今年2011年、通算8作目となる最新アルバム『ザ・キング・オブ・リムス』(The King Of Limbs)と、キャリア初となるCD2枚組のリミックス・アルバム『TKOL RMX 1 2 3 4 5 6 7』をリリースし、大きな話題と反響を呼んだ世界的ビッグ・バンド、レディオヘッド。彼らが、この一連の”ザ・キング・オブ・リムス(TKOL)”関連作のさらなるアイテムとなるDVD、『ザ・キング・オブ・リムス / ライヴ・フロム・ザ・ベースメント』(The King Of Limbs / Live From The Basement)を12/28にリリースします。今年2011年の5月に、ナイジェル・ゴドリッチのプロデュースで収録されたスタジオ・ライブの模様を作品化した注目作です。
ここでは、そんな『ザ・キング・オブ・リムス / ライヴ・フロム・ザ・ベースメント』の内容についてご紹介しましょう。レディオヘッドというバンドの音楽的魅力を捉えた、格好の映像作品となっていますよ。
RADIOHEAD『The King Of Limbs / Live From The Basement』特集
英オックスフォード出身のUKロック・バンドで、’91年にデビューして以降、8枚のアルバムを発表し、グラミー賞のべ5部門を5作品で受賞しているレディオヘッド。ここ日本でも、オリコン洋楽チャート初登場1位を3回記録し、5作品がゴールド/プラチナ・ディスクを獲得している、言わずと知れたビッグ・アーティストです。
そんなレディオヘッドは今年2011年、まず2月に、通算8作目となる最新アルバム『ザ・キング・オブ・リムス』(The King Of Limbs)をバンドの公式サイトで発表し、ナイジェル・ゴドリッチと共につくりあげた新たなるサウンドを披露。前作『イン・レインボウズ』(’07)以来となる本作は、第54回グラミー賞5部門にノミネートされ、日本ではオリコン洋楽1位/総合3位を記録しました。リリース時に無料配布されたニュースペーパー、”THE UNIVERSAL SIGH”も話題を集めましたね。
続きまして9月には、限定12インチ・シングルで次々とリリースされたTKOLリミックス・シリーズの音源19曲を収録した、キャリア初となるCD2枚組のリミックス・アルバム、『TKOL RMX 1 2 3 4 5 6 7』(日本盤は、Blu-spec仕様/独自パッケージ)をリリース。フォー・テット、カリブー、モードセレクター、マーク・プリチャード(ハーモニック313)、ネイサン・フェイク、ピアソン・サウンド、ジェイミーXX、SBTRKT、ジャック・グリーンなどなど、エレクトロニカ、ダブステップ、テクノ、ブレイクビーツ系の注目アーティスト達が再構築した楽曲群は、『ザ・キング・オブ・リムス』の音世界をさらに拡張していくアイディア、ディープさを誇るものばかりで、こちらも評判となりました。
そして12月、この一連の”ザ・キング・オブ・リムス(TKOL)”関連作のさらなるキー・アイテムとなるDVD作品『ザ・キング・オブ・リムス / ライヴ・フロム・ザ・ベースメント』(The King Of Limbs / Live From The Basement)が、12/28にリリースされます。このDVD作品は、今年2011年の5月に、ナイジェル・ゴドリッチのプロデュースで収録されたスタジオ・ライブの模様を作品化したもの。ライブ映像自体は、先にYouTubeで期間限定公開されたり、またBBC及び世界各地のテレビ局で放送され、話題を集めておりました。日本では、8/7深夜にBSフジで放送されたので、ご覧になった方もいるでしょう。
ちなみに、本作のタイトルにある”フロム・ザ・ベースメント”とは、世界の優れたミュージシャンによるスタジオ・ライブ・パフォーマンスを、世界各地のケーブルTV、サテライトTV、ポッドキャスト等を通じて配信している映像シリーズで、これまでにザ・ホワイト・ストライプス、ベック、ソニック・ユース、PJハーヴェイらが参加。撮影はロンドンのMaida Vale Studioで行われ、ナイジェル・ゴッドリッチがサウンド面を担当していることでも知られています。
さて、そんなレディオヘッドのDVD『ザ・キング・オブ・リムス / ライヴ・フロム・ザ・ベースメント』、その内容はファンならずとも興味深い音を映像を楽しめる注目作となっています。まず、バンド編成に関しては、レディオヘッドのメンバー、トム・ヨーク(Vo, G, Keys etc.)、ジョニー・グリーンウッド(G, Keys, Electronics etc.)、エド・オブライエン(G, Electronics etc.)、コリン・グリーンウッド(B, Electronics etc.)、フィル・セルウェイ(Dr, Electronics etc.)の他に、ポーティスヘッドのライブ・サポート等でも知られるクライヴ・ディーマーが、パーカッションで参加。さらに曲によってはホーン・セクションも登場します。
で、彼らは『ザ・キング・オブ・リムス』を軸にしたセット計10曲を次々と披露していくのですが、そのスタジオ・ライブとは思えないクオリティのサウンドには驚かされることでしょう…サクっとプレイしていそうなんですけどね。もちろん、ライブならではの躍動感は、映像と共に聴き所でしょう。ちなみにセットリストに関しては、『ザ・キング・オブ・リムス』収録曲の8曲の他に、新曲(未発表曲)となる「Staircase」、さらにアトムス・フォー・ピースやトムのソロ・ライブで披露された「The Daily Mail」が含まれており、この点も本作の魅力の一つなっています(この2曲は、iTunesでも配信中です)。なお本作には、ボーナス映像として、これまたアルバム未収録音源となる「Supercollider」も収録されています。
映像面に関しては、基本的に演奏するメンバーの様子を間近で捉えたものとなっており、リラックスした雰囲気の中にもピリっとした緊張感のある、独特の空間が印象的。何より、メンバーが身を寄せ合って自分達の音楽を創造しプレイしていくという、バンドのリアルな姿をそのまま見られるのは、貴重でしょう。「Lotus Flower」でマラカスを振るトムの様子などを見ていると、メンバーのオーラがダイレクトに伝わってくるかのよう。また、様々な電子楽器類を見られる点は、音づくりに関心のある人には興味深いかもしれません。さらにメンバーがくつろいでいる場面などは、ファンには嬉しい映像ですね。
レディオヘッドの最新スタジオ・ライブを堪能できるDVD『ザ・キング・オブ・リムス / ライヴ・フロム・ザ・ベースメント』。『ザ・キング・オブ・リムス』、『TKOL RMX 1 2 3 4 5 6 7』に続く本作は、絶対的な評価と人気を獲得しているレディオヘッドというバンドの魅力、現在のありのまま姿を目の前で確認できる格好の映像作品でしょう。なお本作には、レコーディング・セッションを捉えた写真で構成される、32ページのハードカバー・ブックが付いています。
【リリース情報】
RADIOHEAD
The King Of Limbs / Live From The Basement
(JPN) Ticker Tape LTD./Hostess / HSE-60095
12月28日発売
形態:DVD
※レコーディング・セッションを捉えた写真で構成される32ページのハードカバー・ブック付
※日本語字幕付 / 日本市場向 / NTSC (収録時間:約55分)
※日本語対訳歌詞、ライナーノーツ
HMVでチェック
Tracklisting
1. Bloom
2. The Daily Mail *
3. Feral
4. Little By Little
5. Codex
6. Separator
7. Lotus Flower
8. Staircase *
9. Morning Mr Magpie
10. Give Up The Ghost
Bonus Track(ボーナス映像)
Supercollider **
* 未発表曲
**アルバム『The King Of Limbs』未収録曲
【オフィシャルサイト】
http://thekingoflimbs.jp/index.php
http://radiohead.com/