Tomorrowland 2016 Report – Part 5 – DAY3

7/24(日)最終日。
この日のDaybreak SessionはFerry Corsten。FeddeやLukeが前半をディープハウス、テックハウスなどで温めたのに対し、Ferryは最初からディープなProgressiveなどトランス系譜の音で徹底していました。終盤はもちろん自分の曲ということで、かなりメインステージ感満点なところまで行ってましたね。

今年はメインステージ初登場組が多いTomorrowland。この日も、まずはFTampaがブラジル人として初めてメインステージに立ちました。彼のオリジナル曲はハードなエレクトロ・ハウスのイメージが強いかもしれませんが、もともとロックミュージシャンだったというだけあって、ロックやポップをかなりセットに組み込んでいたのが印象的でしたね。FTampa & Vintage Cultureの新曲もMajor Lazer路線の気持いい歌ものでした。

DADA LIFEはTomorrowlandではもうおなじみ。最新シングルの「Red Is The Color Of Rage」ではミニマルトラックの原点に立ち返りながらも、やっぱりキメは「Kick Out The Epic Motherfucker」で“Hey-Ho”大爆発。バナナとシャンパンのDADA LANDは健在でした。

2016年はフューチャー・ハウス勢がメインステージでも活躍した年になりました。まずはDon Diablo。自らのヒット曲やHEXAGONレーベルの曲を中心にミックスしていき、ピークはリリースされたばかりのニューシングルDon Diablo & Steve Aoki x Lush & Simon ft. BullySongs「What We Started」でSteve AokiとLush & Simonがステージに登場した場面。また、亡くなったお父さんの話をして、誰か恋しく思う人、愛している人、気にかけている人に捧げる曲として「Silence」をプレイした場面はAftermovieにも使われていました。最後に「世界のどこから来たか、人種が何か、ゲイでもストレートでも、ブラックでもホワイトでもイエローでも関係ない。手をあげて、愛を示して」とMCしたあと「Chemicals」を合唱するシーンも感動的でしたね。

フユーチャー・ハウスつながりは、フジロック終わりでベルギーに直行のOliver Heldens。全編グルーヴィーなハウス・マナーが基本でしたが、おもしろかったのはOliver Heldens & Throttle「Waiting」でThrottleが登場して、ライブギターを弾いた場面。ディスコ少年ThrottleがTomorrowlandでギターを弾く展開は、ちょっと予想できませんでした。代表曲「Gecko」では“Hey-Ho”が巻き起こりましたよ。最後は、お得意のシャッフルも披露してました。

テクノ・シーンから唯一メインステージでプレイしたのは、ドイツのPaul Kalkbrenner。しかも、唯一ライブセットで、当然のことながら、ヨーロッパヒットの「Sky and Sand」含め、全曲自分の曲。キックの太さが、まったく違いました。

日も落ちかけて、アリーナも埋まり始めたころ登場したのは、DVLMとの親交も深く、ベルギーでも絶大な人気を誇るSteve Aoki。このところリリースラッシュですが、果敢に新曲を大量投入していました。トラップからフューチャー・ハウス、フューチャーベース、ハードスタイルまでプレイ、セットの内容が激変、イメージ一新でしたね。iLoveMakonnenをステージに招いてのトラップ新曲披露までありました。とはいえ、トレードマークのパフォーマンスも健在で、終盤では、半裸でおいしそうなベルギー産ケーキを6個投げておりました。最後はDon Diabloの時と同じパターンで、Don Diablo、Lush & Simonをステージに迎えての「What We Started」。AokiとDiabloがブースに立ってTomorrowlandの旗を振っている瞬間の一体感はすごかったです。

サンセットのベストタイムを担当したのはSteve Angello。いまやDJやプロデューサーの間で最も人気のあるDJ’s DJですね。中盤の「ID2」から「Save The World」大合唱、続いて「Lights」に行って「Don’t You Worry Child」で再び大合唱、さらにBob Marley「Is This Love」の上に、「これは愛なんだ。いつも言っているけど、このすべてが美しい。だって、ここで世界のすべてがひとつになっているんだよ」ってMCを入れて場内が国旗でいっぱいになったあたりのカッコよさったらなかったです。そして終盤、「Children Of The Wild」以降は自身のアルバム収録曲で疾走。「Let me see your soul.Let me see your heart」って言っていたのも深かったです。

実質的な大トリに抜擢されたのはMartin Garrix。Big Roomの世代交代を告げるかのような彼のセットは7割強が自分関連の曲で、特に最近の曲はProgressiveの要素が強く、これまでの“Put Your Hands Up”からは大きな変化が起きていることを示していましたね。それにしても、よくこれだけたくさんのヒット曲があるなぁという印象。中盤にはTrapのパートもありました。Martin Garrix & Pierce Fulton ft. Mike Shinoda 「Waiting For Tomorrow」 、Matisse & Sadkoとのコラボ曲など話題曲もプレイしていて、最後の最後に「How About Now」「Now That I’ve Found You」「In The Name Of Love」と持ってきたあたりにはメッセージ性まで感じられました。

締めはDimitri Vegas & Like MikeのVinyl Set。これは、毎度おなじみの余興的なもので、今回はテクノやトランス、ハードスタイルなど、アナログレコード時代のクラシックがプレイされていました。これらは、Like Mikeいわく「自分たちをDJに導いた曲」だそうです。

フェスティバルの最後は、例年通りシンフォニックで、「永遠の至福」を発見した人々は「内なる平和」のもとに帰っていくというシナリオ。’Live Today,Love Tomorrow,Unite Forever,Tomorrowland.’の言葉で締めるメッセージのブレなさも含め、その演出の素晴らしさにも、Tomorrowlandが他のダンスフェスと一線を画して王座を守り続けている理由があるのでした。

Axwell Λ Ingrosso アルバムについて語る (23 July, 2016)

このところリリースラッシュのAxwell、Sebastian Ingrossoですが、かねてから噂されていたアルバムについてなど、Rakuten.FMのTomorrowland Radioで重要発言が飛び出しましたので、以下に掲載させていただきます。来日についても’must’と言っていたので、リップサービスではなく可能性はあるかもですね?!

__2014年のお休みのあと、昨年はTomorrowlandに戻ってこれてうれしいと語っていましたが、今年は二年連続でトリですね。いまどんな気持ちですか?

Axwell 「ほんとに嬉しいよ。美しいこの場所に戻ってこれて素晴らしい。ここには珍しく天気もすごくいいし、みんなが素晴らしい時間を過ごしている。彼らに自分たちの音楽を届けることができるのにエキサイトしているよ」

__今年はAxtoneステージもありますが、Tomorrowlandは、あなたにとってとても重要なフェスティバルですか?

Axwell「Axtoneのクルーとテントも持てて素晴らしいよ。いまプレイしてきたばかりなんだけど、すごいエナジーで、メインとはまた違っていた。両方できてグレートだね。でも、いま思ってるのは、日本が恋しいってことだな。今、行かなくちゃ。いますぐ行こう(笑)」

__では、Axwell Λ Ingrossoの来日コンサートを近い将来期待していいでしょうか?

Axwell「ああ、Ultraで前回行ったとき、すごくよかったし、いつも日本に行くことを考えているよ。近いうちに、近いうちに、そう近いうちに、Axwell Λ Ingrosso in Japanは行われなくちゃいけない」

__これまでにIDだった各曲を最近リリースしまくっていますよね。「アルバムは当面リリースしない」とも聞いたのですが、これはどういうことでしょうか?

Axwell「曲ごとにリリースしてきたって考え方なんだよね。で、それはいまアルバムになってる」

__え?

Axwell「「Something New」「On My Way」「Sun Is Shining」「Dark River」「Barricade」「Thinking About You」などリリースしてきたから、アルバムはもう出てるんだよ。曲ごとに出す形でね。それは成長していく生き物のようなものなんだ」

__では、固定されたアルバムのようなものは、いま計画にないということですか?

Axwell「ないね。SpotifyやiTunesで曲ごとに手に入るし、これからも曲を追加していく」

Sebastian Ingrosso「僕らのプレイリストにね」

__今後の予定を教えてください。

Sebastian Ingrosso 「もっともっとたくさんの曲を書いて、日本に行く」

Axwell「僕らは、すぐに日本であえることを楽しみにしているよ」

interview: Tomo Hirata

Risa’s EDM drop report from America – 36:PLUR精神はどこへ?

Risa’s EDM drop report from America
第36回:PLUR精神はどこへ?

これまでPLURの素敵な精神について何回も触れてきましたが、悲しいことに“PLUR!!”と言いながらも、EDMフェスでは“PLUR精神はどこへいってしまったの?”という行動を起こす人たちもいるのが現実です。
そこで、今回はアメリカの野外フェスでの“PLUR精神はどこへいってしまったの?”という人々の行動を紹介します。

■ PLURについてのおさらい
“PLUR”については何度も記事で触れていますが、PLURとは“Peace, Love, Unity & Respect”(平和、愛、団結、尊敬)のことです。EDMイベントの本来のコアな思想です。
どんな人種でも、宗教でも、男女関係なく、差別なく、皆仲良く、尊敬しながら喧嘩もなく平和に愛を持って接する、という素敵なコンセプトです。

■ PLUR精神はどこへいってしまったの?
前回に、PLUR精神溢れる素敵なストーリーについての記事を書きましたが、悲しいことに、PLUR精神が消えてしまった行動もイベントでは見かけます。

・割り込み
アメリカの野外フェスは、会場付近と駐車場内が混雑します。それにイラついてクラクションを鳴らして、前の車を危ないのに追い越したり、レーンがなくても少しでも前に隙があれば、勝手にレーンを作り出したり、ひどい割り込みをする車をよく見かけます。駐車所で喧嘩をする人がいたり、Peaceどころじゃありませんね。

・ゴミの山
ゴミ箱がフェス内にもあるのにも関わらず、会場が広くゴミ箱にまでに行くのが面倒臭いからと、ゴミをポイ捨てする行為が多く、イベントが終わる頃には会場内はゴミだらけになります。Respectな気持ちはどこへ行ってしまったのでしょう?

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・偽物のチケットに要注意
フェスが2日、または3日間立て続けに開催されている時に、1日目が終わると次の日のチケットをネットよりも安く道端で売る人をよく見かけます。“PLUR精神”という言葉を利用して、“売り切れのチケットを安く譲る”とうたっている人がいますが、なんとチケットが偽物の場合も多いと言われています。
実際に筆者の友達が、フェスの出口付近で2日目のイベントのチケットを購入したら、そのチケット(リストバンド)が偽物で、80ドル(約8,000)損しました。

・人にケガをさせる
野外フェス内の会場には、竹馬で歩いていたり、ユニークな衣装を着たパフォーマーたちがたくさんいます。
今年のEDCラスベガスでは、その竹馬のパフォーマーが大ケガを負ってしまったという悲しいストーリーがあります。EDCの会場内で、面白半分に竹馬のパフォーマーを思いっきり押した人がいました。たまにパフォーマーを押したり、パフォーマーにひどいことを言ったりする人たちがいるみたいです。
お酒によって人を押したり、喧嘩したりする場面を見かけることもよくあります。PLUR精神はどこへ?ですね。

・チケットなしで会場内に入ろうとする人たち
最近アメリカでは、以前よりさらに会場内に入る時のチェック(セキュリティーチェック前)が厳しくなりました。チケットがなくても、会場内に入りこもうとする人が増えているからだそうです。
筆者は実際に、ものすごい勢いでチケットチェックの場所を走り抜けて、警備員に捕まった人を見たことがあります。

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いかがでしたか?
以前の記事で紹介させて頂いたように、素晴らしいPLUR精神ストーリーもありますが、やはりPLUR、PLURと口では言いながらも、本当にPLUR精神があったら“こんなことできないのでは?”という行動を見かけたりします。

もっともっと本当のPLUR精神溢れる素敵なEDMのイベントが増えるといいですね。

Vicetone – Anywhere I Go

オランダ出身のエレクトロニック・ダンス・ミュージック・デュオ、Vicetone(ヴァイストーン)が、「Anywhere I Go」のPV(リリックビデオ)を公開しました。「Anywhere I Go」は、VicetoneがSpinnin’ Recordsからリリースしたニュー・シングルです。

Vicetoneはこのシングルの前、6月にMonstercatから「Nevada (ft. Cozi Zuehlsdorff)」をリリースし、話題となってますね。