日本で起こったEDMとダンスミュージック・フェスティヴァルの悲劇

日本におけるEDMやダンスフェスの悲劇は、その理念が無視されて、パリピ経済と結び付けられてしまったことにあったなぁと振り返って思う。

パリピは英語で言うParty Peopleではなく、ちょっと前ならパラパラを踊っていたような人種だ。その対象はハロウィンや泡パや花火大会など、なんでもいいわけだ。それ自体、なんの問題もないし、僕はアンチ・パリピでもない。パリピの中にもテイラー・スイフト・レベルじゃなくダンスミュージックが好きな人もいるだろうし、そういう人はダンスフェスのマナーもわかっているだろう。彼らとは、一緒に音楽を楽しめると思う。何より、僕らダンスミュージック側の人間からしたら、パリピであるかどうかには意味はない。まったくどうでもいいことなのだ。パリピが好む音楽はEDMで、好むイベントはダンスフェスでも、ああそうなんですね、というだけの話だ。

問題は、そこが逆転して、「EDMやダンスフェスはパリピのもの」と勘違いされてしまったことにあった。

例えば、サッカーの日本戦で渋谷の交差点に集まる人には、パリピが大量に含まれているだろうが、サッカーやワールドカップがパリピのものだと思っている人はいない。サッカーはプレイヤーも含めサッカーファンのものであり、ダンスフェスやEDMはダンスミュージックファンのものなのだ。

ダンスフェスというのは、音楽フェスだ。だから、そこには音楽を楽しみたい人、それによってもたらされる一体感を味わいたい人が集まる。クラブは、より社交場的色彩が濃いので、そこではいろんな人との出会いもあるだろうが、それでも第一にあるのは音楽の場であるということだ。それが第一でないところは、チャラ箱、ナンパ箱と呼ばれ、区別されるが、これらは本質的に別業種でクラブと呼ぶにふさわしくない。DJも別業種のDJだ。

パリピブームも一段落し、日本のダンスミュージックシーンは焼け野原のように見えるが、本来ダンスフェスやEDMブームはダンスミュージックシーンを躍進させる起爆剤だったはずだ。Carl Coxが巨大ステージで再びプレイし、Fisherがグラミーにノミネートされることは、EDMブームがなかったら起こっていなかっただろう。

日本のダンスミュージックシーンは、ここからまたやり直しなんだと思う。今度はダンスフェスの理念や、国籍も人種も性別も年齢も関係なく楽しめるダンスミュージックの素晴らしさを第一にして。

MacProの電源ランプ点滅

うちの事務所には、2008のMacProに無理やり64bit OSを突っ込んだものがあるのだが、今日、電源ランプが点滅して立ち上がらなくなった。

調べてみると、これはメモリの不具合っぽい
ということで、怪しいメモリを4枚抜いてみた
2枚は中国製、2枚は日本製

中国製は前にも不具合があったので、先にその2枚をパス
んー、同じ症状か。。。

では日本製を抜いてみよう
んー、動いちゃった。。。

がんばれよ、日本製。。。

iTunesダウンロード終了?

Appleが次のCatalina OSでiTunesを終了し、Music、Podcasts、TVに分割すると発表したけど、現行のApple MusicはStreaming Serviceだから、ダウンロード購入はできなくなってしまうのか?が気になるところ。
DJユースにiTunesの音源は普通はナシだけど(iTunes用にマスタリングされていることもあるので)、ダウンロードじゃないと困るシチュエーションは、音楽関係の仕事をしている人なら多々ある。

Appleの公式NEWSには、こうある。

For those who like to own their music, the iTunes Music Store is just a click away.

これは最前列の選択肢からiTunes Storeは消えるが、ダウンロード販売やiTunes Store自体はなくならないと解釈していいのかな?
それなら実態はほとんど変わらない。
ダウンロード配信自体がオワコンだというのは、また別の話で。

RIAJのレポートによると、日本ではダウンロード・ストリーミングあわせた売り上げがまだ21%しかなく、そのうち40%がダウンロードということだから、全体から見るとわずか8%くらいがダウンロードのシェア。
日本の音楽産業は、いまだにフィジカルの売り上げを死守する姿勢を崩していないし、それが功を奏している。
極端な鎖国、保護貿易政策をとっていると思うが、おかげでCDのあとに起こったデジタルダウンロード時代をパスすることに成功したと言える。
これはグローバル視点では快挙というか驚き。

しかし、ストリーミング時代をパスするのは、おそらく無理。
今やほとんどの人がYouTubeで音楽を聴くようになってしまったから。
YouTubeからの売り上げは、冗談かと思うほど少ない。
これはアーティストにとってもなかなか厳しいですよ。
Pitchforkの記事によると、アーティストはライブとバンス、プロデュースやファンからのファンディングが収入になってるってことだけど、バンスなんて中堅以下には無いに等しいから、これはほんとに厳しい。
一方で、映像コンテンツの需要はものすごいことになっているので、それに伴い音楽プロデューサー(もちろんDAWとか使えるのが前提)の需要も増加するから、そこの未来は暗くないと思うけど