iTunesダウンロード終了?

Appleが次のCatalina OSでiTunesを終了し、Music、Podcasts、TVに分割すると発表したけど、現行のApple MusicはStreaming Serviceだから、ダウンロード購入はできなくなってしまうのか?が気になるところ。
DJユースにiTunesの音源は普通はナシだけど(iTunes用にマスタリングされていることもあるので)、ダウンロードじゃないと困るシチュエーションは、音楽関係の仕事をしている人なら多々ある。

Appleの公式NEWSには、こうある。

For those who like to own their music, the iTunes Music Store is just a click away.

これは最前列の選択肢からiTunes Storeは消えるが、ダウンロード販売やiTunes Store自体はなくならないと解釈していいのかな?
それなら実態はほとんど変わらない。
ダウンロード配信自体がオワコンだというのは、また別の話で。

RIAJのレポートによると、日本ではダウンロード・ストリーミングあわせた売り上げがまだ21%しかなく、そのうち40%がダウンロードということだから、全体から見るとわずか8%くらいがダウンロードのシェア。
日本の音楽産業は、いまだにフィジカルの売り上げを死守する姿勢を崩していないし、それが功を奏している。
極端な鎖国、保護貿易政策をとっていると思うが、おかげでCDのあとに起こったデジタルダウンロード時代をパスすることに成功したと言える。
これはグローバル視点では快挙というか驚き。

しかし、ストリーミング時代をパスするのは、おそらく無理。
今やほとんどの人がYouTubeで音楽を聴くようになってしまったから。
YouTubeからの売り上げは、冗談かと思うほど少ない。
これはアーティストにとってもなかなか厳しいですよ。
Pitchforkの記事によると、アーティストはライブとバンス、プロデュースやファンからのファンディングが収入になってるってことだけど、バンスなんて中堅以下には無いに等しいから、これはほんとに厳しい。
一方で、映像コンテンツの需要はものすごいことになっているので、それに伴い音楽プロデューサー(もちろんDAWとか使えるのが前提)の需要も増加するから、そこの未来は暗くないと思うけど

Ludovico Einaudi

職業柄、ダンスミュージックやポップミュージックは常にチェックしているのですが、家で聴く音楽はもちろんそれに限りません。
朝起きたあと、ひととおりのメールやニュースをチェックしながら聴くのはモーツァルトにしていたのですが、ベルギーの友人にすすめられて、最近はエイナウディも聴いています。
彼の音楽には、いろいろなくだらないことをすべて忘れさせてくれるほどの美しさと力があります。
言葉では陳腐な表現しかできないので、みなさんもぜひ一度聴いてみてください 🙂

Ludovico Einaudi – Una mattina FULL ALBUM

UnitedMastersはメジャーレコード会社を駆逐するか?

UnitedMastersというサービスが、Googleの親会社Alphabetと20th Century Foxが出資して立ち上がりました。ウェブサイトには「あなたの未来にレーベルは存在しない。長い間、アーティストは音楽業界の中で独立性とクリエイティブ面での自由で妥協を強いられてきた。今までは。UnitedMastersに登録して、あなたの独自性を増やして」とあります。さっそくUnitedMastersに登録してみましたが、これはUnitedMastersがネット上に存在するアーティストを片っ端からチェックし、サポートしていくような動きに見えます。そうだとしたら歓迎すべき方向に向かう可能性は高いと思いますが、それはさらに熾烈な競争を生み出すことにもなるでしょう。

Your Future

ネットが僕らの生活の一部になってから、クリエイティブな活動やその発表はだれにでもできる、敷居の低いものになりました。それを見て、「誰もがクリエイターの時代、発信できる時代だから、アーティストも実力が評価されるようになる」という主張がありますが、これは残念ながらそのようにはならなかったように見えます。
大量のクオリティの低い作品がネット上に流れている環境では、人々はそれらをいちいちチェックしないのです。現代において最も貴重なのは「時間」ですから。
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