デジタルブルーカラーの代弁者と自らを語る、テクノ・ロック・ユニット、HONDALADYが、1年1か月ぶり、通算9枚目のニューアルバム『ギミアブレイク』を本日4月20日、リリースしました。’70年代フォークと’90年代テクノの要素を合わせ持つ彼らが、新作についてどう語っているのか、ここでご紹介しましょう。
HONDALADY
日本語フォークの要素も飲み込む
テクノ・ロック界の異端児
マル(Vo)とDie(TB-303)からなる、テクノ・ロック・ユニット、HONDALADY。’96年に結成され、今年で活動15周年になる彼らに、まずはそのコンセプトを聞いてみた。
「メインストリームがあってカウンターがあったら、必ずカウンターを選ぼうっていうのはありましたね。それで、日本語の歌詞で、打ち込みのスタイルで、ロックっぽいアプローチをしようということになったんです」(マル)
そんなHONDALADYが、通算9作目のオリジナル・アルバムをリリースした。そのタイトルを『ギミアブレイク』にしたのは、なぜなのだろう?
「最初、デモが集まった段階で、ブレイクビーツものが多かったので、それにかかったタイトルにしよう。じゃあ、TV番組(編注:バラエティー番組『ギミア・ぶれいく』)にもあったから、“ギミアブレイク”にしようかって。番組が持っていた雑多感、語感、“いい加減にしろ”っていう意味もハマっていると思ったし」(マル)
では、彼らが本作で伝えたかったことは何かと聞いてみたら、こんな答えが返ってきた。
「基本的には、“何かを失うこと”“今まであったものが無くなること”から生まれる“喪失感”ですね。それが、1アーティストとして掘り下げたいテーマです。今作では、あまり暗くならずに、ポップな感じで掘り下げることができたので、現段階では非常に満足感がありますね」
それは、’70年代フォーク的とも言われる、歌詞の題材ともリンクする。
「ここ数作でテーマにしているのは“人の死”です。“僕とあなたは出会って良かった、二人で愛し合おう”っていうよりは、“今愛し合っている僕ら二人は、一体50年後どうなっているんだろう”っていうほうに興味がありますね」(マル)
今作では、ハードフロア風のトラックで攻める「かろうじて胸に押し込めた異常なエモーション」に、アメリカ人アーティスト、ジシャスが参加しているのも注目だ。
「彼は、DMXクルーあたりのオールドスクール・エレクトロとか、DE DE MOUSEみたいなフレイバーを持ったアーティストですね。僕らのいるレーベルに興味を持ってくれて、ライブに来てくれたりして、そこから交流が始まったんです。本職がピアノの先生なので、じゃあピアノを弾いてもらおうということになりました」(マル)
新作の中で、二人の思い入れが特に強い曲は、どれなのだろう?
「僕がHONDALADYに求める楽しさを顕著に出した曲ということで、「NEVER CLEVER」ですね。“わ〜い、楽しい!”っていう初期衝動を意識しました」(Die)
「作った曲は全部、我が子のように大事なんですけど、一番最後にできた曲がアルバムを象徴するような曲になることが多くて、そういう見方では「俺なんて」ですね。四つ打ちのトラックに、フォークっぽい歌が乗っているという、ここ数作で突き詰めてきたスタイルの曲です。さらっと歌えたのが、すごく良かったかなって」
今後は、海外やクラブ・シーンでの活動を積極的にしたいというHONDALADY。着実に独自の音楽性を確立してきた彼らのニュー・アルバムを、ぜひ聴いてみて欲しい。
interview & text TOMO HIRATA
【アルバム情報】
HONDALADY
ギミアブレイク
(JPN)KIMONO / DDCH-2324
HMVでチェック
【LIVE INFORMATION】
04/22(金)吉祥寺CLUB SEATA
ゲッカンプロボーラーオールナイトフェスタvol.2
04/24(日)本八幡Route14
Soy sauce impulse Tour
4/28(木)北堀江club vijon
Soy sauce impulse Tour
6/5(日)高円寺HIGH
HONDALADY presents “(IN A)modelroom”
~「ギミアブレイク」release party~
6/10(金)名古屋Cafe domina
“TEKNOPAPA”
【オフィシャルサイト】
www.hondalady.net