ダンスミュージックアーティスト=’DJ’ではない

一般メディアやロック系メディアに多いのだけれど、ダンスミュージックアーティストを’DJ’と表記していることが多い。
たとえばAviciiを’世界で最も成功したDJのひとり’とか。
これは、日本でも海外でも見られる現象だ。

しかし、Aviciiは’DJ’として特別な才能があったわけでもなく、’DJ’として人気が出たわけでもない。
彼にたくさんのファンがいるのは、楽曲が素晴らしいからにほかならない。
それはCalvin Harrisでも、The Chainsmokersでも、Zeddでも同じことだ。
‘DJ’は、彼らにとってライブパフォーマンスの一手段でしかなく、メインの要素ではない。
実際、Kygoは’自分をDJだと思ったことはない’と発言しているし、Zeddも自分はミュージシャンであると言っている。

楽曲が活動の主軸になっているダンスミュージックアーティストは、ポップやロックのアーティストと同列に語られるべきで、そのパフォーマンス形態を肩書にされるのは不本意だろう。

HardwellやSteve AokiやAfrojackといったアーティストは、DJが活動の主軸で、そのDJプレイゆえに人気を獲得しているわけで、彼らを’DJ’と表記することは適切だと思うが、楽曲メインのダンスアーティストをDJと表記するのは、ロックバンドをライブパフォーマー集団と表現するくらい的外れなことだ。

DJと表記すべきかどうかは、そのアーティストがDJプレイのために曲を書いているのか、それとも自分の曲をみんなに聴いてもらうためにDJをしているのかという点で、実は容易に区別できる。特にメディアにかかわる人は、そこに注意を払ってもらいたいものだ。

photo:Drew Ressler/rukes.com

Skrillex プロデュース作品

Skrillexは、最近はFuture R&Bのプロデュースをよくしている。
SkrillexがBrostepでシーンを席巻したのは2010年のことで、もう8年前だ。
そりゃ、いつまでもそこで立ち止まりはしないよなぁと思う。

Danny Ocean – Epa Wei (Official Music Video)