’97年に、アルバム『Last Days Of April』でデビューを果たした、カール・ラーソン率いるスウェーデン出身のロック・バンド、ラスト・デイズ・オブ・エイプリル(LDOA)。’00年に発表したサード・アルバム『Angel Youth』で世界的に注目を浴びて以来、エモ・シーンを中心に、幅広いリスナー層から支持を集めてきた実力派です。’08年には、活動10周年を記念した初のベスト盤『ベスト・オブ・LDOA』をリリースしています。
そんなラスト・デイズ・オブ・エイプリルが、通算7作目となる、待望のオリジナル・ニュー・アルバム、『Gooey』を1/19にリリースします。カール初のセルフ・プロデュース作品で、その内容は、シングル曲「America」を筆頭に、ペダル・スティールやバンジョー、さらにピアノやオルガンのサウンドを効果的に配した楽曲群が詰まったもの。カールの透明感あふれる美しいメロディー・センスを、十二分に堪能できるものに仕上がっています。
ここでは、そんな『Gooey』について、カール・ラーソンに話を聞きました。なお、本作の国内盤は、エンハンスドCD仕様で、アルバムのレコーディング風景、アコースティック・ライブ映像、カールからのメッセージなど、合計約25分の映像が付いたものとなっています。
LAST DAYS OF APRIL
透き通るメロディーと甘いサウンドを紡ぎ出す
スウェーデンの人気エモーショナル・ロック・バンド
__最新アルバム『Gooey』の制作は、いつ頃スタートしたのでしょうか? オリジナル・アルバムとしては、’07年の『Might As Well Live』以来となる作品になりますが。
「レコーディングが始まったのは、2008年。’08年の3月にアメリカ・ツアーをして、帰宅してから新曲に取りかかりはじめたんだ。実際にレコーディング・セッションが始まったのは、’08年の12月だったよ。で、アルバムのミックスとかマスタリング作業をしたのは、’09年の12月だった」
__本作のテーマは、どのようなものでしたか?
「特にはなかったかな。ただ、前よりも良いものをつくりたい、ってことだけだったね。で、ぼくとしては、それは達成できたと思ってるよ。これまでに出してきた『Angel Youth』や『Ascend To The Stars』(’03)のイメージから、LDOAにはビッグなアレンジをするバンドだって印象があると思う。でも、前作『Might As Well Live』(’07)には、そういった要素が欠けていたように思うんだ。だから今作では、それをちょっと取り戻したいと思っていた部分があったね」
__本作のアルバム・タイトルを“Gooey”とした理由は?
「アルバムのサウンドを、うまく表現した言葉だと思ったんだ。ベタベタっていうか、ネバネバっていうか…そういう感じがすると思わない?」
__本作は、初のセルフ・プロデュース作品となっていますが、レコーディング作業はいかがでしたか?
「ぼくは、今までもずっとプロデュース作業をやってきていたけど、何かトラブルが起こった時に、それを共有できる誰かがいるっていうのは、いいことだった。でも今回は、ぼく一人きりだったから、すべての問題を自分で解決しなきゃいけなかった。だから、このアルバムをつくるのは、きつい旅だったよ。でも、学んだものは大きかったね。次はもっと楽に、そしてさらに上手くできると思う」
__本作の曲づくり、音づくりで、特に重視した点は何でしたか?
「必要以上にハードにしないということ。良い曲を書くこと。そうすれば、ミックス段階になってから曲を何とかよくしようって、格闘しなくて済むからね。最初をうまくスタートさせれば、楽に良い結果に結びつくものだよ」
__本作には、「All The Same」にレモンヘッズのエバン・ダンドが、「If (Don’t Ever Blame Yourself)」にティーガン&サラのティーガン・クインが参加していますね。どのような経緯で参加してもらったのでしょうか?
「彼らとは、もう友達になってから5年以上経っていて、何度も一緒にツアーしてきたけど、いつも本当に楽しい時間を過ごしているんだ。彼らのことは、ソングライターやアーティストとしても大好きだったから、遂にアルバムに参加してもらえたって感じさ。夢がかなったような気分だよ」
__本作の中で、あなたが特に気に入っている楽曲をご紹介ください。
「それぞれの曲に思い入れがあるんだけど、エバンとティーガンが参加してくれた曲以外で、今のぼくのお気に入りといったら、「Forget About It」と「What Is Here For You Is What You Bring With You」かな」
__シングルの「America」は、どのようにして誕生した楽曲ですか?
「訪ねたあと、そこを去る時に、すごく感傷的になる場所っていうのがいくつかある。’08年のUSツアーでは、本当にすばらしい時間を過ごしたんだ。カナダもすばらしかったね。オーストラリアのシドニーとか、フランスのパリも、名残惜しい気持ちにさせてくれる街だ。…「America」は、とにかくそんなアイディアから、いい曲が書けるような気がしてつくった曲だったよ。最初のバージョンは、2番目のヴァースが今とは違っていて、“アメリカ”って歌う代わりに、“オーストラリア”って歌っていた。でも、最終段階で変えたんだ。ちなみに、東京も大好きな街さ。ぼくにとって、東京は遊園地みたいなところだね。買い物するのも楽しいし、食べ物も最高。そして、すばらしい人たちがたくさんいる!」
__ラスト・デイズ・オブ・エイプリルの次なる活動目標を教えてください。
「実は今、ストックホルムの真ん中で、リハーサルができる新しい場所を探しているところなんだ。そうしたら新曲にも取りかかれるんだけどね。次の目標は、とにかく完璧なリハーサル場所を見つけて、新しいアルバムをつくることかな」
photo HENRIK WALSE
translation NANAMI NAKATANI
interview & text FUMINORI TANIUE
【アルバム情報】
LAST DAYS OF APRIL
Gooey
(JPN) IMPERIAL / TECI-24643
1/19日発売
tracklist
01. ノータイム・フォー・ドリームス
02. アイ・シンク・ユア・エブリシング
03. アメリカ
04. アイ・キャント・コントロール・イット
05. ハート
06. オール・ザ・セイム
07. ホワイ・ソー・ヘイスティ?
08. フォゲット・アバウト・イット
09. イン・インク
10. ホワット・イズ・ヒア・フォー・ユー・イズ・ホワット・ユー・ブリング・ウィズ・ユー
11. イフ(ドント・エバー・ブレイム・ユアセルフ)
12. オール・ザ・セイム (カール・ボーカル・バージョン) (ボーナス・トラック)
13. ドライブ (ボーナス・トラック)
14. (エンハンスド)「アメリカ」「ホワット・イズ・ヒア・フォー・ユー・イズ・ホワット・ユー・ブリング・ウィズ・ユー」(ライブ)/カール・オン・“Gooey”/オール・ザ・セイム/エクスプレッセン・ライブ
【オフィシャルサイト】
http://www.imperialrecords.jp/intl/artistlist/artist/lastdaysofapril/
http://www.ldoa.com/