MarshmelloとMoe ShaliziとBass Music


Marshmello & Moe Shalizi Play 'Never Have I Ever' | Billboard

EDMがブレイクしたのは2000年代末~2010年代初めの期間で、’EDM’というのは米語です。それまでの間、’EDM’という言葉を使っているメディアは、ほぼ皆無でした。’EDM’というのは、アメリカの音楽業界が、最近のエレクトロニックなダンス・ミュージックを取りまとめるために作った言葉なのです。ヨーロッパの業界では、いまだに’EDM’という言葉を使いたがらない人も多く、彼らは「EDMってのはアメリカ産のダンスミュージックのことだろ?」なんて冗談を言うほどです。Tiestoも’EDM’ではなく’Electoro House’という言葉をつかうことがあります。

その点で、アメリカ産のエレクトロニック・ダンス・ミュージック、Bass Musicは、実は真正の’EDM’です。世界中どこにいってもSkrillexもmarshmelloもOokayもIlleniumも’EDM’扱いです。日本では最近Bass MusicとEDMを区別しようという謎の動きがみられますが、EDMという大きなくくりの中に、USを中心とするBass Musicとヨーロッパを中心とするHouse系のEDMの二大勢力があるだけです。

初期EDMシーンではUSのフェスでも、ヨーロッパのビッグルーム系アーティストがメインステージを占拠することが多かったわけですが、これはアメリカ・サイドから見ると’European invasion’のようなもので、かなり異例のことでした。それに対してUS産Bass Musicを中心とするシーンは、SkrillexやDiploを中心に、北米のホームグロウンなものとして独自に成長してきたわけです。

ここ数年のビッグルームの失速とともに、北米のダンスフェスではBass Musicの人気が急伸しています。その背景には、そもそもヒップホップやロックに慣れ親しんできたアメリカ人にとって、そのグルーヴ感が理解しやすかったことがまずあります。Bass Musicでヘッドバンギングしているクラウドはライブストリームのお気に入りです。また、プロモーターにとっては出演料やコストもリーズナブルな彼らは、法外なギャラになってしまったビッグルームDJに代わる存在として適役だったのでしょう。

そんな中から生まれたスーパースターがMarshmelloなわけです。ダブステップ・アーティストとして別名で活動していたMarshmelloが大躍進した陰には、敏腕マネージャーであるMoe Shaliziの力があります。Moe Shaliziは、Borgore周辺からEDM業界に入ってきた人で、2015年からは大手マネージメント会社Red Light Managementに所属しています。Moe Shaliziの担当するアーティストは、Jauz、Ookay、Slushii、Ghastly、Maejor、Dotcom、Sikdopeなどなど。MarshmelloがSelena Gomezと組んだ最新シングル「Wolves」は、Marshmelloにとって初の全米トップ40シングルとなりました。MarshmelloとMoe Shaliziの勢いはまだまだ続きそうです。

Selena Gomez, Marshmello – Wolves (Visualizer)
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