9月15日(土)〜9月17日(月・祝)にかけて、TOKYO ODAIBA ULTRA PARKで<ULTRA JAPAN 2018>が開催。一部あいにくの悪天候に見舞われながらも3日間でのべ10万人(15日3万人、16日3.5万人、17日3.5万人)を動員し、5周年目を迎えた今年も連日数多くのドラマを生み出した。
午前中は雨が降りしきっていたものの、早くからオーディエンスが会場に集結した初日。MAIN STAGEでは、ULTRA JAPAN初出演となるJonas Blue、そしてOliver HeldensにGalantis、さらにはAxwell Λ Ingrossoが登場。DJブースにドラムを持ち込み、他アーティストとは異なるスタイルで大観衆を魅了したGalantisのオリジナリティ溢れるパフォーマンスも光っていたが、他3組のハウスを主体としたセットも、それぞれ独創的でオーディエンスを虜に。初日から進化するダンスミュージックの多様性、新たな潮流の兆しを垣間見せた。
そして、2日目には日本でも人気のNicky Romeroが持ち前のビッグルームなサウンドでオーディエンスを圧倒すれば、Steve Angelloは熟練の妙技でフロアを見事にコントロール。トリを務めたDJ Snakeも破壊力抜群のトラップ〜ベースミュージックで会場を終始沸かせていたが、圧巻だったのは怒濤のトランスセットを披露したArmin van Buuren。エネルギッシュでありながらトランスの醍醐味である高揚感やメロディの美しさ、煌めきを随所に見せるアンストッパブルなプレイに、オーディエンスは歓喜し、終始激しく踊りつつけていた。
3日目最終日は、Cash Cash、Tchami x Malaa(No Redemption)、そしてAfrojack。日中は快晴だったものの、惜しくも夕方から天気が崩れてしまったが、オーディエンスは逆境をも楽しむかのように大熱狂。そんななか、ULTRA JAPAN初出演となるZeddが大トリとして登場すると、MAIN STAGEは満員のオーディエンスで埋め尽くされ、もはや悪天候もなんのその。そんなフロアに対し、Zedd は「Beautiful Now」を皮切りに自身のヒット曲をたっぷりとプレイ。メロディアスで親しみやすい彼のアンセムの数々に会場からはたびたび大合唱が巻き起こり、なかでも一番の盛り上がりを見せたのは代表作「Stay」。その後も興奮が冷めやらぬなか、ラストは美しいメロディが光る名曲「Clarity」。会場が一体となり、大きな歌声がお台場に響き渡ると同時に夜空には大輪の花火が咲き乱れる、なんとも感動的なクライマックスで<ULTRA JAPAN 2018>は幕を閉じた。
また、今年もアンダーグラウンドのハウス〜テクノに幅広くアプローチしていたRESISTANCE。その大トリを務めたのは、世界各国で開催されているULTRA史上一度もプレイしていない、正真正銘ULTRA初参戦となるシーン屈指の女性アーティストNina Kraviz。テクノを中心とした繊細かつ男勝りなパワフルなプレイでオーディエンスを支配し、MAIN STAGEに負けない熱気を生み出していた。
ULTRA待望の初上陸に多くのファンが歓喜し、日本国内でも大きな話題となった2014年。移り変わりの早いダンスミュージックシーンの最先端を取り入れ、なおかつRESISTANCEをいち早く開催するなど、2年目ながらその音楽性を大きく刷新させた2015年。トロピカルハウス界のスターKygoの初来日を実現すると同時にTiëstoなどを初招聘し、さらなる飛躍を遂げた2016年。当代きってのヒットメイカーThe Chainsmokers、世界最高峰のアーティストCarl Cox、さらには本家マイアミの<Ultra Music Festival>で人気のLIVE STAGEを新設するなど、高まる人気のなかでも守ることなく攻め続けた2017年。
そして、記念すべき5年目となる<ULTRA JAPAN 2018>は、よりバラエティに富んだサウンドを携えながら、新たなムーヴメントの開拓にもチャレンジ。コンテンツ、システム、ホスピタリティなど様々な面が年々進化していくなかで、ULTRA JAPANは、ダンスミュージックフェスのエポックメイキングな存在として日本に新たなマーケットを創り、それが5年という歳月を経ていまやひとつのカルチャー、ムーヴメントとして定着しつつある。