昨年リリースしたデビューEP「Sayonara Twilight」とセカンドEP「Hello Universe」が、2作連続でiTunesダンスチャート1位を記録し、口コミやSNSを通じて話題を集めている、正体不明の覆面音楽ユニット、CTS。 1/23には、スペシャル・ノンストップミックス音源『WE ARE CTS』(全国のTSUTAYAレンタル限定)もリリースし、大きな反響を呼んでいます。
そんなCTSが、2/27にファースト・アルバム『NO REASON』をリリースします。既にiTunesでは2/13に先行配信され、ダンスチャート1位(これで、3作連続1位ですね)、総合アルバムチャートでも3位を記録している本作。新曲を4曲、既発のオリジナル曲を8曲、さらにタイトル曲「NO REASON」のbanvox、Bapjapによるリミックス計14曲を収録したその内容は、最新のエレクトロニック・ダンス・ミュージックと、キャッチーでカラフルなボーカル&メロディーが融合した、CTS独自のPOPサウンドを堪能できるものとなっています。
そこで今回iLOUDでは、謎に包まれたCTSに、彼らの公式ホームページの“info”からメール・インタビューを敢行。メールでのやり取りだったため、CTSの正体は未だ判明しないままですが、本邦初公開となるインタビューが届いたのでご紹介しましょう。
CTS『NO REASON』インタビュー
__まずは、CTSが結成された経緯について教えてください。
「どこのクラブに行っても流れてくるのが海外の曲ばかりで、全然それが嫌ってわけじゃないんですけど、日本のクラブなんだから、そこでは日本の音楽がかかって、日本の音楽で踊っても良んじゃないか、と。ただそれって要は、現実としてDJとかお客さんも含めた感覚として、海外の楽曲と並べて普通にかけられる日本の曲がない、ってことなんだと思うんです。現にカッコいい日本の曲はいっぱいあると思うんですけど、全然かからないし、知らないし、あと、これはハコにもよると思うんですけど、知らない曲ってだけで俄然盛り上がらなかったりする。そういう諸々の風潮とか感覚的なところを根こそぎ変えたくて、それはもう自分たちでやるしかないなと思って集まった三人がCTSです」
__“CTS”という名前の由来は何でしょうか?
「サークル(Circle)、トライアングル(Triangle)、スクエア(Square)の頭文字です」
__CTSはマスクのようなものを装着していますが、どういう経緯でこのビジュアルになったのでしょうか?
「まだ言えません」
__CTSの、音楽的なコンセプトについて教えてください。
「音楽的なコンセプトかどうかは分からないですけど、根本として等身大でいることにぶれない、ということは意識してます。例えばサウンド的に今風にカッコつけたりイキがることも全然ありだとは思うんですけど、それが僕らにとって微妙な背伸びだったら、そこから出てくるサウンドや歌詞は結局微妙なので。そういった意味でも、好きな音楽をちゃんと作りつつ、みんなで常に“このフレーズやばいね”とか感動し合えるってところは、大事にしてます。ただ同時に、自分たちとその周辺にしか理解できないような、近いコミュニティ間で完結するようなモノを作ってるつもりはないので、常にそういった意味でのマジョリティだったり、その先の人たちのことは意識してます」
__昨年10月に初めてリリースした「Sayonara Twilight」に関してお聞かせください。
「あれはCTSで作った最初の曲です。今までの自分、これまでの自分(トワイライト)にサヨナラした自分たちにとってのある意味で終わりの歌でもありながら、CTSにとっては第一歩となった始まりの曲でもあります。一発目ということもあり、CTSのルーツとなる初期衝動的なものも全て詰め込んだつもりです。なので、iTunesで反応があった時は、嬉しかったです」
__翌々月の12月にリリースした「Hello Universe」に関しては、いかがでしょうか。こちらも前作と同じく、iTunesダンスチャートで1位を記録しましたね。
「タイトル的には、前作の「Sayonara Twilight」でいきなりサヨナラしちゃったんで、今度はちゃんと挨拶しなきゃと思って、“こんにちは地球のみなさん”ということで、それが「Hello Universe」になりました。サウンド的にはわりとアッパーなダンス・チューンで、ダブステップ的な要素も入れてるんですが、より多くの人たちにスムーズに受け入れてもらえるよう、ダブステップしすぎないように注意しました。ちょっと言葉のニュアンスが難しいんですけど、調子に乗ったJ-POP、新型のJ−POPっていう感じで捉えてもらえたら、それも嬉しいです」
__それでは、ファースト・フル・アルバム『NO REASON』について教えてください。これまでに発表してきた楽曲と新曲、そしてリミックスを収録した内容となっていますが、どんなアルバムにしようと制作に取り組みましたか?
「ファーストという事もあり全部シングル曲のつもりで、どの曲も同じだけの愛情、時間をかけて制作したので、今作にはアルバムのバランスを取るためだけに制作した曲とかはないです。ファースト・アルバムなので、とりあえず今のCTSを全部丁寧に詰め込んだつもりです。サウンド的なこだわりはもちろん、フィジカルのリリースは初めてなので、パッケージも細部までこだわってます。あと、歌詞も初公開になると思うので、そういうのが好きな人はチェックしてほしいです」
__アルバムのタイトル・トラック「NO REASON」は、どのようにして誕生した曲ですか?
「前作も踏まえつつ、これはよりPOPSライクに作ったつもりです。CTSの中ではビートも緩く、シンプルな作りで、とにかくイントロのシンセを際立たせたかったので、そこを徹底的に意識しました」
__今作には、「NO REASON」のBanvoxとBapjapのリミックスも収録されていますね。それぞれのリミックスを聞いた感想はいかがですか?
「最高でした。狙ったかのようにテイストも対照的で。Banvox君は、プログレッシヴなのに大胆に構成されたギャップが最高に楽しくて、音もクリアな仕上がりだし、Bapさんのは、アグレッシブで完全にフロアライク。再構築されたキャッチーなメイン・リフも魅力的です。「NO REASON」に関しては、楽曲を作ってる段階で先のリミックスもかなり意識していたので、良い意味で楽にオリジナルを作れました。だから多分、「NO REASON」はフロアだけを意識してたらできなかった曲だと思います。良いリミックスが2曲できたので、その分オリジナルの立ち位置もはっきりして、本当に二人には感謝してます」
__今作の中で、特に気に入っている曲や、仕上がりに満足している曲がありましたらご紹介ください。
「全曲にそれぞれの思い入れがあるので難しいですが、iTunesのリリースに入っていない新曲の4曲「No Reason」「364」「Mirror」「Parallel World」は、聴いてほしいです。強いて言うと、「364」ですかね。これは一応新曲ですが、実はわりと前に完成していた曲で、セカンドEPの「Hello Universe」の時に、「364」とどっちでいくか相当悩みました。サウンド的には初めてピアノを入れました。「364」は震災をきっかけに作った曲でもあります」
__曲づくり自体は、どのような方法で制作していくことが多いんですか?
「プロセスではないのですが、まずインストでクラブ・プレイしても良いリアクションが得られる、インストとしても成立するってことが、最低条件です」
__曲づくりやサウンドメイキングの面で特に重視していること、追求していきたいと思っていることは何ですか?
「メロディーに関しては、ダンスミュージックではあれど、どこか日本人独特の哀愁とか侘び寂びが感じられるようにはしたいです。トータル的には色々ありますが、“TOKYO”とか“日本”っていう言葉は、一つのキーワードになってます。ダンス・ミュージックですけど、ロックを感じられるような曲づくりも意識しています」
__歌詞面には関してはいかがでしょうか?
「CTSのテイスト的に、矛盾とか葛藤とか、基本的にネガティブっぽいワードが多くなってきてしまうのですが、サウンドとのバランスも見つつ、どこか先には必ず光がみえるような展開だったり、全体の雰囲気は意識してます。日本語と英語を分け隔てなく使うので、何語か分からないようなニュアンスも特徴かもしれません。基本ダンス・ミュージックなので、言葉も音として拾って、ワイワイ踊ってほしいってところなんですけど、歌詞もCTSにとって一つの重要な要素なので、少しでも耳を傾けて、“この曲、意外とこんなこと言ってたんだ”とか思ってもらえたら嬉しいです」
__ところで、昨今EDMと呼ばれているエレクトロニック・ダンス・ミュージックのシーンについては、どのような印象をお持ちですか?
「めちゃくちゃ盛り上がってるし、日本でも本格的にEDMサウンドがグイグイくるんじゃないですかね。シーンが盛り上がって、より多くの人がダンス・ミュージックに触れる機会が増えたら嬉しいです。ただ、今でもEDMって果たして何なのかイマイチ曖昧な言葉なので、日本でEDMの名前が拡がっていって、EDMって言葉が日本ではどういう解釈で一人一人に補完されていくのかは楽しみです。CTSもEDMって言われるのは何かすごい新しいことをやってそうで、嬉しい気持ちはありつつ、実際そうでもないですし、もちろん時代や流行は無理しない程度に意識しはしつつも、良い意味でマイペースに時代的な誘惑やなんやかんやに捕われず、CTSらしく根を張って活動していければとは思います」
__最後に、CTSの次なる活動目標を教えてください。
「早くライブをお披露目できればと。その時は、楽しんでもらえるように全力を尽くします。目標は、取り急ぎauのCMのダフト・パンクのポジションを、日本代表として全力で奪還することですかね。auさんお願いします(笑)」
interview iLOUD
【リリース情報】
CTS
NO REASON
(CSP-002 / ¥1,890 税込)
2月27日 発売
Amazonでチェック
2月13日(水)よりiTunesにて先行配信中
2月20日(水)よりレコチョク他、各種配信サイト配信中
tracklist
01. No Reason
02. Sayonara Twilight
03. 364
04. Ever
05. Fantastic Dislike
06. Progressive Precious Loneliness
07. Mirror
08. Lost Innocence
09. Signal Paradox
10. Just Bring It
11. Hello Universe
12. Parallel World
13. No Reason (Banvox Remix)
14. No Reason (Bapjap Remix)
【オフィシャルサイト】
CTS Official HP : http://cts-official.com
CTS official Facebook : http://www.facebook.com/CircleTriangleSquare.jp
CTS、渋谷をジャック!
CTSが、アルバム『NO REASON』のリリースを記念として、2/27の深夜24時から渋谷の大型ビジョン8ヶ所にて、ヴァーチャル・ゲリラライブを敢行しました。デビュー以来、正体不明と言われてきたCTSが、PV以外で公の場に姿を現したのはこれが初めてのこと。突如スクランブル交差点に鳴り響いたサウンドと映像に、そこに居合わせた多くの人々が足を止めたとのことですよ。