DJmag Top 100 真相は?

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Top 100 DJs Awards Ceremony 2017

UKのDJmagは、1991年創刊の伝統あるDJ雑誌です。創刊当初からハウス、テクノ、レイヴミュージックといったサウンドに特化していて、トップ40系コマーシャル・クラブ(これは世界中どこにでもあります)などは無視してきた硬派な雑誌です。そのDJmagが主宰するDJランキングがDJmag Top 100です。1997年に一般投票を受け付けるようになったこのランキングは、EDMブームとともに注目度を増してきました。いまでは100万票以上を集めるようになり、ここ2年はMartin Garrixが一位を獲得しています。

さて、このDJmag Top 100で上位を獲得しているDJは、なぜ上位にいるのでしょう?DJスキルによってではないことはだれの目にも明らかです。では、Laidback Lukeをはじめとする一部のDJが指摘するように、広告にどれだけお金を使ったかランキングでしょうか?

これは莫大な広告費を使うDJがいるようですから、ないとは言えないと思います。実際、謎のDJがDJmag Top 100にランクインしてくることは珍しくありませんし、Googleの広告や、DJmagページの広告で投票を呼びかけていたDJは、思ったより上位にランクインしているような気がします。しかし、僕はちょっと別の見方をしています。広告費やマーケティング予算をどれだけ使っても、限界があると思うんですよね。僕が思うにはDJmag Top 100では、実はTomorrowlandの影響力が絶大です。そこを指摘する人は、ほとんどいないのですが、これは間違いないと思うのです。

DJmag Top 100は、インターネット投票になっていますから、ネット上での知名度、露出度、人気度が最重要な要素と考えていいはずです。
TomorrowlandのYouTubeチャンネル購読者は600万人、これはUltraのUMF TV 140万人、EDCのInsomniac Events 18万人と比較すると、いかに巨大であるかわかると思います。
Facebookの「いいね」はTomorrowlandが1270万人、Ultra Music Festivalが360万人、EDCは210万人です。
Tomorrowlandが「ダンスフェス最高峰」と見なされることが多いのは、こうした数字からもわかります。DJmag Top 100投票結果でTomorrowlandの影響力がはっきり出ているのが、Lost Frequenciesの最高位ニューエントリーや、メインステージで初めてプレイしたEric Prydzの32位アップ、Timmy Trumpetの37位アップなどでしょう。

他では、2017年からは中国からの投票もできるようになったそうで、それがDJmag Top 100におけるビッグルーム勢のランクアップにつながったのもあると思います。中国からの支持がDJmag Top 100に大きく影響しているように見えます。
一方で、伝統的にDJmag Top 100の投票呼びかけを行わない、広告も打たないスウェーデン勢は、のきなみ順位を下げています。Galantis、Alesso、Steve Angelloが大幅に順位を下げているあたりに、違和感を感じる人は少なくないでしょう。
また、アメリカ勢は基本的にDJmag Top 100を無視しています。KaskadeやDiploは公然とこのランキングを皮肉っているほどです。

いずれにせよ、こうしたランキングは、シーン活性化のための余興のようなものなので、受け取る側もそのくらいに思っていたほうがいいと思います。アジアのクラブでは、いまだにDJmag Top 100をブッキングの指標に使う傾向が強いと言いますが、欧米ではTomorrowlandの例に見るように、大型フェスのブッキングが逆にDJmag Top 100に影響を与えているのが実情です。もっとも、雑誌のランキングが現場に影響を与えるというのは、そもそも本末転倒な話なんですよね。Don’t Believe The Hype.

DJ TOP 100 .. I'm not a fan
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