Kygoが、リオ・オリンピック閉会式でプレイ

Kygoが、8/21に行われるリオ・オリンピックの閉会式でプレイすると発表しました。

Billboardが伝えるところによると、Kygoは最新シングル「Carry Me」をヴォーカリストのJulia Michaelsと披露するそうで、これは新設されるOlympic Channelで見られることになりそうです。
トロピカル・ハウス人気は、なんとこんなところにまで及んできましたね。

ちなみにKygoはファッションラインもスタートするそうです。

https://www.olympicchannel.com/

http://www.billboard.com/articles/news/dance/7476054/kygo-rio-olympics-closing-ceremony

Forbesが2016年「世界で最も稼いでいるDJランキングを発表」1位は?

Forbes誌が、毎年恒例となっている「世界で最も稼いでいるDJランキング“Electronic Cash Kings”」を2016年も発表しました。これは昨年6月から今年6月までの、DJギグ、楽曲の売り上げ、企業タイアップまですべてを含む推定数字から割り出されているとのこと。
その結果はどうだったでしょう?()内は昨年順位および、過去3年の数字

1. (1)Calvin Harris – $63 million($66 million/$66 Million/$46 million)
2. (3)Tiesto – $38 million($36 million/$28 Million/$32 million)
3. (2)David Guetta – $28 million($37 million/$30 Million/$30 million)
4. (8)Zedd – $24.5 million($17 million/$21 Million)
5. (4)Steve Aoki – $23.5 million($24 million/$23 Million/$14 million)
6. (11) Diplo – $23 million($15 million)
7. (4)Skrillex – $20 million($24 million/$16.5 Million/$16 million)
8. (7)Kaskade – $19 million($18 million/$17 Million/$16 million)
9. (8)Martin Garrix – $16 million($17 million)
10.(New) Dimitri Vegas & Like Mike – $15.5 million
11. (10)Afrojack – $15 million($16 million/$22 Million/$18 million)
12. (6)Avicii – $14.5 million($19 million/$28 Million/$20 million)

トップは4年連続でCalvin Harris。6300万ドルは、1ドル100円として約63億円ですね。初めて下降に転じましたが、2位との差はまだまだ大きいです。トップ10だけ見ると-1%で、昨年の+2.5%、おととしの+11%から見ると、さすがにもう飽和状態で、これ以上の収入増は、楽曲のスーパービッグヒットでもなければ無理という印象です。いくらなんでも、ギャラはこれ以上は上がらないってとこまで来ていますね。Steve Aokiは、ヴェガスのDJの状況を見れば、バブルはもうはじけていると言っていますが、音楽を重視しないヴェガスの成金クラブこそがバブルの温床だったというのが、近いうちに判明するかもしれません。

Forbesによると、各DJのランクインにまつわる事実は次のとおり。
Avicii – この夏の終わりでツアーから引退するも、音楽は作り続けるし、VolvoやRalph Laurenとしたような好条件契約への道は開かれている。
Afrojack – 期間で50以上のギグをこなし、ライセンスやG-Star Rawとのファッション・コレクション契約のような音楽以外のベンチャーで収入を増加させている。
Dimitri Vegas & Like Mike – ヴェガスよりヨーロッパで人気だが、世界中のメジャー・フェスティバルで6桁(数千万円)のギャラを獲得している。
Kaskade – 5月にLos Angeles Convention Centerで2万人の会場をソールドアウトに。
Martin Garrix – リスト中もっとも若いが、過酷なツアースケジュールをこなし続けている。時計ブランドTag Heuerの顔にもなった。マネージャーはJustin Bieberと同じ。
Skrillex – Justin Bieberのカムバックに貢献、最新アルバム『Purpose』で5曲をプロデュース。
Diplo – 2015年夏のヒット曲「Lean On」を共作、この曲はSpotifyで8億回再生された。
Steve Aoki – ここ一年で198回のショウをこなしている。
Zedd – 一年間の収入としてはキャリア最大に。好条件のクラブ、フェスティヴァル・ギグ多数。
David Guetta – フランスで行われたEURO 2016のテーマ・ソングを制作
Tiesto – 昨年100ギグ以上をプレイ。7-Upとの推定7桁(億円クラス)の契約にサイン。
Calvin Harris – 1ギグで40万ドル(1ドル100円として4000万円)以上、ラス・ヴェガスで最もギャラが高い。

今回ニューエントリーはDimitri Vegas & Like Mike。躍進はZedd、Diploですね。5月に発表されたInternational Dance Music Summitのデータによると、ストリーミングや、中国、南米といった新しい地域での人気に支えられて、Electronic Musicシーンはまだ成長中です。これからのEDMシーンは、よりグローバルなものになっていくのかもしれません。

ソース:http://www.forbes.com/sites/zackomalleygreenburg/2016/08/16/worlds-highest-paid-djs-electronic-cash-kings-2016/#4d25855f55ec

EDM PRESS recommended new releases 0805-0811-2016

01.Axwell & Shapov – Belong (Axwell & Years Remode)

02.DJ Snake ft. Justin Bieber – Let Me Love You

03.Mark Knight – Yebisah

04.Ovion – On My Way

05.Laidback Luke & Yves V – To The Beat

06.Galantis and East & Young – Make Me Feel

07.Nora En Pure – Convincing

08.Lucky Charmes – Bobotie

09.Vicetone – Anywhere I Go

10.ALVARO, Lil Jon & JETFIRE – Vegas

世界的音楽ストリーミングサービスSpotifyが、EDMの起源と精神を語る

全世界における音楽ストリーミングサービス最大手のSpotify。日本には上陸していないので、そのパワーにはピンとこない人も多いでしょうが、音楽シーン全体への影響力は、いまやすさまじいものがあります。

そのSpotifyが、なんとアメリカのEDMシーンについてのショートビデオを発表しました。日本では、ほとんどの人が誤解しているEDMの起源、精神がよくわかります。

要約は以下のとおり。
「EDMは、ただのパーティのサウンドトラックではない、コミュニティをひとつにするムーヴメントでもある」
「1977年シカゴで、差別を受けていたブラック・ゲイ・コミュニティが、安全な場所として新しいクラブ“Warehouse”を発見する。中では、Frankie Knucklesがディスコ、ソウル、ユーロシンセをミックスして、新しい音楽を創造していた。それは後に“ハウス”と呼ばれるようになる」
「一方で、デトロイトでは三人のティーンエイジャー(Juan Atkins、Derrick May、Kevin Saunderson)がエキサイティングで新しい何かを発見し、未来のような音をつくっていた。デトロイト・テクノは希望に根ざした音楽であり、暗い現実から抜け出すものでもあった」
「しかし、’90年代中盤になると、それを破壊するような敵が現れる。邪悪なクラブオーナーはダンスカルチャーから搾取し、(アメリカでは)ドラッグ問題が起き、政策はレイヴやミニマルな音楽までも禁止しようとした。それに対抗して、ブルックリンのFrankie BonesとAdam Xは、不朽のコンセプトとして“PLUR”を紹介した。“Peace(平和)、Love(愛)、Unity(団結)、Respect(尊敬)”」
「今日では驚異的なEDMの成長は、差別や(弾圧)政策への抵抗という起源から離れてとらえられているかもしれない。しかし、そのポジティヴィティとコミュニティを中心に保つことによって、次世代のEDMアーティストはPLURの精神を生かしていけるだろう」

つまり、EDMの起源はシカゴ・ハウスやデトロイト・テクノであり、そこにはPLUR精神があるということですね。
これはEDM PRESSの見方とも一致しています。
日本ではどういうわけか、多くの人に「ただのバカ騒ぎ音楽」、「オールミックス系」と認識されてしまっているEDMですが、まったくそういうものではなく、基本的にはハウス系譜のポジティヴィティを基調とした音楽だということを、Spotifyがクリアにしてくれた一幕でした。
逆に言うと、Spotifyがこのようなビデオを発表するほど、世界的なEDMへの関心は高いということですね。

現在、Spotifyチャートの1位はMajor Lazerの「Cold Water」、3位にはThe Chainsmokers、4位にDJ SNAKE、6位にCalvin Harrisが名を連ねています。

Tomorrowland 2016 Report – Part 6

このシリーズ記事ではメインステージを中心にレポートさせてもらいましたが、TomorrowlandはEDMフェスではなく、テクノ、トランス、ハウス、ドラムンベース、ハードスタイル、ベースミュージックといったジャンルも大々的に展開されている音楽フェスです。今回はdeadmau5 vs Eric PrydzのB2Bが話題でしたが、同ステージではAdam Beyer & Ida Engberg夫妻のB2Bも行われていましたよ。
TML2016_20160722_234840_JW

実はメインステージ裏にはシークレットレストランもあって、そこでの収益は慈善団体Love Tomorrow Foundation、NGO’Cunina’を通じて、まずはネパールに‘Music & Arts School’ を建設するのに充てられるそうです 🙂
TML2016_20160723_130808_JW

チケットは入手困難ですが、航空券と宿泊がセットになったGlobal Journeyは、売り出し当日ならまず確保できますので、一生に一度は体験してみることをオススメします。

最後に、2016年のTomorrowlandを象徴する曲をチェックしていきたいと思います。ここ数年のリリース・ラッシュで、ヘッドライナー級アーティストのセットが最低でも6-7割は自分関連の曲になってしまったため、誰もがプレイしているピークタイムチューンというのはなくなっています。その関係で、各自のヒット曲は数年前のものでも本人によってプレイされていますし、多くの人が音楽ファンでアーティストのことをよく知っているので、相当古い曲でも盛り上がります。今年のトレンドになっているディープハウス、トロピカルハウスはサブステージで活躍していましたね。ちょっと意外だったのは、ハードキックはまだかなり人気があったこと。やっぱりTomorrowland級のメインステージになるとBig Roomは効果絶大です。

そんな中、オリジナル曲の間に重宝されていたのがこの三曲。


よく聴いたのはこのへん。


マッシュアップやエディットで使いまくられていたのはこのへん。




で、もちろんテーマ曲はこれでしたね。

Tomorrowlandはダンスミュージック・シーンが大きくなり始めてから30年にもおよぶヨーロッパのベルギーで2005年から開催されている、今回が12回目の歴史あるフェスです。2016年のチケット完売速度は史上最速、今年も地球上に存在するほぼすべての国に近い世界200か国以上から集まった、のべ18万人が’Live Today, Love Tomorrow, Unite Forever’のメッセージのもと、ともに音楽とフェスを楽しんだほか、その模様はTomorrowland TVやオフィシャル・パートナー・ラジオ(日本からもアジアで初めてRakuten.FMが現地にスタジオを設置しました)を通じて、今年初となる中国も含めた世界中に配信されました。7/22-24の週末には、なんと1億7500万人以上の人々がこの配信やSNSに触れたということです。ダンス・ミュージック・シーンが生んだこの巨大フェスは、いまやフェスを超えたムーブメントとして、さらなる躍進を遂げようとしているのでした。