FRIGHTENED RABBIT インタビュー


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スコットランドはグラスゴー出身のロック・バンド、フライトゥンド・ラビット。’04年に、Fat Cat Recordsのmp3デモ・ウェブサイトで楽曲を発表して以来、情感豊かでオーセンティックなバンド・サウンドを武器に、じわじわと人気を獲得してきた注目株だ。現在のメンバーは、スコット・ハチスン(Vo/G)、グラント・ハチスン(Dr)の兄弟に、ビリー・ケネディ(B/Keys)、アンディ・モナガン(G/Keys)、ゴードン・スキーン(G/Mandolin)を加えた五名。ライブ・バンドとしても評価が高く、先日開催されたSXSWフェスでは計8回ものギグを行ったほか、4月にはコーチェラ・フェス、8月にはロラパルーザに出演することが決定している。グラントに、まずはバンドを結成した経緯について聞いてみた。

「このバンドは、友達のバンドがバーやクラブでプレイする時にサポートする、スコットのソロ・プロジェクトとして始まったんだ。で、それ以降、一年に一人ずつメンバーが増えていって、現在の五名になった。僕がドラムをやっているのは、初めてレッド・ツェッペリンを聴いた時に、ドラマーになりたいって思ったからさ」

では、バンドになった時点での音楽的なコンセプトは、何だったのだろう?

「スコットと僕の間で、“ポップ・バンドでありたい”ということは決めていたね。だから、難しすぎる曲は書かずに、曲そのものが自然と語りかけるような曲を書くようにした。最高のポップ・ソングって、信じられないほどシンプルなのに、聴くたびに驚きを与えてくれるものだからね」

そんな彼らが、出世作となった『The Midnight Organ Fight』(’08)に続くサード・アルバム『ザ・ウィンター・オブ・ミックス・ドリンク』をリリースした。日本デビューとなる本作。まずは、そのテーマについて聞いてみた。

「今作は、前作よりもパーソナルな度合いが低いね。それよりも、身近な人間との関わりや、その人を取り囲む環境などに焦点を当てているんだ。スコットは今作の曲を、スコットランドの東海岸にある小さな町で書いたから、“孤独感”があるかもしれないな。“航海”や“洗礼”に関するフィーリングもあると思う。以前の曲と、それに付随していた感覚を洗い流して、新しいサウンドになるようにしたんだ」

グラントがこう語る通り、本作の内容は、ザ・バンドやエルトン・ジョンのレコードから影響を受けたという、叙情的なメロディー・センスはそのままに、フレッシュなサウンドが詰まったものとなっている。楽曲面で追求してみたかったことは何だったのだろうか?

「前作よりも、広く壮大に聞こえるようなアルバムをつくりたかったね。ポジティブで、レイヤーのたくさんある作品にしたかった。今作では、制作期間に余裕があったから、まずは持てるもの全てを曲に注ぎ込んで、それがしっくりくるかどうかを、後から考えることができたのさ!」

シングル「Swim Until You Can’t See Land」や「Nothing Like You」を筆頭に、新たなフライトゥンド・ラビットの音世界が楽しめる『ザ・ウィンター・オブ・ミックス・ドリンク』。本作は、スコットランド伝統のポップ・センスと、Fat Cat印のシリアスなフィーリングが結合した注目作だ。

アルバム情報

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FRIGHTENED RABBIT
The Winter of Mixed Drinks
(JPN) IMPERIAL
TECI-21613
4月21日発売

01. シングス
02. スウィム・アンティル・ユー・キャント・シー・ランド
03. ロンリネス&スクリーム
04. レスル
05. スキップ・ザ・ユース
06. ナッシング・ライク・ユー
07. マン/バッグ・オブ・サンド
08. フットシューター
09. ノット・ミゼラブル
10. リビング・イン・カラー
11. イエス、アイ・ウッド
<ボーナス・トラック>
12. ファン・スタッフ
13. ラーンド・ユア・ネーム
14. スウィム(オルタネイト・バージョン)

【OFFICIAL】
http://www.imperialrecords.jp/intl/artistlist/artist/frightenedrabbit/

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