僕はターンテーブルも、売り払ってしまってもう1台しか持っていないし、アナログ・レコードも相当数処分してしまったので、先週のX-traに向けては、デジタルで楽曲を買い直した。そこで役に立ったのは、’90年代X-tra開催当時のLOUDだった。自分が書いたレビューは、X-traでプレイしたディスクの記録として、そこに残っていたのだ。
’90年代の楽曲が、beatportやJunoで売られているかというと、意外なことに、それなりにあった。でも、無いもののほうが多かった。無いのは、主にメジャーのレコード会社がからんでいる音源だった。たとえばCe Ce Peniston「Finally」のSharpミックスなんていうのは、どうしても欲しかったのだが、WAV屋さんでは売っていなかった。
そこで便利だったのは、アマゾン・マーケットプレイスだった。そういう音源は、CDシングルで買うしかないのだが、マーケットプレイスには、かなりマイナーなものまであった。
かくして、僕の手元には、X-traでかけていた曲が約180曲集まった。もう充分すぎる量だった。
それでも最終的に見つからなかったのは、CROSSTRAXなどの微妙にマイナーなレーベルから出ている音源と、ホワイトレーベルで流通していたブートレッグたちだった。
アナログ・レコードを大量に持ったままで、どうしたらよいか分からないという人は少なくないと思うが、微妙にマイナーなものと、ブート系のディスク以外は、処分してもそれほど困らない。買う気になれば、今からでもデジタルで買える。これが、僕の出した結論だ。
先週使った、16GBのUSBメモリさえあれば、僕はいつでもX-traクラシックをプレイできる。これは、なかなか気分のいいことだ。
ちなみに当日、デジタルでプレイしたのは僕だけだった。だから、DJミキサーの両脇には、CDJ-2000を押しのけて、Yo-C仕様のダブルピッチ・ターンテーブルがデ〜ンと置かれていた。それは、なんだか微笑ましい光景だった。