Fox Stevensonは、シングル「Sweets (Soda Pop)」「Tico」や、『Endless – EP』『All This Time – EP』『Throwdown – EP』といった作品をリリースしている、インディー・ダンスからドラムンベースやダブステップ、ハウスまでを手がけ、自らボーカルもこなすアーティストです。
三日目。 この日のお目当ては、なんと言ってもSteve Angello。おそらくDJの間では、いま最も支持されているDJ’s DJです。今回メインステージでプレイしたDJの中では最高にアンダーグラウンド&グルーヴィーな選曲で、通なクラウドを楽しませていました。とはいえ、Tomorrowlandということでサプライズも用意されていて、途中Whitney Houston「I Wanna Dance With Somebody」がマッシュアップされましたよ。「EDMはチャラいから嫌い」という人には、一度Angelloのセットを体験してもらいたいです。
続くAfrojackは、前半けっこう四つ打ちではない曲もかけていましたが、後半は、飛ばしまくりで、「覚えてるかい?」とMCを入れて「Give Me Everything」をプレイする一幕も。注目だったのは、Dimitri Vegas & Like Mike「Higher Place(Afrojack Remix)」が初プレイされたことでした。全体に自分関連の曲を軸にしたマッシュアップが多かったですね。
満を持しての登場はHardwellの師匠とも言える御大Tiesto。Tiestoのセットは、その幅の広さが特徴ですが、前半はメロディアスなビッグルームへの傾倒ぶりがうかがえるプレイでした。セット中盤にはDon Diabloがステージに上がり「Tomorrowlandにいまいるみんなのために曲をつくったよ。「化学反応」っていう曲だ。僕らはみんな同じ人間だ。どこの国から来たとか、黒人だとか白人だとか、ゲイだとかストレートだとか、関係ない。もしダンスミュージック、エレクトロニックミュージックを愛しているなら、すべての国旗を揚げて」とMCして、コラボ曲「Chemicals」を披露するシーンもありました。DiabloはLaidback LukeのSuper You & Meステージでもプレイしていて、今回大活躍でしたね。後半はビッグルームからバウンスまでプレイしてましたが、Dezeko & Torresがセットに3曲も入っていたのは見逃せませんね。お決まりのTiestoトランス・コーナーがなくなっていたのは、時間が1時間だったからかな?
そして大トリはDimitri Vegas & Like Mike + Steve Aokiの3 Are Legends。これは、最後の力を振り絞っての大騒ぎみたいなもので、代表曲、有名曲のマッシュアップ連発。ステージにはNERVOのMimやUmmet Ozcanも登っていました。花火大炸裂。 フェスティバルの最後は、ステージに光と鼓動の演出がほどこされる中、子供のバイオリニストが先頭になって、そこからシンフォニーが流れ’Live Today,Love Tomorrow,Unite Forever,Tomorrowland.’の言葉と花火で締め。そしてメロディア王国の王が退席して終了。こうした演出、コンセプトにも、Tomorrowlandが他のダンスフェスと一線を画して王座を守り続けている理由があるなぁと再確認。
ちなみに、この日のEDM系は、Laidback Lukeら人気DJがコミックヒーローのコスプレでプレイするSUPER YOU & MEステージ、HardwellがなんとサブフロアでプレイするRevealedステージなどもあって、激戦というか、EDMファンにはもうどうしようもないかぶり方でした。
Dillon Francisに続いて登場したのはTomorrowlandのレジデントDJで、最多出場回数を誇るYves V。初日に自らのV Sessionsステージでもプレイしていましたが、メインでのプレイはBig Room中心のクイックミックスで、ちゃんとセットを使い分けて、再びアリーナにクラウドを呼び込んでいました。Tomorrowlandのテーマ曲のひとつと言ってもよい「Memories Will Fade」では紙吹雪も舞い、雰囲気は最高潮に。まだリリースされていない、Yves V & Sem Thomasson feat. Ruby Prophet 「On Top Of The World」は、おそらくアフタームーヴィーに使われるんじゃないかな?この曲がかかっているときから、雨上がりの空には虹がかかり、素晴らしいプレゼントとなりました。
驚愕の人気だったのはMartin Garrix。メインステージは、始まった時点ですでに上までいっぱいに。オリジナルもふくめて、ほとんどすべてがプリエディットのマッシュアップになっていたのが印象的でした。ブレイクとドロップが違うのは当たり前。やはりEDM DJの基本はオリジナルとマッシュアップだと再確認。ヒット曲が多いのと、若いのに力強いMCが効果的だったこともあって、20:30-21:30というスロットなのに、ハンパない盛り上がりでした。 トランス勢で唯一ピークタイムにメインステージに立ったのは、今年もArmin Van Buuren。途中、Mr.Probzが登場して大ヒット曲の「Waves」を歌うという場面では、全員が大合唱に。全体を通じて、ほとんどがArmin関連曲ながら、Tomorrowland仕様のセットでしたね。
この日、一番の盛り上がりをつくったのは、やはりTomorrowlandの看板、Dimitri Vegas & Like Mike。あおりの上手さでLike Mikeの右に出る人は現時点でいませんね。様々な大合唱をこれほどのボリュームで聞いたことは、いままでありませんでした。’Make Some Noise!’とか言わなくても勝手に常に歓声が巻き起こっているという、まさにMadness状態。中盤「The Hum」や「Tremor」がかかっているとことか、ものすごい一体感でした。ビッグルームをベースに、息つく暇もないくらい細かくマッシュアップ&エディットされた選曲も、MetallicaとかBob Marleyといった変化球を交えながら、ツボをおさえたものばかり。ブレイクとドロップの落差も、大会場での効果は満点で、もう完璧に別次元のエンターテインメントと化していました。ラストはおそらくこの日のために作られたであろう大ヒット曲「Higher Place」。
そしてトリに登場したのは、Axwell Λ Ingrosso。Dimitri Vegas & Like Mikeが矢継ぎ早の展開とあおりで盛り上げたのに対して、こちらはエモーショナルな音楽勝負。デビューアルバムに収録するであろう珠玉のオリジナル曲を中核に、ダンスミュージック、ハウスをベースとしたDJカルチャーの素晴らしさを伝えてくれるセットを見せてくれました。Axwellが最後に言っていましたが、まさに’Music is the beautiful thing.’でした。