EDC Las Vegas 2019 最もプレイされた曲

5/17〜5/19に行われていた、世界最大級のダンスミュージック・フェスティバル<EDC Las Vegas>で最もプレイされた曲が、YourEDMで発表されました。これは、世界中のセットリスト、トラックリストを取りまとめているサイト、1001tracklistsのデータをもとにしたものということですが、USローカル色の強いEDCとあって、Bass系EDMが圧倒的な強さです。1位のDJ Snakeは順当勝ちのイメージ。Big Roomはトップ10内にゼロで、日本で一般の人がイメージするようなEDMは一曲もないかも。テックハウスが少し入ってるのが、僕としては興味をそそられるところです。Fisherは、どこにいってもまだまだ強い。8位以下が古い曲というのは、このへんがBass界隈の定番化してるってことですね。

01.DJ Snake x Eptic – SouthSide (2019年3月リリース)

DJ Snake x Eptic – SouthSide

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ハウス?EDM?

このところずっと下がってばかりだったポップミュージックのBPMが再び120付近まで上昇するトレンドを予想
ファッションもそうだけど90’s Revivalは、はっきりした形で出てきている
その中でHouseやRaveに注目が集まっていて、ポップとのクロスオーヴァーも起きてる
それをEDMと呼ぶかどうかは、各自の視点で違うけれど、Calvin Harrisは、「なんでEDMをプロデュースするのやめたんだ?」というファンの問いかけに「“EDM”っていう言葉に“ハウス”は入ってるよ。君が言う“EDM”が厳密にProgressive Houseだけなら、別の言葉を探さないとだね」って答えてる
アメリカでは“EDM”は、なし崩し的にClaude VonStrokeからThe Chainsmokersまで示す広義な単語になっているし、そもそも“EDM”は米語だから、それに従って広義に使うのが正解だというのが最新の風潮
ヨーロッパでは、最近は“EDM”っていう言葉自体を使わなくなってきている気がする
DisclosureはHouseなんだし、HardwellはBig Roomでしょ、っていう感じで

参考:EDMとは?ジャンルと歴史で見てみました

ジャンルの定義っていうのは音楽の変化とともに変わっていくものだ
だって、そもそもジャンルなんて存在しないんだから
それはコミュニケーションに使うために仮に作られたものにすぎない

Silk City, Dua Lipa – Electricity (Official Video) ft. Diplo, Mark Ronson
Calvin Harris, Sam Smith – Promises (Official Lyric Video)

ダンスミュージックアーティスト=’DJ’ではない

一般メディアやロック系メディアに多いのだけれど、ダンスミュージックアーティストを’DJ’と表記していることが多い。
たとえばAviciiを’世界で最も成功したDJのひとり’とか。
これは、日本でも海外でも見られる現象だ。

しかし、Aviciiは’DJ’として特別な才能があったわけでもなく、’DJ’として人気が出たわけでもない。
彼にたくさんのファンがいるのは、楽曲が素晴らしいからにほかならない。
それはCalvin Harrisでも、The Chainsmokersでも、Zeddでも同じことだ。
‘DJ’は、彼らにとってライブパフォーマンスの一手段でしかなく、メインの要素ではない。
実際、Kygoは’自分をDJだと思ったことはない’と発言しているし、Zeddも自分はミュージシャンであると言っている。

楽曲が活動の主軸になっているダンスミュージックアーティストは、ポップやロックのアーティストと同列に語られるべきで、そのパフォーマンス形態を肩書にされるのは不本意だろう。

HardwellやSteve AokiやAfrojackといったアーティストは、DJが活動の主軸で、そのDJプレイゆえに人気を獲得しているわけで、彼らを’DJ’と表記することは適切だと思うが、楽曲メインのダンスアーティストをDJと表記するのは、ロックバンドをライブパフォーマー集団と表現するくらい的外れなことだ。

DJと表記すべきかどうかは、そのアーティストがDJプレイのために曲を書いているのか、それとも自分の曲をみんなに聴いてもらうためにDJをしているのかという点で、実は容易に区別できる。特にメディアにかかわる人は、そこに注意を払ってもらいたいものだ。

photo:Drew Ressler/rukes.com