【Tomorrowland 2018の音楽】
Tomorrowlandは日本では、近年流行のEDM系ブチアゲ・ダンスフェスと思われているかもしれませんが、これは完全な誤解で、’LIVE TODAY, LOVE TOMORROW, UNITE FOREVER’という大きな理念のもとに、あらゆるジャンルのエレクトロニック・ミュージックをカバーして開催されているフェスです。出演アーティストは、のべ1000組以上。ダンスミュージックを30年かけてカルチャーにまで昇華させた本場ヨーロッパの歴史を網羅しているため、ハウス、テクノ、トランス、ハードコアといったシーンからの支持も厚く、2018年は特にディープ・ハウス、メロディック・テクノに力が入っていました。
それゆえ客層も20代、30代はもちろん、その上にまで余裕で伸びていて、世界中から集まった新旧のダンスミュージック・ファンが互いをリスペクトしあい、ひとつになっていました。
メインステージでは、Carl Cox、Paul Oakenfold、Erick MorilloといったレジェンドがDaybreak Sessionsという特別な3時間セットで登場したり、Paul Kalkbrenner、Charlotte de Witte、Kolsch、Solomun、CooneなどEDM以外のジャンルで活躍するDJも多数プレイしました。
また2018年からはOrgan of Harmonyステージでライブも取り入れられ、French Montana、Dua Lipa、Underworldなど人気アーティストが多様性をさらに広げていました。
ほとんどのDJがAviciiの追悼を行っていて、「Levels」や「Wake Me Up」をプレイしていました。ダンスフロアには、参加者が用意した巨大な追悼フラッグ、One World BridgeにはTomorrowland公式の追悼碑も掲げられました。
ほかに目立ったところをピックアップしていきましょう。
まずは、ここ2年欠席だったHardwellが、力強いMCとともに復活、素晴らしいセットを披露してくれました。
Martin GarrixはTomorrowlandのために書き下ろした新曲をエンディングでプレイするなど、大トリにふさわしい貫禄のプレイでした。STMPD RCRDSステージでは、変名のYTRAM(Martyの逆読み)で、白いマスクをかぶりながら、レアなエレクトロ・ハウス・セットも行っていましたよ。
Tomorrowlandと言えばDimitri Vegas & Like Mike。メインステージではArminやW&Wをゲストに、目の前の大観衆からUNITEまでを自在に操り、Organ Of Harmonyでは、おじいさんおばあさんをブースに上げるなど、まさにやりたい放題で、Tomorrowlandのマッドな側面を演出していました。今年のTomorrowlandのために、7曲の新曲を含む『Tomorrowland 2018 EP』までリリースする力の入りようでしたよ。
Steve AngelloのブースにSebastian Ingrossoがゲストで現れたり、AngelloがSwedish House MafiaとしてMCをしたり、AxwellがSwedish House Mafiaでの出演をにおわせるMCをしたりという場面もありました。
Alessoは一週目のメインステージも好評でしたが、二週目にはFreedomで原点回帰なプログレッシヴ・ハウス・セットを披露、絶賛を浴びていました。
Salvatorre GanacciはメインステージのDJブースに寝転がるなど、ユーモラスなアクションと愉快な選曲で大きな話題を作りました。
Vini Viciは、完全にブレイクしていて、PSY TRANCEのドロップや民族調のチャントで、ビッグルームの新展開を見せてくれました。
Timmy Trumpetは、メインステージ夕方に定着。トランペットの音色が、自然あふれる会場に素晴らしく響いていました。
このほかにもTomorrowlandのオフィシャルYouTubeページには、Armin Van Buuren、David Guetta、Tiesto、Steve Aoki、Afrojack、Alan WalkerらスーパースターDJたちのライヴセットが大量にアップされているので、ぜひチェックしてみてください。
ちなみに1001 Tracklistsがまとめた、Tomorrowland 2018で最もプレイされたトラックは、以下の通り。今ではほとんどのDJが、自分のオリジナル曲中心のセットを組むようになっているため、アンセム的なものはほとんどありませんが、そんな中、テックハウスのFisherが1位というあたりにTomorrowlandの特色が出ています。あと、今年はイタリアの自由の歌「Bella Ciao」もよく耳にしました。
01. Fisher – Losing It
02. Avicii – Levels
03. Sandro Silva & Quintino – Epic (Garmiani Remix)
04. Calvin Harris & Dua Lipa – One Kiss
05. Don Diablo – Momentum
06. Tiësto & Dzeko ft. Preme & Post Malone – Jackie Chan
07. Axwell Λ Ingrosso – More Than You Know
08. Avicii ft. Aloe Blacc – Wake Me Up
09. Kid Cudi ft. MGMT – Pursuit Of Happiness’ (Steve Aoki Remix)
10. Yeah Yeah Yeahs – Heads Will Roll (A-Trak Remix)
【Tomorrowland 2018】特集4ページ目へ続く