世界にダンスミュージック・フェスティバルは数あれど、最も有名なのはTomorrowland、Ultra Music Festival、Electric Daisy Carnivalの三つでしょう。それぞれ全く異なる方向性、テイストを持っていますし、横並びになるようなものでもないのですが、あえて比較してみました。データはいずれも、2019年8月現在、直近の開催回です。
◆Tomorrowland
開催地:De Schorre, Boom, Belgium(ベルギー)
開催日:7/19-21 & 7/26-28
動員数:400,000
ステージの数:17
YouTube Subscribers : 829万
Facebook Likes : 1463万
参加者の呼び方:The People Of Tomorrow
オフィシャルサイト:https://www.tomorrowland.com/global/
Live Today, Love Tomorrow, Unite Foreverを価値観に、世界200か国以上から、二週にわたって40万人を集める、オリンピックにも匹敵する、もっとも国際色豊かなフェスティバル。ダンスフロアには国旗がいっぱいで、国連事務総長からは、国連の支持する価値観を象徴しているというメッセージももらっている。第一回は2005年で、2019年に15周年を迎えた。会場規模は最大、動員数もEDCとほぼ同じで世界最大級。
毎年フェスティヴァルに、ヨーロッパ的なマジカルでファンタジー感あふれるテーマがあり、それに沿ったメインステージが構築される。
他のフェスと違い、チケットは瞬殺で完売してしまう。
17のステージでは、ハウス、テクノ、トランス、ビッグルーム、ハードダンス、ベースミュージックなど、ほぼ全方位のエレクトロニック・ダンス・ミュージックが楽しめる。レーベルごとのステージがあり、レーベルやDJがキュレーションを担当していることも多い。地元ベルギーのアーティストも多数出演。
関連イベント:衛星中継イベントのUNITEは、ギリシャ、マルタ、ポルトガル、スペインで行われているほか、イビサUshuaia、ベルギーSportpaleisでは、Dimitri Vegas & Like Mikeをメインとする“Garden of Madness”が開催されている。
◆ULTRA MUSIC FESTIVAL
開催地:Virginia Key, Miami, Florida, US (アメリカ)
開催日:3/29-31
動員数:170,000
ステージの数:8
YouTube Subscribers : 161万
Facebook Likes : 376万
参加者の呼び方:Ultranauts
オフィシャルサイト:https://ultramusicfestival.com/
1999年から開催されており、2019年に20周年を迎えた。ダンスミュージック業界のコンファレンスと連動して始まった経緯もあり、トップDJが新曲を公開する場としても定着している。
メインステージは、Uマークと巨大LEDによるフューチャリスティックなもの。
出演アーティストを、ヘッドライナー、サポート、リージョナル・サポートのように格付けするなど、音楽へのこだわりは深い。ヘッドライナーにはEDMのみならず、テクノ、ハウスDJが入り、彼らには専用のRESISTANCEステージが割り当てられる。また、ライブ・ステージがあり、サプライズなビッグネームが飛び出すことも。ULTRAはTomorrowlandやEDCと違い、メッセージを発信していないが、ULTRA MUSIC FESTIVALと、名前に唯一MUSICがついていることからもわかるとおり、音楽そのものを最も重視している。
関連イベント:ブエノスアイレス、韓国、チリ、クロアチア、南アフリカ、日本、タイ、台湾、ペルー、シンガポール、ボリビア、ブラジル、インドネシア、香港、上海、メキシコ、オーストラリア、パラグアイで、各国のULTRAイベント(ULTRA MUSIC FESTIVALではない)が行われており、世界中への浸透度は最も高い。イビサではRESISTANCEのイベントも。
◆Electric Daisy Carnival
開催地:Las Vegas Motor Speedway, Las Vegas, Nevada, US (アメリカ)
開催日:5/17-19
動員数:465,000
ステージの数:9
YouTube Subscribers : 22万
Facebook Likes : 213万
参加者の呼び方:Headliners
オフィシャルサイト:https://lasvegas.electricdaisycarnival.com/
1997年スタートで2016年には20周年を迎え、2020年にはLas Vegas開催10周年を迎える。集客規模では世界最大級のダンスフェスティバル。
創設者のパスクアーレ・ロテラが前面に出ており、
EDCの根底にある価値観“PLUR(Peace,Love,Unity,Respect)”について語ることも多い。
Electricをフェスティバル名に持つとおり、エレクトリックなステージ多数で、ダンスフロアにも参加者が持ち寄ったエレクトリックなトーテムが立ち並ぶ。参加者のファッションもエレクトリックなレイヴ・ギアが多い。演出は夜間に本領を発揮。
ヘッドライナーは参加者というポリシーのもと、アーティストは横並びで表示する。近年のブッキングは、USベースミュージックのアーティストが多くなっている。ヘッドライナー向けにはハンドブックも用意されており、KANDIの交換などUSレイヴの伝統を継承している。
関連イベント:オーランド、メキシコ、日本でもEDCは開催されている