The History of EDM – 6 (’09年~’10年)~EDMの起点


’00年代中盤にいったん失速したかに見えたダンス・ミュージック・シーンですが、そこで次の展開を考えていた一人がDavid Guettaでした。David Guettaは、2017年1月のインタビューで「Erick MorilloやMasters At Workといったクラシック・ハウスに影響を受けていたけれど、そんなアンダーグラウンドな音楽がラジオでかかったり、DJがアーティストとして認められること」を意図していたと答えています。
また、彼が「エレクトロニックとヒップホップという、かつてはほとんど敵」だったというジャンルを、ハウス側から融合させて、USではあまり人気のなかったエレクトロニック・ミュージックを全米のポップチャートにブレイクさせたところに“EDM”という米語が知れ渡るきっかけがありました。
David Guetta ft. Kelly Rowland – When Love Takes Over (’09)
The Black Eyed Peas – I Gotta Feeling (’09)

力をつけてきたスウェーデン勢からは、Swedish House Mafiaが結成され、より大きなスペースを意識したハウス・ミュージックが新たなスタイルとなります。
Axwell, Ingrosso, Angello, Laidback Luke ft. Deborah Cox – Leave the World Behind (’09)
Swedish House Mafia – One (Your Name) (’09)

トランス・シーンで世界的スーパースターに上り詰めていたTiestoが、音楽的に大きく方向転換したのもこの頃でした。
Tiësto vs. Diplo – C’Mon (’10)

David Guetta、Swedish House Mafia、Tiestoは、いまでもダンス・フェスのヘッドライナーを務める大御所ですが、彼らがEDMシーンのパイオニアと言えるでしょう。

また、エモ、オルタナ系バンド出身のSkrillexがdeadmau5のサポートで、ハードなダブステップ(ブロステップ)でブレイクしたのも、この頃でした。
deadmau5やSkrillexは、前三者とはまったく違ったラインでEDMの起点をつくっていたのです。
Skrillex – Scary Monsters And Nice Sprites (’10)

The History of EDM – 1 (’80年代)~ルーツをたどればシカゴ・ハウス
The History of EDM – 2 (’90年代)~ハウス大躍進の時代 – US編
The History of EDM – 3 (’90年代)~ハウス大躍進の時代 – UK編
The History of EDM – 4 (’90年代)~ハウス大躍進の時代 – ヨーロッパ編
The History of EDM – 5 (’00年代)~エレクトロの台頭
The History of EDM – 6 (’09年~’10年)~EDMの起点
The History of EDM – 7 (’10年代)~ダンスフェスの爆発的人気上昇
The History of EDM – 8 (’10年代)~EDMシーンが巨大化
The History of EDM – 9 ~まとめ

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