
EDMと言えば、日本でみんながまず思い浮かべるのは’1-2-3-Jump!’の、フェスティバルでアゲまくるための四つ打ちのビッグルーム・サウンドやバウンスではないでしょうか?
 ところが、このビッグルーム・サウンド、2016年くらいからDJチャートで人気がなくなったばかりでなく、リリース自体が激減しています。
 2017年の夏も、ダンスフェスのメインステージではヘヴィープレイされていたのに、2016年以降なぜ失速してしまったのでしょう?これは実は僕も疑問に思ってましたが、先日ヨーロッパの業界の人と話す機会があり、謎が解けました。以下のような流れなのだそうです。
EDMブーム→
 プロデューサーがビッグルーム量産→
 ダンスフェスブーム→
 音楽自体は買わないが、フェスには行く人たちが増殖→
 ビッグルームという音楽自体は(フェスは巨大化しているのに)思ったより売れない→
 レコード会社は売れないものは出さない→
 プロデューサーは出せないものはつくらない→
 ビッグルームのリリースが激減→
 かけるものがなくなったDJは他のジャンルをプレイせざるをえない / トップDJは自分の曲だけでセットが組めるようになっているので、それで問題ない→
 しかし、その状況でフェスはトップDJに今までのギャラは払えない→
 この状況で新進DJはビッグルームDJになろうとは思わない
EDM自体は、ポップフィールドとクロスオーヴァーして、ストリーミングを中心に勢いを増していますが、ビッグルームは、この悪循環を壊さないと復活は難しいのかもしれませんね。それには、まったく新しいビッグルーム・サウンドを誰かが提示しないといけないのかもしれません。まあ、EDM=ビッグルームではないわけで、USではベースミュージックがEDMのサブジャンルでは急伸しています。このへんのお話はまた次回。
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