UnitedMastersはメジャーレコード会社を駆逐するか?

UnitedMastersというサービスが、Googleの親会社Alphabetと20th Century Foxが出資して立ち上がりました。ウェブサイトには「あなたの未来にレーベルは存在しない。長い間、アーティストは音楽業界の中で独立性とクリエイティブ面での自由で妥協を強いられてきた。今までは。UnitedMastersに登録して、あなたの独自性を増やして」とあります。さっそくUnitedMastersに登録してみましたが、これはUnitedMastersがネット上に存在するアーティストを片っ端からチェックし、サポートしていくような動きに見えます。そうだとしたら歓迎すべき方向に向かう可能性は高いと思いますが、それはさらに熾烈な競争を生み出すことにもなるでしょう。

Your Future

ネットが僕らの生活の一部になってから、クリエイティブな活動やその発表はだれにでもできる、敷居の低いものになりました。それを見て、「誰もがクリエイターの時代、発信できる時代だから、アーティストも実力が評価されるようになる」という主張がありますが、これは残念ながらそのようにはならなかったように見えます。
大量のクオリティの低い作品がネット上に流れている環境では、人々はそれらをいちいちチェックしないのです。現代において最も貴重なのは「時間」ですから。
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DJmag Top 100 真相は?

Top 100 DJs Awards Ceremony 2017

UKのDJmagは、1991年創刊の伝統あるDJ雑誌です。創刊当初からハウス、テクノ、レイヴミュージックといったサウンドに特化していて、トップ40系コマーシャル・クラブ(これは世界中どこにでもあります)などは無視してきた硬派な雑誌です。そのDJmagが主宰するDJランキングがDJmag Top 100です。1997年に一般投票を受け付けるようになったこのランキングは、EDMブームとともに注目度を増してきました。いまでは100万票以上を集めるようになり、ここ2年はMartin Garrixが一位を獲得しています。

さて、このDJmag Top 100で上位を獲得しているDJは、なぜ上位にいるのでしょう?DJスキルによってではないことはだれの目にも明らかです。では、Laidback Lukeをはじめとする一部のDJが指摘するように、広告にどれだけお金を使ったかランキングでしょうか?
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MarshmelloとMoe ShaliziとBass Music

Marshmello & Moe Shalizi Play 'Never Have I Ever' | Billboard

EDMがブレイクしたのは2000年代末~2010年代初めの期間で、’EDM’というのは米語です。それまでの間、’EDM’という言葉を使っているメディアは、ほぼ皆無でした。’EDM’というのは、アメリカの音楽業界が、最近のエレクトロニックなダンス・ミュージックを取りまとめるために作った言葉なのです。ヨーロッパの業界では、いまだに’EDM’という言葉を使いたがらない人も多く、彼らは「EDMってのはアメリカ産のダンスミュージックのことだろ?」なんて冗談を言うほどです。Tiestoも’EDM’ではなく’Electoro House’という言葉をつかうことがあります。

その点で、アメリカ産のエレクトロニック・ダンス・ミュージック、Bass Musicは、実は真正の’EDM’です。世界中どこにいってもSkrillexもmarshmelloもOokayもIlleniumも’EDM’扱いです。日本では最近Bass MusicとEDMを区別しようという謎の動きがみられますが、EDMという大きなくくりの中に、USを中心とするBass Musicとヨーロッパを中心とするHouse系のEDMの二大勢力があるだけです。
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