに2017年のメインステージにはAxwell Λ Ingrosso、Armin van Buuren、Martin Garrix、Dimitri Vegas and Like Mike、Alesso、Oliver Heldens、David Guetta、Don Diablo、Steve Angello、Steve Aoki、Afrojack、Martin Solveig、Yellow Claw、DJ SNAKE、Nicky Romero、Kaskade、Alan Walker、Robin Schulz、Lost Frequencies、Sunnery James & Ryan Marciano、Nervo、Tchami、Kungs、W&W、Shapov、Otto Knows、W&W、Yves V、Ummet Ozcan、KSHMRらが決定しているほか、PRYDAステージにはdeadmau5が登場、トップDJのレーベル・ステージ、テクノ、ハウス、トランス勢も強力なラインナップで、チケットを手にした後は、ステージ移動で悩むことになりそうです。

Zeddが、アメリカへの難民・移民入国制限に反対するACLU支援のイベントを企画、Skrillexも出演

ドナルド・トランプ米大統領が命令した移民・難民の入国制限に反対するACLU(米国自由人権協会)をサポートするイベントをZeddが企画、4/3にロサンゼルスのStaples Centerで行われることが決定しました。

現時点で出演者にはDaya、Skrillex、Incubus、Zedd、Imagine Dragons、Halsey、Macklemore、Tinasheの名前が上がっています。

Zeddは、このイベントについて、「自分も移民の一人として、正しいと信じることのために立ち上がらなくてはと感じたんだ」とツイートしています。