beatportでEDMを買おう – EDM DJ Tutorial 001

(6・7追記:beatportでバニラVisaが使えなくなっているという情報があります)

EDM DJ Tutorialでは、ほんとに初歩の初歩からDJの始め方を解説していきます。

EDM DJを始めようと思ったら、まずは曲を買わなくちゃいけないわけですが、これは基本的にbeatportで買います。

beatportはアメリカに本社がある、世界最大のダンスミュージック配信サイトです。
EDMの新しい曲は、beatportだけで最初はリリースされることも多いので、EDM DJにとってbeatportは欠かせない存在なのです。なお、beatportでは携帯からは曲を買えないので、基本的に操作はすべてPCで行ってください。

また購入には、クレジットカードが必要です。
そんなもんもってねーよ!という方、ぜんぜん大丈夫です。
コンビニに行って、「バニラVisaオンライン」という、インターネット決済専用プリペイドカードを買ってください。5290円で5000円のカードが買えます。
このカードをまずはバニラVISAオンラインのサイトでで登録するのですが、登録の仕方は以下のサイトをご覧ください。
http://vanilla-online.jp/
で、これでカードを登録すると最後に「カード情報確認」というのができるので、ここで出てきた「カード番号、有効期限(月/年)、セキュリティコード」をカードに油性ペンでメモしておくか、携帯にメモしておきます。そうしておけば、いちいちログインして確認しなくていいので便利です(盗まれたら終わりですが)。

本題に入りましょう。beatportで曲を買うには、まずアカウント開設が必要です。
https://pro.beatport.com/
に行って、右上のLOG IN / SIGN UPをクリックすると記入欄が出てきます。
上から、すべてアルファベットで記入します。

名前

ユーザーネーム(ニックネーム、ハンドルですね。最低3文字)
パスワード(8文字以上、スペースなし、数字とアルファベットが混在していること、大文字小文字区別あり)
確認のためパスワードをもう一回
Eメールアドレス
確認のためEメールアドレスをもう一回

すべて記入しおわると、右下にCREATE ACCOUNTというのが出てくるので、そこをクリック。

これで、アカウントの開設は終了で、すでにLOGINされた状態になっていると思います。

次に右上のユーザーネームのところをクリックするとACCOUNT SETTINGSというドロップダウンメニューが出てくるので、そこを選んでください。

左にBILLING INFORMATIONというところがありますが、ここでCREDIT / DEBIT CARDというところを選んで、CARD INFOのところにまずは上から
名前

カード番号
有効期限
をアルファベットで記入してください。

続いてBILLING ADDRESSのCOUNTRYでJAPANを選んでください。
そうすると記入欄が減るので
STREET ADDRESS 1に何丁目何番何号室
STREET ADDRESS 2に市区町村から丁目の前まで
CITYに都道府県
をアルファベットで入れてください。ほんとはCITYに都道府県じゃないんですが、気にしなくていいです。

で、右下のSAVE CHANGESを押します。
登録されると「Your billing information has been updated successfully!」というメッセージが上に出ます。

続いて左のメニューから、AUDIO PREFERENCESというところを選びます。
MP3、WAV、AIFFと並んでいますが、ここでは普段、どのフォーマットのファイルを買うかを選んでおけます。WAVとAIFFは非圧縮で基本的に同じ音質で、WAVがWindowsの標準、AIFFがMacの標準です。MP3は、それらを圧縮して軽くしたもので、音質的には少し劣化しますが、beatportで売っているMP3は320kbpsという、MP3では最高音質のものなので、実際のDJでの使用には大きな支障はありません。ファイルがWAVやAIFFに比べて軽いことや、現場ではほとんど聞き分けられないという人も多いこと、タグ管理ができることからMP3を使っているDJも少なくありません。レーベルから送られてくるプロモーション楽曲も、ほとんどの場合、320kbps MP3です。ちなみにiTunesで売られている楽曲は、256kbps AACというフォーマットで、これもほぼ同程度の音質と言われていますが、mp3と混在すると管理が面倒だからなのか、beatportよりリリースが遅れることが多いからなのか、プロDJで使っている人はほとんど見ません。(補足:iTunesの音源の中には、エンコードの関係でCDマスタリングよりも0.3-0.7db程度レベルを下げたものがあるんだそうです。これもDJがiTunesで購入した曲を使わない理由になっていると思われます。また、ものによってはiTunes用のマスターを別に用意していることもあり、それらはクラブ仕様になっていないと推測されます)

しかし、ここではあえてWAVかAIFFをオススメしておきます。WAVやAIFFからMP3をつくることは、フリーソフトで簡単にできますが、その逆はできないのですから。

ここでSAVE CHANGESをおして、基本的な設定は終了です。

さて、実際の買い物をしてみましょう。

左上のbeatportのロゴをクリックすると、ショップのトップ画面にきます。
このトップページで見るべきは、右にあるTOP TENくらいで、あとは無視でかまいませんw

EDM DJがチェックすべきなのは、ジャンル別のチャートです。
左上のGENRESにカーソルをあわせると、ドロップダウンメニューが出てくるので、まずはそこからELECTRO HOUSEを選んでください。
続いて右側のTOP TEN TRACKSの一番下にVIEW TOP 100 TRACKSというところがあるので、それをクリックするとELECTRO HOUSEの100位までが出てきます。
順位の右横に再生ボタンがあるので、それを押してみてください。
試聴できますね!
それで気に入った曲があったら、一番右の、ピンクでドルで値段が書いてあるところをクリックするとカートにその曲が入ります。

EDM DJだったら、Progressive House、Future Houseも好きだったらHouse、Skrillexみたいなのが好きだったらDubstepやGlitch Hopも同じようにチェックしてみてください。

で、カートにお気に入りの曲が入ったら、購入に入ります。
右上のカートマークのところをクリックしてください。
お値段の画面が出てきますね。
ここでADD PROMO CODEというところに、お値引きになるコードを知っていたらコードを入力してください。
コードは、あれば以下のサイトでも発見できます。
http://www.retailmenot.com/view/beatport.com

そして、緑のCHECKOUTというボタンを押せば、クレジット決済画面が出てきます(LOGINを再度求められることもあります)。
ここでは、すでにクレジットカードの情報は登録しているので、右下のSECURITY CODEというところにセキュリティーコードを入力、その下のCOMPLETE CHECKOUTを押すだけで決済が完了します。

次の画面では、買った曲がダウンロードできるようになっているので、右のDOWNLOADというボタンを押せばダウンロードが始まります。ダウンロード先はブラウザで指定してあるところになります。

ちなみに現在の1ドルは120円くらいなので、WAVやAIFFで一曲買うと330円~390円くらいです。beatportでしか売っていない、beatport exclusiveの曲が少しお値段高めですが、そこにいい曲が多いのも事実です。

インターナショナルDJとローカルDJ

よく、日本からは国際的に活躍するEDM DJがなぜ出ないのだろう?という質問をもらいますが、これはトップEDM DJのほとんどがプロデューサー出身であることを考えると当たり前です。
日本のDJで国際的ヒット曲を持っている人はEDMシーンには一人もいません。
僕の「Taiko」がbeatport Electro House chartで27位、これが今のところ最高位と記憶しています。
またチャート順位だけじゃなくて、トップDJのラジオショウやDJセットでプレイされることが、欧米のEDMシーンで活躍するには必要条件になってきます。
これらは、いずれも現在の競争が激しいEDMシーンにおいては、ものすごくハードルが高いです。

ちなみにトコト君は総合チャートでトップ10入りという偉業をなしとげていますが、そのときの彼の曲はハウスだったので、いわゆるEDMヒットではなかったかなと思います。
シーンも、もっと健全でした。

では、日本でトップDJ扱いされている人は、国際的にはどういう評価なのだろう?という疑問が出てくると思いますが、これはローカルDJです。
要するに、日本国内(もしくはアジア圏内)で活動しているDJと認識されているということですね。

つまり、DJの種類は大きく分けて二種類あるのです。
国際的ヒットを出して、世界中をツアーしているインターナショナルDJと、自国周辺を主に守備範囲とするローカルDJですね。クラブのレジデントDJなどは、典型的なローカルDJです。
これは日本だけでなく、世界中どこにでもある区別です。
beatportチャートでブレイクを目指すか、iTunes Japanチャートでブレイクを目指すかの違いといったら、わかりやすいでしょうか。

もちろんインターナショナルDJのほうが世界的には人気もあり、出演料も高いのですが、だからといってローカルDJがダメということではありません。
特に、日本においては自国の経済の中だけでDJも職業として成立し得るので、あえてハードルの高い海外を目指すより、ローカルDJとして活動するほうが懸命な場合も多いでしょう。

また、この二種類はほぼ両立できないので、インターナショナルDJは地元ではほとんどブッキングがなく、ローカルDJは自国外ではほとんどブッキングがないという現象も起こります。

どちらを目指すかは、本人の意志しだいで、どちらもアリなわけですが、ローカルDJのほうがなりやすく、そのかわりに限界点も低いということを覚えておいたらいいと思います。

ちなみに僕はインターナショナルDJを目指していますが、ものすごく道は険しいですね(> <)

EDM DJと、これまでのDJの違い

EDM DJと、いわゆる一般的なDJは、やっていることがまったく違います。
ふつう、DJっていうとみんなが想像するのはスクラッチびしばしのバトルDJだったり、クラブで黙々と(ときどきMCいれたりして)beatportやトップ40のヒット曲をつないでいくDJだったりしますよね。
これは、EDM DJではありません(いいすぎかな、EDM DJスタイルではありません)。

HardwellはBillboardのインタビューで、こう語っています。
「もうDJなんていないよ. まあ少しはいるか、年配の人に。新人はみんなビッグ・ヒットを出したプロデューサーで、突然DJになるんだよ」

そうなんです。
EDM DJは、いまやほぼ全員がプロデューサー出身なんです。
最初にヒット曲があって、それで人気が出て、いろんなクラブやフェスでプレイできるようになるんです。Martin GarrixやOliver Heldensが好例ですね。

もちろん彼らも10代の頃からみんなDJの基本的なところは練習してきているでしょうが、Zeddとか、ほとんどDJ経験はなかったって言っていますよね。あのCalvin Harrisでさえ、最初の頃はつたないPC DJでした。

先に音楽制作とヒット曲ありき。
そして、自分の曲や、自分のレーベルの曲、自分でつくったマッシュアップやエディットでDJパフォーマンスをする、これがEDM DJです。

その背景にあるのはPC DJの普及によって、DJ自体はもはやあまりスキルを必要としなくなったこと、そしてEDMのトラックはPC1台でつくれるようになったってことがありますね。
そういう意味では、誰にでもチャンスがある時代になったということです。
このDJカルチャーにとって、巨大な転換点が2000年代にあったわけですが、日本ではそこが見過ごされていると個人的には感じます。

Alesso – “Sweet Escape” (Audio)

Alessoが2014年からあたためてきた「Sweet Escape」のオーディオを公開しました。この曲は、Ultra Japanでもプレイされていたので、もうおなじみですね。ヴォーカリストは、Dimitri Vangelis & Wymanの最新シングル「Live Love Die」でも歌っているSirena。

ColdplayのChris Martin、EDMを支持


こんにちは、Tomo Hirataです。
僕の本業はダンスミュージッククリエイターでDJなので、物書きに時間をかけることはもうしないと決めていたのですが、日本を取り巻くEDMの状況があまりに誤ったイメージになっているので、このEDM PRESSで、コラムを書いてくことにしました。題材はDJや曲作りのことから、アーティストのことまでさまざまになると思いますが、よろしくおねがいします。

で、第一回目にどうしても取り上げたかったのが、2014年にリリースされて、世界中で大ヒットを記録した、ColdplayとAviciiのコラボ曲「A Sky Full Of Stars」です。この曲について、Chris Martinは、Rolling Stoneのインタビューでこう語っています。

「EDMをバカにする奴らもいた、でも出かけていってEDMにおきてることを見てみろよ、みんなものすごく一緒になって、最高の時間をすごしてる」
「それでおれは思ったんだ、(バカにするやつがいるから)なんだってんだ、おれはあれを愛しているんだよ。あの世界から生まれる曲が欲しいんだ、ってね」

それを踏まえて、上のふたつのビデオを見てみてください。
Chris Martinが、いかに的確にEDMの素晴らしさをとらえていたか、よくわかりますね。