Ableton Live 10 のCPUスパイク

Windows 10の電源管理で「高パフォーマンス」に設定する。
基本中の基本なんだけど、デフォルトじゃないので忘れてることが多い。

あと、オーディオインターフェイスが問題発生源のときがある。
理屈はわからないが、USBポートを変えてみたりというのも有効。

余談だけど、オーディオインターフェイスとPCを接続するUSBケーブルで音は変わる。
驚くほど違うことを発見。

ヴォーカルプロダクション

最近、ヴォーカルのことをよく考える。
ほとんどがPCの中で完結してしまう現代のダンスミュージック制作において、ヴォーカルのレコーディングだけは、スタジオワークになる。
しかも、DJユースのトラックでなければ、それは曲の主役だ。

今日UNIVERSAL AUDIOのブログで、おもしろいものを見つけた。
トッププロデューサーが、プロデューサー視点でのヴォーカルプロダクションについて語っている。彼らはエンジニアもこなす。

ラフに要約すると:

シンガーにとってレコーディングはプライベートなもので、そこですべてをさらけ出すのだから、当人だけでなくスタジオにいるすべての人に気を配らなくてはならない。

シンガーが、楽しんで、没頭できる環境をつくらなくちゃいけない。

キーとヴォーカルのスイートスポットはとても大事だが、お気に入りのキーにとらわれることがベストではない。

最終処理に近いものを聞かせて、自信を持ってもらうのも大事

ヴォーカルの返しには、できればリヴァーブは使いたくない(人によってEMT140とか、いろいろ好みはあるが)

ポストマローンのレコーディングではドラム、ベース、コード進行だけのトラックを15分くらい流して、フリースタイルで歌ってもらう。そこにちょっとしたアイディアを投げる。彼がサーフボードにのっていて、自分が耳栓みたいなもの。最初の一回がとても大事だ。驚きは最初にしか得られないから。彼らがのりまくっているときに、適切な調整をするのがプロデューサー。

譜割りやブレスの場所、単語ごとの重要度、そこにこめられた感情についても語り合う。

流れをとめない、テイクは最小限に

シンガーの視点は尊重しなくてはいけない

声が疲れるまでレコーディングするのは的外れ。30分でも一日でも休むべき

同じようなのをもうひとつくれない?と言ってはいけない。もうそれは録れてるんだから。

シンガーが家に持って帰って聞いてもいい?というのは、あらさがしをするためなのでダメ。

Beatportが好調らしい

Music Business Worldwideによると、USのダウンロードセールスは2015年の半分以下になってしまったが、ダンスミュージックのダウンロードプラットフォームであるBeatportのセールスは2018年の上半期で8%も伸びていて、USやドイツ、UKといった主要国(ここに日本は入らない)でも同様の伸び率だという。

好調の要因は、DJマーケットにターゲットを絞り込んだからだそうで、それはチャートを見ていてもわかる。
今やBeatportのチャートはテックハウスとテクノに席巻されている。
これらは、Tomorrowlandではメインステージでもプレイされるが、ULTRAやEDCでは基本的にサブステージの音楽で、アンダーグラウンド・クラブを中心にプレイされている。
ダンスフェスのメインステージでプレイされているようなBig RoomやElectro Houseは、いまやBeatportのTop 100内にわずか5曲しかない(2018/10/5現在)。

この現象は、Fisher – Losing Itの爆発的ヒットに象徴されているだろう。
このテックハウスは2018年最大のクラブヒットで、2018年のTomorrowlandで最もプレイされた曲だった。
当初はBeatport Exclusiveでリリースされ、現在ではストリーミングサービスでも数百万という再生回数に到達している。

Fisher – Losing It

Beatportはこの好調を、クラブやフェスのDJから、オープンフォーマット(日本でいうオールミックス)やモバイルDJのような、商業ディスコや結婚式などに呼ばれるDJたちにも広げたいと考えているようで、彼らがプレイするPop、Hip-Hop、R&B、Latinといったジャンルを拡充するようだ。

世界的趨勢だとデジタルダウンロードはオワコン(日本には結局本格上陸しなかったw)なのだが、趣味でDJをやっている人たちも含めて、一般の音楽ファンではなく、世界中のDJをターゲットにするというBeatportのニッチ戦略が成功しているのは興味深い。これは、音楽発信の起点となる人たちの数が増えていることも意味するわけで、SNSマーケティングが生んだスーパースターDJブームが一段落した現在、見逃せない動きだと思う。発信者がいれば、その周辺にはコミュニティも形成されていくわけで、その小さなコミュニティの集合体が大きなシーンを形成するというのは、実はかつてのダンスミュージックシーンの在り方で、原点でもある。歴史は繰り返すのだろうか?

では、両手ほどのスーパースターDJを生み出したEDMシーンは、どうなっていくのだろう?
これはすでに答えが出ていて、Calvin HarrisやZeddのような優れた作曲、プロデュース能力を持った人たちがポップフィールドに組み込まれて発展していく。そもそも彼らはDJ出身ではなく、DJはライヴパフォーマンスの代わりとしてやっているだけだ。
彼らのストリーミングサービスでの再生回数はFischerと二けたも違うわけで、
EDMは、DJミュージックとしての存在感は薄れてしまったけれど、ポップミュージックとしては、これからも盤石なことだろう。