NARU(Vo/G)、KOJI(B)、YASU(Dr)の三名からなる、東京出身のエレクトロ・ロック・バンド、MASTERLINK。’02年に活動をスタートして以来、様々な音楽コンテストやオーディションに出場し、高い評価を獲得してきた実力派です。今年6月にシングル『Traveling』でメジャー・デビューを果たすと、そのキャッチーなメロディー、ダンサブルなビート、ドリーミーなエレクトロ・サウンドで脚光を浴び、10月には、より多彩な楽曲を収録したセカンド・シングル『SUPER SPEED E.P』をリリースしています。
そんな彼らが、いよいよ待望のデビュー・アルバム『Muziiic Store』を12/8にリリースします。バンドの歴史を総括すべく、これまでに書き溜めてきた様々なタイプの楽曲を収録したという本作。その内容は、生音を軸にしたギター・ロックから、打ち込みを軸にしたエレクトロまでを網羅した、カラフルにしてディープなものとなっています。
本作『Muziiic Store』の内容について、メンバーのNARUに話を聞きました。なお、本作には、シングルに入っていた人気リミックス「Traveling TAKU REMIX -Radio Edit-」「SUPER SPEED SHINICHI OSAWA REMIX」「SUPER SPEED DAISHI DANCE REMIX -Full Extended ver.-」が、全て収録されております。
MASTERLINK
バンドの歴史と、その進化の過程を凝縮した、
ポップ&ディープなエレクトロ・ロック・ワールド
__早速ですが、デビュー・アルバム『Muziiic Store』について教えてください。まず、このアルバム・タイトルには、どのような意味合いが込められているのでしょうか?
「僕たちは、インディーズの時からずっと曲をつくり溜めてきていたんで、このアルバムにはわりと最近つくったものから、かなり前につくったものまで、いろんなタイプの楽曲が収録されているんですよ。で、その間にやってみたいこともいろいろ変化してきたので、ジャンル的にもロックからエレクトロまでが混在した作品になったんですね。だから、その様を“ミュージック・ストア”という言葉で表現しようと思ったんです」
__CDショップやiTunes Storeのように、様々なジャンルの音楽が並んでいるようなイメージですね。
「そうですね。特定のサウンドが詰まったアルバムではなく、ミュージック・ストアのように様々なジャンルの音楽が楽しめるアルバム、ということですね。だから、リスナーが、自分の好きなタイプの曲をそれぞれ見つけてくれたら嬉しいです。で、“ミュージック”のつづりを“Muziiic”にしたのは、MASTERLINKは三人組のバンドだからということと、少し近未来な感じを出したかった、それだけのことですね(笑)」
__“i”の文字が、メンバー一人一人の姿を現しているんですか。なるほど。絵文字的な発想ですね。
「ええ。ケータイ世代、IT世代ですから(笑)」
__では、より具体的なアルバムのテーマは、どのようなものでしたか?
「音楽的には、いま言った通り、幅広いタイプの曲を収録したかったというのがあったんで、昔やっていたヒップホップ調の曲なんかも収録しましたね。ただ、今の自分達が一番やりたいことはヒップホップじゃないんで、ちょっとヒップホップ色を弱めたアレンジにはしましたけど。あとは、「Traveling」や「SUPER SPEED」のような、エレクトロの流れを汲みつつ、よりギター・ロック色の強い曲も入れました。曲をピックアップしていく際は、ライブでよくやっていたものだとか、ライブで失敗した思い出があったものだとか、時代ごとに思い入れが深い曲を優先して選んでいきました。そうしたら、こういうセレクションになった、という感じです」
__ちなみに本作は、『Traveling』や『SUPER SPEED E.P』の制作と同タイミングでつくられたものなんですか?
「シングルをつくっていた時点から、アルバムにはあの曲とあの曲を入れたいって思っていましたね。でも、1曲目の「Light」なんて、本当に最近つくった曲で、もともとはラジオ番組のBGM用につくったトラックがベースなんですよ。2曲つくったうちの、採用されなかった方なんですけど。このアルバムの中で、一番打ち込み色が強い曲かもしれない。ちなみに、2曲目の「Traveling」は、アルバムの最初に入れるか最後に入れるかで、かなり悩みました」
__曲順には、かなりこだわりましたか?
「そうですね。5曲目の「Lovers Day」からガラっと雰囲気が変わる流れにしましたね。尺が長くて展開も多い「Lovers Day」や、7曲目の「Emotion」は、自分達の中で中期って呼んでいる、バンドとして一つの転機になった頃の楽曲なんですよ。ロック色が強かった頃のものですね。9曲目の「Just Imagine」も中期の曲です。で、終盤にかけて、再び打ち込み色の強い曲に戻っていくような感じでしょうか」
__中期の楽曲は、歌詞の内容も切ないトーンで統一されたものになっていますね。
「そうですね。「Traveling」や、初期の曲をつくり直した「SUPER SPEED」は、わりと最近つくったものなんですけど、明るくてポップですよね。それはたぶん、闇から抜け出せたからだと思いますよ。それでエレクトロなキラキラ感が出てきたのかもしれません(笑)。中期の頃は気持ち的に暗かったんで、やっぱり曲調も暗いですよね。でも、自分達の歴史をアルバムに反映させたかったんで、バンドとして悪い時期の曲も、良い時期の曲も入れたかったんですよ」
__レコーディングは、どのように進めていったんですか?
「まず、曲をつくった時のエモーションを、そのまま生かすような形にしたかったんで、あんまりアレンジし直したり、音を整え直したりしたくなかったというのが、前提としてありましたね。その上で今回、打ち込みパートに関しては、リズムはドラムのYASUが打ち込んで、ベースはベースのKOJIが打ち込んで、ってことをやったりしました。僕が打ち込んでもよかったし、生で弾いてもよかったんですけど、新しい試みとして、あえて打ち込みでと指示をして、作業してもらいましたね。「Lovin’ you」のようなシングル曲以外の打ち込み曲には、そういったサウンドがかなり反映されているんです。おかげで、レコーディングしていく中で、トラックメイキングの楽しさを新たに見つけられた気がします。曲づくりに打ち込みの作業を導入していくと、レコーディングの楽しさが増えますよね」
__アルバムをつくり終えた今、NARUさんがMASTERLINKを通じて今回表現したかった音世界とは、何だったと感じていますか?
「このアルバムは何なのかと問われたら、新しい音楽をつくろうとした作品というより、自分達がこれまでに歩んできた歴史を全て集約した作品、といった感覚の方が強いですかね。これまでに様々なサウンドの、様々な曲をつくってきたけど、結局は全部自分達らしい音楽になっているし、その時々のMASTERLINKらしさというものが表現されている作品に仕上がっているな、って思いました。だからこそ、次につなげられるアルバムにもなったなって思っています」
__分かりました。では最後に、MASTERLINKの次なる活動目標を教えてください。
「まずは、ちゃんとしたライブをやらないといけないなって思ってます。あと、このアルバムを出せたことは、次回作への原動力を生み出したと思うので、早くMASTERLINKの第2章を展開していきたいと思っています」
interview & text FUMINORI TANIUE
——————————————————————————-
【アルバム情報】
MASTERLINK
Muziiic Store
(JPN) pure:infinity / JBCP-9002
12月8日発売
※ 着うた(R)、着うたフル(R)の携帯配信、iTunesをはじめとするPC配信は、
共にCDリリースと同じ12/8よりスタート。
※ 12/13より、タワーレコード『踊るロック』キャンペーンにラインナップ。
tracklist
01. Light
02. Traveling
03. SUPER SPEED
04. Miss You
05. Loversday
06. February Heart Break
07. Emotion
08. Lovin’ you
09. Just Imagine
10. Oneday
11. SUPER SPEED DAISHI DANCE REMIX -Full Extended ver.-
12. SUPER SPEED SHINICHI OSAWA REMIX
13. Traveling TAKU REMIX -Radio Edit-
【Official Website】
http://masterlink.tv/pc/