Ultra Music Festivalの本質は何かな?

Ultra Music Festival 2006 – Paul Oakenfold – Live Set

日本ではEDMブームとともに上陸した感のあるUltraブランドですが、本家マイアミのUltra Music Festivalは、’EDM’なんていう言葉が流通するはるか前、1999年から行われていて、業界コンファレンスのWMCと2010年までは連動していました。
そんなわけで、Ultra Music Festivalは’Music Festival’であり、いまでもビッグネームが新曲を発表する場として、真の音楽好きや業界関係者にも注目されています。

その歴史をたどる興味深い記事が、YourEDMに出ていました。
1999年からのフライヤーが、ここには載っています。
RELIVE THE EPIC HISTORY OF ULTRA MIAMI WITH EVERY SINGLE LINEUP EVER

ヘッドライナー格を、ざざっと見てみると、2010-2011年のWMCとの連動が切れたあたりで変化が見えてきます。
そこまでの主役はRabbit In The Moon, Sasha, John Digweed, Paul Van Dyk, Paul Oakenfold, Carl Cox, Tiesto, Underworld, The Chemical Brothers, Erick Morillo, The Prodigyなどなど
2010年以降はDavid Guetta, Swedish House Mafia, deadmau5を皮切りに、いわゆるEDM勢が進出してきて、主役が総入れ替え状態になります。

そんな中、そこを大胆に乗り切ったのがTiesto(音楽性も変えたわけですが)なので、先に挙げたGuetta、SHM、deadmau5とともに、この4組は現在のEDMシーンにつながる最重要人物なわけです。

Ultra Music Festivalの変遷を見ていると、ダンスミュージックの歴史もわかる、そんな素敵なフェスは今週末です。
日本時間の早朝から午前にかけては、ライブストリームもありますよ 🙂
https://ultramusicfestival.com/

EDM=ナンパ箱のBGM?パリピのテーマ曲?

あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いいたします。

新年早々なんですが、日本ではEDMのイメージが微妙な形で定着していますね。
タイトルに書いたとおりに近いのかなー。

EDMはダンスミュージックとして最先端を行くもののひとつなんですが、そこはあまり理解されていないように思います。根底にあるPLUR(Peace,Love,Unity, Respect)の精神も。

日本でEDMをプレイしているDJは、トップ40のように有名アーティストの曲をクイックミックスでつないでいることがほとんどです。
これがEDMスタイルじゃないことは、もう何度も書いてきたので、いまさら言いませんが、EDMはプロデューサーカルチャーです。極端なことを言うとDJ主導じゃないんです。
Hardwellも、Don Diabloもそれをはっきり言っていますよね。

で、僕は大資本や業界のイメージコントロールには勝てないので、そろそろ白旗を揚げたい気持ちなのですがw、今年からは、軸足はいままでどおり海外に置きつつも、いまある「日本のEDMシーン」とはまったく違う「EDMシーン」を日本につくれないか模索したいと思っています。ほんとに音楽が好きな人のための、グローバルスタンダードにそったEDMシーンを。

K-POPスターのようなアーティスト写真で、有名アーティストのヒット曲をかけて、自分はステージ上で、みんなをあおる。DJとしては、オールミックスでひたすらアゲて、フロアに人がたくさんいる状態をつくればいいっていうのは、僕のやっていることやEDMのグローバルスタンダードと、あまりに違いすぎるかなと。それはそれで昔のディスコみたいなもので、ユーロビート的なEDMの使い方としてはアリだと思いますし、商業的には正解でしょうから、否定も批判もしませんが。

「Put Your Hands Up」が楽しかった時代は、もう終わりかなと思っています。
あまり話題になっていませんが、David Guettaの新曲に「The Death Of EDM」というのがあります。
その歌詞にはこうあります。
Yeah, it’s been ill for a while and now it’s gone
It had to die so it could come back strong
It had a good run, but it’s reached the end
We got a new sound now, go tell your friends
EDM is dead and I be killing it
EDM is dead

EDMの創始者とも言えるGuettaの曲なだけにインパクトありますね。
でも、これは単純に終了宣言ではありません。
It had to die so it could come back strong
であり
We got a new sound now
なのですから。

日本にも、音楽としてのEDMの真価が問われる時代、優秀なプロデューサーでなければ評価されない時代が、数年遅れでやってくるでしょう。そのときEDMシーンが焼け野原のようになっていないように、微力ながらまだまだがんばるつもりです。Takuさんからいただいた“ミスター・EDM”というありがたい称号は、しばしのあいだ返上しようかな 🙂

I play & produce ‘House music’.

USではTRAP人気でHIP HOPが復権中

このところのEDMシーンでは、FUTURE HOUSEや新世代のDEEP HOUSE、PROGRESSIVE HOUSEが活躍中ですが、ことアメリカに限ってはTRAPの人気が急上昇中です。それにともなって、TRAPのルーツでもあるHIP HOPが再び勢いを取り戻していると聞きます。

ほんとはR&BやHIP HOPが好きなんだけど、流行だからEDMをプレイしているという、そこのお兄さん、お姉さん、今こそほんとに好きなものに戻るときですよ。

自分のほんとに好きなものを通してしか、心は通い合わないと思うし、良いバイブスは生まれないと僕は思うのです。