MASTERLINK『SUPER SPEED E.P』インタビュー


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NARU(Vo/G)、KOJI(B)、YASU(Dr)の三名からなる、東京出身のエレクトロ・ロック・バンド、MASTERLINK。’02年に活動をスタートして以来、様々な音楽コンテストやオーディションに出場し、高い評価を獲得してきた実力派です。
そんな彼らが、今年6月にリリースし好評を博したメジャー・デビュー・シングル『Traveling』に続く最新作、『SUPER SPEED E.P』を10月6日にリリースします。キャッチーなメロディー、ダンサブルなビート、ドリーミーなエレクトロ・サウンドが揃った「Traveling」の音世界を、さらに深く探求したオリジナル曲、「SUPER SPEED」「Everything」「Special」と、大沢伸一とDAISHI DANCEをリミキサーに起用した「SUPER SPEED SHINICHI OSAWA REMIX」「SUPER SPEED DAISHI DANCE REMIX」の、計5曲を収録した充実作です。

デビュー作『Traveling』以上に、彼ら独自のエモーショナルなエレクトロ・ロック・サウンドが楽しめる『SUPER SPEED E.P』。本作の内容について、メンバーのNARUに話を聞きました。


__メジャー・デビュー・シングル『Traveling』のリアクションはいかがでしたか?

「☆Taku Takahashi(m-flo)さんがリミックスをしてくれたこともあって、クラブ・シーンでも取り上げられ、実際に“いい曲ですね”って言ってくれる人がいたのは、嬉しかったですね。もちろん、それとは別に、ギター・ロックが好きな人達にも、ちゃんとアプローチできて、その実感もつかめたので、凄く良かったです」

__では、今作『SUPER SPEED E.P』のコンセプトは、基本的には『Traveling』で実践した音楽性を表現したもの、と言っていいですか?

「そうですね。今作でも、ギター・ロックとクラブ・ミュージックの両面を打ち出したかったですから。前作と異なるのは、より自分達の感情を出した歌詞の部分ですね。特に1曲目の「SUPER SPEED」は、日本語詞をメインにした、自分達が持っている感情を入れた曲になっています」

__それは、どのような感情ですか?

「歌詞にある通り、ある時、見えていたはずの道から外れてしまって、だんだん光が見えなくなって、どうにもならなくなっていく…という気持ちですね。まだデビューできずにいた、3~4年くらい前に書いた曲なんですけど、ちょうど、まわりの仲間が就職したり結婚していった頃だったんで、何か取り残されていくような気持ちだったんですよ(笑)。ただ、裏を返すと、この歌詞は“みんな、ただ真っ当な人生を一歩ずつ上がっていくだけでいいの?”という問いかけになっているんですけどね。リスナーにも伝わりやすいというか、共感できる部分のある内容だと思っています。もちろんトラックに関しては、最近リメイクしたものになってますよ」

__なるほど。では、「Everything」と「Special」の方は、どういう位置づけの楽曲ですか?

「サウンド面に関しては、2曲とも「SUPER SPEED」よりもクラブ~エレクトロニック・ミュージック的指向が弱いものになっていますね。自分達が元来好きだったギターやベース…生バンドらしい音をふんだんに入れた曲になっています。歌詞の内容も含めて、切ない雰囲気を楽曲として上手く表現できたかな。「Everything」も「Special」も、寂しさと希望が共存する世界観を持った曲ですかね」

__より生バンドらしいサウンドの楽曲に仕上げたことには、どんな理由があるんですか?

「「Everything」の方は、当初トラックをキレイにつくり直すつもりでいたんですよ。でも、ブラッシュアップしていっても、デモ曲が持っていた雰囲気以上の音に、なかなか仕上がらなかったんです。決して悪くはないんだけど、良くもない…みたいな。なんで、サビ以外の部分は、デモの音をそのまま使うことにしたんです。それも面白いかなと思って。「Special」の方も、わりとデモの音をそのまま生かしましたね。ボーカルとギターは新たに録りましたけど、この曲でもデモの音景色を重視したかった。曲づくりの方法自体は「SUPER SPEED」とあまり変わらなかったんですけど、音質よりも雰囲気を重視したかったんです」

__はじめて曲を録った時のムードを、大切にしたかったんですね。今作には、「SUPER SPEED SHINICHI OSAWA REMIX」と「SUPER SPEED DAISHI DANCE REMIX」も収録されていますが、それぞれ、どういう経緯で実現したリミックスだったんですか?

「大沢伸一さんの方は、以前自分達のレコーディングを手伝ってくれたエンジニアの人が、ちょうど大沢さんのエンジニアをしているというので、“もし可能だったら、リミックスのお話だけでもしてみてもらえませんか?”って頼んでみたんです。そうしたら、“話だけはしておくよ”って言ってくれて、本当にリミックスも手がけてくれることになったんですよ。びっくりしました」

__DAISHI DANCEさんの方は、どういう経緯で?

「レーベル・サイドと相談して、大沢伸一さんのリミックスとは、ある種対極に位置する、自分達の音楽にある世界観を十二分に生かしたリミックスをつくってくれるクリエイターということで、お願いしました。DAISHI DANCEさんの音楽には、もともと華やかできらびやかな雰囲気があるので、「SUPER SPEED」がさらにどう変貌するのか、とても楽しみでしたね」

__実際にリミックスを聴いた感想は、いかがでしたか?

「DAISHI DANCEさんのリミックスは、自分達が想像していた通りの方向性で、自分達が想像していた以上のものになっていたので、嬉しかったですね。で、大沢伸一さんのリミックスには、腰が抜けました(笑)。レーベル・サイドから“大沢さんがDJの時にかけられるリミックス”というリクエストをしてもらって、すごく斬新で、振り切ったリミックスにしていただいた感じですけど、そこがやっぱり大沢さんスゴイなぁ、と思いました。どうやったら、こういうリミックスが導き出されるんでしょうかね? 大沢さんの音楽的自由度の高さを実感させられました」

__では、最後に今後の活動目標を教えてください。

「『Traveling』と今回の『SUPER SPEED E.P』を出せたことで、MASTERLINKの何割かを見せることができたと思うんですけど、まだまだ音楽的に完結したわけじゃないんで、次回作では、さらに違ったサウンドも出していきたいですね。あとは、デザイン方面の制作も自分達でやっているので、今後は、例えば映像の分野で活躍している人達ともコラボレートしたりして、音楽だけにとどまらない、よりクリエイティブな活動にチャレンジしていきたいと思っています」

__ところで、「Traveling」をリリースしてから、まだお披露目ライブを行っていませんが、本格的なライブ活動は、いつ頃からになりそうですか?

「今は次の曲、次のリリースにむけてどんどん制作をしているところだし、まだどういうスタイルでライブをしていくのか、イメージし切れていないところがあるんですよね。だから、そういった部分がちゃんと明確になってから、改めてライブをやりたいと思ってます。もうちょっとじっくり考えたいですね(笑)」

text & interview Fuminori Taniue

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【アルバム情報】

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MASTERLINK
SUPER SPEED E.P
(JPN) pure:infinity / JBCP-4003
10月6日発売

tracklisting
1. SUPER SPEED
2. Everything
3. Special
4. SUPER SPEED (SHINICHI OSAWA REMIX)
5. SUPER SPEED (DAISHI DANCE REMIX)

【Official Website】
http://masterlink.tv/pc/

【PV「SUPER SPEED」】

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