Avicii – Feeling Good (Avicii by Avicii)

スウェーデン出身のエレクトロニック・ダンス・ミュージック・プロデューサー/DJ、Avicii(アヴィーチー)が、「Feeling Good (Avicii by Avicii)」のPVを公開しました。この曲は、Aviciiが昨年スウェーデンの自動車メーカー、Volvo(ボルボ)とのコラボレーションでリリースした「Feeling Good」を、新たにつくりかえたものです。楽曲自体は、Nina Simone(ニーナ・シモン)の歌などで有名なスタンダード・ナンバーですね。

デビュー・アルバムの『True』の時と同様、最新アルバム『Stories』もまるごと“Avicii by Avicii”バージョンにして出してほしいですね。

Aviciiのライブ映像を手がけるComixが、アジアツアーのShowreelを公開

先日のAviciiのコンサートでは、その映像に圧倒された方も多かったと思いますが、Aviciiの映像をずっと手がけてきたロンドンのComixが、アジアツアーのShowreelを公開しました。これを見ると、EDMが映像やライティング、オーディエンスまで含めた総合舞台芸術であることがわかりますね。そこが従来のクラブミュージックとの大きな違いとも言えそうです。

ComixはAviciiのほかにも、Axwell Λ Ingrosso、Martin Garrix、Alessoなどを手がけています。

Aviciiショックの意味するもの

Aviciiの日本公演が終了した。
三度三年に渡る来日キャンセル、そして年内でのツアー引退宣言を受けての、まさに最初で最後の来日公演だった。

公演が発表されたとき「どうせまたキャンセルでしょ」という声まで出ていたのも事実だった。
数週前のラスヴェガスをすべてキャンセルしたあたりで、その雲行きが怪しくなっていたのも否めない。

僕はAviciiがキャンセルをするたびに、「自己管理ができていない」「マネージャーが甘やかしすぎ」とかツイートされるのを見ては、「彼はアーティストなのだから僕らの基準で考えてはいけない。体調が悪いのだからしょうがない」というコメントをBlockFMの自分の番組で連発していたのだけれど、番組の相方の谷上君に「そのコメントはファン心理を考えるとよろしくないですよ」とたしなめられる始末だった。

しかし、今回は来た。
ついに彼は約束を果たしてくれた。

僕はTomorrowlandで彼のプレイを見たことがあったのと、昨今の日本のEDMイベントの状況を考えると、まあ無難な感じになって終わりかな?と、たかをくくって行ったのだけれど、驚愕する結果となった。

今回のAviciiのライブは、Ultra Japanの一回目に匹敵する、日本のEDMイベント史上もっとも素晴らしいものだった。
まずなんといっても、Aviciiが2時間にわたって披露した楽曲のクオリティの高さがものすごかった。プレイした曲は、おそらく1曲を除いて、ほぼすべて自分の曲やリミックスだったのだが、iPhoneやPC、クラブで聴くのとは完全に別物になっていた。Aviciiの音楽には、一般の方がEDMと聞くと連想するような’Put Your Hands Up’や’1-2-3 Jump’、パーティの要素は一切無い。美しいメロディとハーモニー、ハウスビートがあるのみなのだけれど、それが大音量で流れ、精細かつ巨大なLEDに映し出されるComixの映像や、ライティングと連動したとき、そこにはこの世のものとは思えない空間が形成されていた。

そのライブを完璧なものにしていたのは、集まっていた素晴らしいオーディエンスだった。
未成年の若者たちから年配の方まで、普段はEDMイベントやクラブに行かない(行けない?)人たちが多数派に見えたのだけれど、彼らは「Levels」はもちろん、「Fade Into Darkness」まで大合唱するほどの熱狂的なファンだった。
アーティストにとって、自分の古い曲までファンが歌ってくれることは、ものすごくうれしいことだと思う。
そこにAviciiとオーディエンスの気持ちが通い合っていたのは間違いないところで、それゆえ会場には、まれに見るポジティブなバイブスが形成されていた。
イントロや曲終わりに歓声が上がるたび、そのバイブスは強力なものになっていった。

このライブから、僕は音楽のパワーのものすごさを再び感じることができた。
それは、とてもとてもすばらしい経験だった。

ここで話は終わりではない。
EDM PRESSのFacebookページに投稿されたアフターレポートには、現時点でなんと2000を超える「いいね!」が集まり、記事のリーチも155シェアで12万を超えているのだ。
これは、Ultra Japanページの「いいね!」が11万台であることを考えると、どれだけものすごいことであるかがわかる。
この数字は、EDM PRESS上ではUltra Japan関連やトップEDM DJのインタビュー記事をもはるかに上回るもので、見方によっては今回のAvicii来日公演は、日本のEDMイベント史上最大の事件だったとも言える。なので、僕はこれを「Aviciiショック」と呼んでみた。

冷静に分析すると、今回のAvicii単独公演は、EDMという音楽が次の段階に移行したことを決定づけたものだと思う。つまり、DJカルチャーからバトンを譲り受けたプロデューサーカルチャーが、コンサートという舞台をパフォーマンスの場にする段階に到達したということだろう。EDMにはもともと、映像、ライティング、特殊効果、観衆まで含めた総合舞台芸術の要素が強く、そこが魅力でもあったのだが、それが単独公演で成立する段階にすでに到達しているのだ。これからのEDMシーンは、優れた楽曲を持つアーティストがライブコンサートを行う形で発展していくのだろう。ZeddやKygoの成功例を見るまでもなく、それは明らかだ。僕の予想では、次にその域に到達するのはMartin Garrixだと思う。

この歴史的転換期に、最高のEDMアーティストの一人であったAviciiがライブシーンから去っていくのは、象徴的でもある。Aviciiはアーティストとして、常に心身ともに極限のところで創造と戦ってきたのだろう。だから、ときにはもう疲れきって戦えなくなり、現実の仕事をキャンセルせざるをえないこともあったのだろうと思う。僕らが日常の生活では手に入れることができないものを、彼は全力をふりしぼって取りに行ってくれて、力尽きたのだ。そのアーティスト精神に、心から「ありがとう」と言いたい。

最後に、日本のEDMシーンに大きな希望があるとすれば、それはAviciiの公演に、彼らにとって安くはないであろう入場料を払って来て、「Fade Into Darkness」を歌っていたような未成年の存在だろう。今回ライブに行けなかった人も含めて、彼らのような存在が、Aviciiのような素晴らしい音楽をつくって、あんなバイブスをつくってみたいと思うところから、次のステージは始まる。

そのカルチャーがうまく育つように、僕にはどんな手助けができるだろう?と今は考えている。

(2016/06/08 Tomo Hirata)

Avicii 最初で最後の”ジャパン・ツアー、4万8千人を魅了

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世界を目覚めさせ続け、EDMという音楽のボーダーを常に拡張し続ける人気アーティスト、アヴィーチーのジャパン・ツアーが6月4日(土)大阪・舞洲特設会場、6月5日(日)千葉 QVC マリンフィールドにて行われ、ファン4万8千人が集結しました。

1stアルバム『トゥルー』、2ndアルバム『ストーリーズ』はともに、世界のみならずここ日本でも大ヒットし、来日を切望され続けていた中、今までに何度か来日公演が決定するもドクター・ストップなどにより実現しておらず、さらにアヴィーチー本人が2016年のツアーと公演をもってライヴ活動を最後にすることを公表したため、まさに“最初で最後”の来日公演となりました。

開演後、Otto Knowsがアヴィーチーをフィーチャーした「Back Where I Belong feat. Avicii」でアヴィーチーにバトンタッチし、ついに実現したアヴィーチーのショウがスタート。3年間信じ待ち続けたファンで埋め尽くされた会場からは溢れんばかりの歓声が沸きあがりました。

アヴィーチーは、デビュー・アルバム『トゥルー』からの大ヒット曲「ウェイク・ミー・アップ」「ヘイ・ブラザー」やニュー・アルバム『ストーリーズ』からの大ヒット曲「ウェイティング・フォー・ラヴ」「ザ・デイズ」などを余すことなく披露。「Fade Into Darkness」のような古い曲も一緒に歌い、1曲1曲披露するごとに、拍手を送るファンに、アヴィーチー本人も「トーキョー!来てくれてありがとう。色々あったけど、最終的にここに来られてうれしいよ」とコメント。最後に、自身が世界に名を知らしめることとなったきっかけの1曲「レヴェルズ」を披露し、120分間のジャパン・スペシャル・ロング・セットで、大満足の来日公演は、無事終了!

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ライヴの数日前から来日し、鎌倉や秋葉原、京都、大阪などの観光地を巡り、ローカル線の電車に乗る姿を目撃されるなど、SNS上で“‪#‎AVICIIは存在します‬”というタグが話題に上がっていたアヴィーチー。自身のSNS上でも各地での観光写真やライヴ写真をアップし「日本のショウは、今までやった中で最高のショウの1つだった」「日本は本当に最高な国だね」とすっかり親日家になった様子。また、滞在中には鉄板焼きや懐石料理、うなぎなどの日本食も進んで食べてみたとのこと。ライヴ活動は中止するものの、音楽活動は今後も続けるアヴィーチーの次のニュー・アルバムには、日本でインスピレーションを受けた楽曲が収録されるかもしれませんね。

Photo: Sean Eriksson

Otto Knows、Aviciiの来日公演に出演決定(2016年6月)

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2016年6/4(土)大阪 舞洲特設会場、6/5(日)千葉 QVCマリンフィールドで開催されるAvicii(アヴィーチー)の来日公演に、スウェーデンのプロデューサー/DJ、Otto Knows(オット・ノウズ)の出演が決定しました。また、国内DJの出演もアナウンスされました。

イベントの詳細は以下をご覧ください。
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