本名の光岡昌美名義での活動を経て、2009年10月に「Robotics」でデビューしたニュー・ポップ・アイコン、Mizca。2010年には、ファースト・ アルバム『♡UFUFU♡』を発表し、エレクトロをベースにした、個性的な楽曲で注目を集めています。2011年には、ボカロ人気曲「1925」のカバーを発表し、新展開も見せてくれました。
そんな彼女が、ニコニコ動画で人気を獲得、今やポップ・チャートでも大成功を収めているビジュアル系エアバンド“ゴールデンボンバー”の「らふぃおら」をカバー、6月15日にリリースしました。ゴールデンボンバーの鬼龍院Pが、自らプロデュースを手がけたこの作品。原曲とはまた違った魅力を持つ、幅広い層から支持されそうな仕上がりとなっています。カップリング曲として、Mizcaが光岡昌美名義で作詞を手がけた「Delightfully」と、人気ボカロ曲「マイルームディスコナイト」のカバーが収録されているのも話題でしょう。
“Life is all right”の略をタイトルに持つマキシ・シングル『らふぃおら(女子キーバージョン)』は、いかにして誕生したのか? Mizca本人に対面で聞いてみました。
Mizca
ゴールデンボンバーの鬼龍院Pプロデュースによる、
元気が出るニュー・シングルをリリース
ーー『らふぃおら(女子キーバージョン)』は、前作『1925』から3か月という、短いインターバルでのリリースとなりますが、ここに至る経緯を教えてください。
「スタッフの方に、「らふぃおら」をリリースしないかと言ってもらったのが、リリースのきっかけなんですけど、それまでゴールデンボンバーの楽曲は聴いたことがなかったんです。それで、楽曲やPV、資料をいただいてみたところ、純粋にいい曲や面白いフレーズがたくさんあったし、PVでも面白いことをやっていて、彼らを好きになったので、ぜひやらせてくださいということになりました」
ーー彼らは、ビジュアル系エアバンドという、特異な存在ですが、その立ち位置については、どう思いますか?
「すごい面白いと思います。ビジュアル系って言うと、わりと世界観がガッツリ固まっていて、ダークなイメージだったりするんですけど、ゴールデンボンバーは、ビジュアル系が好きじゃない人でもファンになっちゃうようなパフォーマンスをしていますね」
ーー今回のシンングルには、何かコンセプトやテーマがありましたか?
「曲はナチュラルな感じで、何かに悩んでいる人とか、壁にぶち当たっている人の背中を押してあげられる、応援歌になっています。今、日本はいろいろ大変だったりするので、たくさんの人に聴いてもらいたいですね」
ーー「らふぃおら」を歌ってみて、どんな感想を持ちましたか?
「歌詞がストレートに“頑張ろうよ”っていう感じだったので、わたし自身も励まされました。あの曲の、そういう部分を好きになりましたね」
ーー制作は、どんな感じで進められたのでしょう?
「急遽決まったシングルだったので、レコーディングもPV撮影も、すごいバタバタしながらやりました。最初は曲にまだ慣れていなかったので、レコーディングでは二回録り直しましたけど、時間的にはすごく早く仕上がりました」
ーー鬼龍院翔さんがプロデュースを手がけていますが、彼の印象はどんなものでしたか?
「映像ではすごい面白いことをしているのに、実際にお会いすると人見知りな感じでした(笑)。わたしも人見知りするので、一緒の空間にいてもあまり会話がなかったですね(笑)。二回しかお会いできなかったですし」
ーーレコーディングは、今までと違う感じになりましたか?
「そうですね。今までは声の素材を録る感じだったんですが、今回は声も加工しなかったし、曲の中で歌に抑揚が必要とされたので、難しかったです。キーが高かったのも、つらかったですね。慣れるまでずっと歌っていました」
ーーオリジナルと、Mizcaさんの歌っているバージョンには、かなり違う部分もありますね。
「鬼龍院さんには、曲のアレンジもやってもらいましたし、歌詞も女の子バージョンに変えてもらったんです」
ーートラックを聴いたときの印象は、どうでしたか?
「爽やかな感じだと思いました。今までのMizcaっぽい雰囲気も残っていたけど、エレクトロを聴いている人以外にも“いいな”と思ってもらえるようなアレンジや曲調になっていたので、男女問わず、いろんな世代の人に聴いてもらえると思いました」
ーーカップリングの「Delightfully」は、爽やかなポップ・ナンバーで、Mizcaさんが光岡昌美名義で作詞を手がけていますね。この曲が収録された経緯について教えてください。
「この曲は、3年くらい前からあった曲で、光岡昌美として歌うはずの曲だったんですけど、なかなか出せるタイミングがなくて、ずっと温めていたんです。今回急遽「らふぃおら」のリリースが決まって、一緒に出せる曲を探した時に、「Delightfully」には「らふぃおら」の世界観と似ている部分があるので、違和感なく聴いてもらえるかなということになったんです」
ーー作詞には、今後も積極的に取り組んでいくつもりですか?
「はい。詞は書いていきたいと思います」
ーー歌詞のインスピレーションは、どんなところから得ているんですか?
「今まで聴いていなかったような曲を聴いた時や、カフェでお茶している時に思い浮かんだことをバーッと書きます。書こうとしている時より、何もしていない時の方が、歌詞は浮かびますね」
ーーもうひとつのカップリング曲「マイルームディスコナイト」は、ニコニコ動画で人気のボカロ曲ですね。この曲のことは、どうやって知ったんですか?
「これもスタッフの方に、教えていただきました」
ーーボカロ曲には、前回も取り組んでいますが、今回は歌ってみてどうでしたか?
「「マイルームディスコナイト」は、今までのボカロ曲のイメージより懐かしい雰囲気を持っていて、そこにはわたしの好きなメロディーや世界観があったので、抵抗なく歌えました。歌いたくないものを歌って作品として届けたくはないので、歌いたいなと思う曲を歌えて、気分的にも良かったです」
ーー前作に続いて、ニコニコ動画つながりでの作品発表となりましたが、ニコニコ動画と関わってみて、どんな感想を持っていますか?
「自分で番組をやっていると、楽しいなと思います。番組は、台本とか書かずにやったりするんですけど、そういうのをリアルに見てくれた人が、コメントを上に流してくれるんですよ。曲を初めて流しても、みんなの感想や意見がバーッと流れてくるので、そういういろんな意見を見ると勉強になります。自分で思ってもみなかった反応とかあるので、楽しいですね」
ーー光岡昌美時代から辿ってくると、かなりいろいろなことに挑戦していますが、これまでの活動を振り返ってみて、何か感じるものはありますか?
「光岡昌美とMizcaって、真逆のことをしていると思うんですけど、真逆のことをやることで、自分の精神面のバランスがとれたと感じます。昔はネガティブな曲を歌っていたんで、どこかでポジティブなものをやりたいと思っていました。Mizcaになってからは、歌って笑って踊るアイコンみたいな感じで、服装も明るく派手にして、光岡昌美ではできなかったことができるようになりました。プラス思考を自分に取り入れることができて、視野が広がったように感じます」
ーー今後の予定などありましたら、教えてください。
「たぶん「らふぃおら」に関連したライブをやるので、そこではみんなで合唱したいですね」
interview & text TOMO HIRATA
【リリース情報】
Mizca
らふぃおら(女子キーバージョン)
(JPN) CROWN GOLD / CRCP-10268
HMVでチェック
【オフィシャルサイト】
http://www.mizca.jp/
【VIDEO】