Sam Feldt 来日直前インタビュー

<Summer Sonic 2016>で、8/20(東京)にプレイが決定しているSam Feldt。いまやDeep & Tropical Houseシーンの重要アーティスとなっています。そんな彼が、Rakuten.FMで先日開催された<Tomorrowland 2016>当日、インタビューに答えてくれました。

__Bakermat & Friends ステージへの出演でしたが、いかがでしたか?

Bakermatとはいい友達なんだけど、ステージはメロディックでグルーヴィーなハウスミュージックとそれを愛するみんなでいっぱいで、とてもよかったよ。

__DJ仲間とたむろってきました?

うん。他のステージはまだ見に行ってないんだけど、Bakermatステージのみんなとは仲いいんで、会えてよかったよ。

__Tomorrowlandは、あなたにとって特別な場所ですか?

去年は、ビジターとして来て、その美しさや、幅広いスタイル、ステージの素晴らしさに驚愕したし、来年ここでDJできたらいいなって思ってたところ、実現したんで、とてもうれしいよ。

__夢が実現したんですね。

うん、今年はCoachella、Ultra Miami、Ultra Europeでもプレイできて、ほんとに夢のような年になってるよ。

__あなたの曲は、くつろいだ雰囲気を持っていますが、DJはよりエネルギッシュですよね。

そのとおりだね。僕の曲の多くはチルアウトトラックだし、一方でクラブっぽい曲もある。僕にとって、それらは全部Sam Feldt Musicだし、BPM100-128まである。遅いものから速いものまで、ラウドなものからチルなものまで、それらが自分の曲だって思ってもらえれば、僕はハッピーだよ。もちろん、DJセットでは、みんなに踊って欲しいから、よりエネルギッシュなプレイをするね。

__あなたの出世作は「Show Me Love」のリメイクだったわけですが、ずっとハウスのファンだったのでしょうか?

「Show Me Love」は、僕が初めて作ったハウスではないんだけど、最初にひきつけられたハウスチューンだったんだよね。12歳の頃、お金がなかったから父親に連れられて中古のスピーカーを買いに行ったんだけど、それを売ってくれた人がRobin Sの「Sow Me Love」を聴かせてくれたんだよ。それで、もっとこういうスタイルが聴きたいと思って、父親に「これはなんていう音楽なの?」って聞いたら「ドラムンベースだよ」って(笑)。「そうじゃない、これはハウスだ」ってわかって、それからハマっているよ

__Lucas & Steveとの「Summer On You」は、よりダンサブルな曲に仕上がっていますね。

「Summer On You」は2バージョンあるんだよ。チルなラジオやSpotify向けのと、フェスでもかけられるダンサブルなクラブ向け、二つ作れてハッピーだね。

__Tomorrowlandのメインステージもターゲットに入っていますか?

わからないなー(笑)。来年かもね。今回のステージやバイブスは気に入ったけど、どんなDJもいつかはメインステージって思ってるんじゃないかな?

__最後に日本のみんなにメッセージをください。

Summer Sonicに行くんだけど、もうお寿司屋さんは予約したよ(笑)

Sam Feldtのラジオ番組“Heartfeldt Radio”は、Futuregroove FMで毎週月曜24:00-25:00に放送中です。

interview : Tomo Hirata

Tomorrowland 2016 Report – Part 6

このシリーズ記事ではメインステージを中心にレポートさせてもらいましたが、TomorrowlandはEDMフェスではなく、テクノ、トランス、ハウス、ドラムンベース、ハードスタイル、ベースミュージックといったジャンルも大々的に展開されている音楽フェスです。今回はdeadmau5 vs Eric PrydzのB2Bが話題でしたが、同ステージではAdam Beyer & Ida Engberg夫妻のB2Bも行われていましたよ。
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実はメインステージ裏にはシークレットレストランもあって、そこでの収益は慈善団体Love Tomorrow Foundation、NGO’Cunina’を通じて、まずはネパールに‘Music & Arts School’ を建設するのに充てられるそうです 🙂
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チケットは入手困難ですが、航空券と宿泊がセットになったGlobal Journeyは、売り出し当日ならまず確保できますので、一生に一度は体験してみることをオススメします。

最後に、2016年のTomorrowlandを象徴する曲をチェックしていきたいと思います。ここ数年のリリース・ラッシュで、ヘッドライナー級アーティストのセットが最低でも6-7割は自分関連の曲になってしまったため、誰もがプレイしているピークタイムチューンというのはなくなっています。その関係で、各自のヒット曲は数年前のものでも本人によってプレイされていますし、多くの人が音楽ファンでアーティストのことをよく知っているので、相当古い曲でも盛り上がります。今年のトレンドになっているディープハウス、トロピカルハウスはサブステージで活躍していましたね。ちょっと意外だったのは、ハードキックはまだかなり人気があったこと。やっぱりTomorrowland級のメインステージになるとBig Roomは効果絶大です。

そんな中、オリジナル曲の間に重宝されていたのがこの三曲。


よく聴いたのはこのへん。


マッシュアップやエディットで使いまくられていたのはこのへん。




で、もちろんテーマ曲はこれでしたね。

Tomorrowlandはダンスミュージック・シーンが大きくなり始めてから30年にもおよぶヨーロッパのベルギーで2005年から開催されている、今回が12回目の歴史あるフェスです。2016年のチケット完売速度は史上最速、今年も地球上に存在するほぼすべての国に近い世界200か国以上から集まった、のべ18万人が’Live Today, Love Tomorrow, Unite Forever’のメッセージのもと、ともに音楽とフェスを楽しんだほか、その模様はTomorrowland TVやオフィシャル・パートナー・ラジオ(日本からもアジアで初めてRakuten.FMが現地にスタジオを設置しました)を通じて、今年初となる中国も含めた世界中に配信されました。7/22-24の週末には、なんと1億7500万人以上の人々がこの配信やSNSに触れたということです。ダンス・ミュージック・シーンが生んだこの巨大フェスは、いまやフェスを超えたムーブメントとして、さらなる躍進を遂げようとしているのでした。

FirebeatzとBassjackers 来日決定/ELE TOKYO(2016年9月)

オランダのプロデューサー/DJデュオ二組、FirebeatzとBassjackersの来日が決定しました。日程は、Firebeatzが9月10日(土)、Bassjackersが 9月30日(金)、共にELE TOKYO 2nd Anniversaryでの出演となっています。

9月10日 (SAT) Special Guest: Firebeatz
9月30日 (FRI) Special Guest: Bassjackers

https://www.facebook.com/eletokyo.jp/photos/a.1493785214187334.1073741828.1484595491772973/1830130537219465/

Tomorrowland 2016 Report – Part 5 – DAY3

7/24(日)最終日。
この日のDaybreak SessionはFerry Corsten。FeddeやLukeが前半をディープハウス、テックハウスなどで温めたのに対し、Ferryは最初からディープなProgressiveなどトランス系譜の音で徹底していました。終盤はもちろん自分の曲ということで、かなりメインステージ感満点なところまで行ってましたね。

今年はメインステージ初登場組が多いTomorrowland。この日も、まずはFTampaがブラジル人として初めてメインステージに立ちました。彼のオリジナル曲はハードなエレクトロ・ハウスのイメージが強いかもしれませんが、もともとロックミュージシャンだったというだけあって、ロックやポップをかなりセットに組み込んでいたのが印象的でしたね。FTampa & Vintage Cultureの新曲もMajor Lazer路線の気持いい歌ものでした。

DADA LIFEはTomorrowlandではもうおなじみ。最新シングルの「Red Is The Color Of Rage」ではミニマルトラックの原点に立ち返りながらも、やっぱりキメは「Kick Out The Epic Motherfucker」で“Hey-Ho”大爆発。バナナとシャンパンのDADA LANDは健在でした。

2016年はフューチャー・ハウス勢がメインステージでも活躍した年になりました。まずはDon Diablo。自らのヒット曲やHEXAGONレーベルの曲を中心にミックスしていき、ピークはリリースされたばかりのニューシングルDon Diablo & Steve Aoki x Lush & Simon ft. BullySongs「What We Started」でSteve AokiとLush & Simonがステージに登場した場面。また、亡くなったお父さんの話をして、誰か恋しく思う人、愛している人、気にかけている人に捧げる曲として「Silence」をプレイした場面はAftermovieにも使われていました。最後に「世界のどこから来たか、人種が何か、ゲイでもストレートでも、ブラックでもホワイトでもイエローでも関係ない。手をあげて、愛を示して」とMCしたあと「Chemicals」を合唱するシーンも感動的でしたね。

フユーチャー・ハウスつながりは、フジロック終わりでベルギーに直行のOliver Heldens。全編グルーヴィーなハウス・マナーが基本でしたが、おもしろかったのはOliver Heldens & Throttle「Waiting」でThrottleが登場して、ライブギターを弾いた場面。ディスコ少年ThrottleがTomorrowlandでギターを弾く展開は、ちょっと予想できませんでした。代表曲「Gecko」では“Hey-Ho”が巻き起こりましたよ。最後は、お得意のシャッフルも披露してました。

テクノ・シーンから唯一メインステージでプレイしたのは、ドイツのPaul Kalkbrenner。しかも、唯一ライブセットで、当然のことながら、ヨーロッパヒットの「Sky and Sand」含め、全曲自分の曲。キックの太さが、まったく違いました。

日も落ちかけて、アリーナも埋まり始めたころ登場したのは、DVLMとの親交も深く、ベルギーでも絶大な人気を誇るSteve Aoki。このところリリースラッシュですが、果敢に新曲を大量投入していました。トラップからフューチャー・ハウス、フューチャーベース、ハードスタイルまでプレイ、セットの内容が激変、イメージ一新でしたね。iLoveMakonnenをステージに招いてのトラップ新曲披露までありました。とはいえ、トレードマークのパフォーマンスも健在で、終盤では、半裸でおいしそうなベルギー産ケーキを6個投げておりました。最後はDon Diabloの時と同じパターンで、Don Diablo、Lush & Simonをステージに迎えての「What We Started」。AokiとDiabloがブースに立ってTomorrowlandの旗を振っている瞬間の一体感はすごかったです。

サンセットのベストタイムを担当したのはSteve Angello。いまやDJやプロデューサーの間で最も人気のあるDJ’s DJですね。中盤の「ID2」から「Save The World」大合唱、続いて「Lights」に行って「Don’t You Worry Child」で再び大合唱、さらにBob Marley「Is This Love」の上に、「これは愛なんだ。いつも言っているけど、このすべてが美しい。だって、ここで世界のすべてがひとつになっているんだよ」ってMCを入れて場内が国旗でいっぱいになったあたりのカッコよさったらなかったです。そして終盤、「Children Of The Wild」以降は自身のアルバム収録曲で疾走。「Let me see your soul.Let me see your heart」って言っていたのも深かったです。

実質的な大トリに抜擢されたのはMartin Garrix。Big Roomの世代交代を告げるかのような彼のセットは7割強が自分関連の曲で、特に最近の曲はProgressiveの要素が強く、これまでの“Put Your Hands Up”からは大きな変化が起きていることを示していましたね。それにしても、よくこれだけたくさんのヒット曲があるなぁという印象。中盤にはTrapのパートもありました。Martin Garrix & Pierce Fulton ft. Mike Shinoda 「Waiting For Tomorrow」 、Matisse & Sadkoとのコラボ曲など話題曲もプレイしていて、最後の最後に「How About Now」「Now That I’ve Found You」「In The Name Of Love」と持ってきたあたりにはメッセージ性まで感じられました。

締めはDimitri Vegas & Like MikeのVinyl Set。これは、毎度おなじみの余興的なもので、今回はテクノやトランス、ハードスタイルなど、アナログレコード時代のクラシックがプレイされていました。これらは、Like Mikeいわく「自分たちをDJに導いた曲」だそうです。

フェスティバルの最後は、例年通りシンフォニックで、「永遠の至福」を発見した人々は「内なる平和」のもとに帰っていくというシナリオ。’Live Today,Love Tomorrow,Unite Forever,Tomorrowland.’の言葉で締めるメッセージのブレなさも含め、その演出の素晴らしさにも、Tomorrowlandが他のダンスフェスと一線を画して王座を守り続けている理由があるのでした。