Risa’s EDM drop report from America – 36:PLUR精神はどこへ?

Risa’s EDM drop report from America
第36回:PLUR精神はどこへ?

これまでPLURの素敵な精神について何回も触れてきましたが、悲しいことに“PLUR!!”と言いながらも、EDMフェスでは“PLUR精神はどこへいってしまったの?”という行動を起こす人たちもいるのが現実です。
そこで、今回はアメリカの野外フェスでの“PLUR精神はどこへいってしまったの?”という人々の行動を紹介します。

■ PLURについてのおさらい
“PLUR”については何度も記事で触れていますが、PLURとは“Peace, Love, Unity & Respect”(平和、愛、団結、尊敬)のことです。EDMイベントの本来のコアな思想です。
どんな人種でも、宗教でも、男女関係なく、差別なく、皆仲良く、尊敬しながら喧嘩もなく平和に愛を持って接する、という素敵なコンセプトです。

■ PLUR精神はどこへいってしまったの?
前回に、PLUR精神溢れる素敵なストーリーについての記事を書きましたが、悲しいことに、PLUR精神が消えてしまった行動もイベントでは見かけます。

・割り込み
アメリカの野外フェスは、会場付近と駐車場内が混雑します。それにイラついてクラクションを鳴らして、前の車を危ないのに追い越したり、レーンがなくても少しでも前に隙があれば、勝手にレーンを作り出したり、ひどい割り込みをする車をよく見かけます。駐車所で喧嘩をする人がいたり、Peaceどころじゃありませんね。

・ゴミの山
ゴミ箱がフェス内にもあるのにも関わらず、会場が広くゴミ箱にまでに行くのが面倒臭いからと、ゴミをポイ捨てする行為が多く、イベントが終わる頃には会場内はゴミだらけになります。Respectな気持ちはどこへ行ってしまったのでしょう?

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・偽物のチケットに要注意
フェスが2日、または3日間立て続けに開催されている時に、1日目が終わると次の日のチケットをネットよりも安く道端で売る人をよく見かけます。“PLUR精神”という言葉を利用して、“売り切れのチケットを安く譲る”とうたっている人がいますが、なんとチケットが偽物の場合も多いと言われています。
実際に筆者の友達が、フェスの出口付近で2日目のイベントのチケットを購入したら、そのチケット(リストバンド)が偽物で、80ドル(約8,000)損しました。

・人にケガをさせる
野外フェス内の会場には、竹馬で歩いていたり、ユニークな衣装を着たパフォーマーたちがたくさんいます。
今年のEDCラスベガスでは、その竹馬のパフォーマーが大ケガを負ってしまったという悲しいストーリーがあります。EDCの会場内で、面白半分に竹馬のパフォーマーを思いっきり押した人がいました。たまにパフォーマーを押したり、パフォーマーにひどいことを言ったりする人たちがいるみたいです。
お酒によって人を押したり、喧嘩したりする場面を見かけることもよくあります。PLUR精神はどこへ?ですね。

・チケットなしで会場内に入ろうとする人たち
最近アメリカでは、以前よりさらに会場内に入る時のチェック(セキュリティーチェック前)が厳しくなりました。チケットがなくても、会場内に入りこもうとする人が増えているからだそうです。
筆者は実際に、ものすごい勢いでチケットチェックの場所を走り抜けて、警備員に捕まった人を見たことがあります。

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いかがでしたか?
以前の記事で紹介させて頂いたように、素晴らしいPLUR精神ストーリーもありますが、やはりPLUR、PLURと口では言いながらも、本当にPLUR精神があったら“こんなことできないのでは?”という行動を見かけたりします。

もっともっと本当のPLUR精神溢れる素敵なEDMのイベントが増えるといいですね。

Vicetone – Anywhere I Go

オランダ出身のエレクトロニック・ダンス・ミュージック・デュオ、Vicetone(ヴァイストーン)が、「Anywhere I Go」のPV(リリックビデオ)を公開しました。「Anywhere I Go」は、VicetoneがSpinnin’ Recordsからリリースしたニュー・シングルです。

Vicetoneはこのシングルの前、6月にMonstercatから「Nevada (ft. Cozi Zuehlsdorff)」をリリースし、話題となってますね。

Quintino 来日決定/2016年9月21日(水)V2 TOKYO

オランダのDJ/プロデューサー、Quintino、東京でのプレイが決定しました。日程は、2016年9月21日(水)V2 TOKYOとなっています。
なお、V2 TOKYOは、10/8(土)にApster、10/9(日)にJuicy Mの出演も決定しています。

9/21 Wed – Quintino
https://www.facebook.com/V2TOKYO/posts/548929568625042
10/8 Sat – Apster
https://www.facebook.com/V2TOKYO/photos/a.157832977734705.1073741826.157831774401492/550086468509352/
10/9 Sun – Juicy M
https://www.facebook.com/V2TOKYO/photos/a.157832977734705.1073741826.157831774401492/550086921842640/

Tomorrowland 2016 Report – Part 4 – DAY2

二日目7/23(土)。Tomorrowlandの二日目は、イベントとしてはメインの日ですが、早い時間は前日飛ばしすぎた人が多すぎて比較的空いています。

しかし、この日のDaybreak SessionはLaidback Lukeということで、なかなかの入り具合。Lukeはディープハウス、ハウス、エレクトロなどで少しづつグルーヴをつくり、終盤は自分の曲という典型的Daybreak Sessionスタイルでした。アカペラの乗せ方が素晴らしかったですね。

続いて登場したのは、メインステージ初登場組のAndrew Rayel。Arminがかわいがっているモルドヴァの若手。トランスとビッグルームEDMを交えた派手なセットで、MCもEDMマナー。トランスとEDMの境界線はますます無くなってきているのを感じました。

メインステージ初登場、この日二人目はRegi。地元ベルギーではかなりの人気を誇るベテランDJ/プロデューサーで、Dimitri Vegas & Like MikeやYves Vとのコラボでも知られています。セットは、わかりやすい曲とハードキック・ビッグルームをマッシュアップ&ショートミックスしていくメインステージ仕様のものでした。

ビッグフェスのデイタイムと言えば欠かせないのはSunnery James & Ryan Marciano。トレードマークのトライバル・ハウスで、この日もグルーヴをつくりまくっていました。最後にBob Marleyをプレイしたのも、おしゃれでしたね。

メインステージ初登場、この日三人目はKSHMR。自らのインド系の血を反映した独特のメロディセンスと抜群のプロダクションで、ビッグルーム・シーンを中心に大人気となっている彼のセットは、9割方自分の曲というオリジナリティの高さ。昨年、Tiestoのステージに引き上げられて、シャイな姿を見せていたのが嘘のような貫禄ぶりでした。ラストはアーティスト名が曲名の「カジミア」。

メインステージ初登場が続きます。The Chainsmokers。この人たちの人気はスゴくて、あっという間にアリーナがいっぱいに。ダウンテンポからプログレッシヴまでかかる、全体にUSらしい、BPMの変化が大きいセットでしたが、最後の「Don’t Let Me Down」では当然のことながら大合唱に。2016年を象徴する一曲は、Tomorrowlandのメインステージでも大歓迎を受けていました。

TomorrowlandのレジデントDJというとDVLMが浮かぶ人が多いと思いますが、最多パフォーマンス回数を誇るのは、こちらYves V。V-Sessionsというステージも持っていて、Tomorrowlandのベースを音楽的に支えてきた人なのです。Aftermovieにも必ず彼の曲は使われていますね。Tomorrowlandを知りつくしているだけあって、前半はビッグルームのクイックミックス、後半は自分のヒット曲という展開で、安定感を見せていました。

ここからは、UNITEで世界7か国とも連動。最初はNicky Romero。新旧の自らのヒット曲、PROTOCOLのニューリリース中心のセットで、このところずっと推してきたProgressiveの比率は少な目。途中、「空中から撮影しているヘリコプターに国旗を見せて!」という一幕も。最後にちょっと変わった新曲も披露していましたね。

Afrojackの時間は日没直後ということでベストな雰囲気。煽りまくりに、次から次へとアゲまくりの「Booyah」まで飛び出すセットに、花火も風船も飛びまくった上、別のMCがUNITE開催国に呼びかけて、お祭り感は最高潮。ゲスト・ヴォーカルにはFaisが登場。新曲を一緒にやってるRavitezもステージに上げてました。「Ten Feet Tall」では、もちろんの大合唱に。

しかし、Tomorrowlandの爆発力はこんなものではありません。Dimitri Vegas & Like Mikeを、みんな待っていたのでした。DJパフォーマンスが、会場やクラウドによって変わってくるとしたら、DVLMのセットはまさにTomorrowlandのメインステージに最適化されているのですから、これに勝るものはないと言ってもいいでしょう。世界中から集まった大観衆を前に最強のパワーを発揮する仕掛けが、音楽的にもパフォーマンス的にも、いたるところに組み込まれ、メインステージはまさにマッドネス状態に。単純にアゲて騒ぐなんていうレベルのことをやるのではなく、緩急使い分け、会場全体を別次元に持っていっていました。DiploやUmmet Ozcanとの新曲など、IDもいくつかプレイしていましたね。「Stay A While」のしっとりとしたピアノが流れたときに、「オォー」という感嘆の声が響いていたのが印象に残りました。

普通のフェスなら、ここで「世界No.1 DJのパフォーマンスはスゴかった」で終わるところなのですが、そうじゃないのがTomorrowland。おそらくこのシーンで最もリスペクトされているAxwell Λ Ingrossoがトリなのです。ハウスをベースとしたオリジナル曲のクオリティの高さ、マッシュアップの完成度の高さは、これまた別次元。さらに、Axwellのスウェーデン語なまりの英語MCももうおなじみで、ユーモア&説得力抜群。「ここのパートは踊るの難しいぞ!」ってThe Pointer Sisters – I’m So ExcitedにLean Onのアカペラを乗せたのには唸らせられ、「ここに来れたかもしれないみんなのことを思っているよ」と言いながら「Thinking About You」をプレイする瞬間に心が暖かくなり、「Levels」に同郷の後輩への想いを感じ、といった具合。「Save The World」の前にはIngrossoが「世界は今かなりクレイジーだけど、僕らはいま美しい旗や、世界中から来た人や、信じられないほどのエネルギーを目にしている。僕らはプライベートジェットも、酒も、車もいらないよ、欲しいのは平和だ。だから、いまみんなピースサインを出して。僕らがいま欲しいものは平和なんだ」とMCして、大合唱に。「
Sun Is Shining」での、みんなのライトがともっているシーンも感動的でした。彼らのプレイが、2016年のベストパフォーマンスだったという人も多いことでしょう。