新旧の人気ゲームBGMをリミックス&カバーした、新感覚コンピ『More SQ』インタビュー


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音楽的クオリティーの高さや、独特の音色、制作手法が注目され、根強いファンを獲得しているゲーム・ミュージック。その中でも特に人気の高い、FINAL FANTASYやSaGaシリーズなどのゲームBGMを、テクノ、ハウスから、ジャズ、ロック、ダウンテンポまで、カラフルなサウンドにリミックス&カバーしたコンピレーション、『SQ』シリーズの最新作、『More SQ』がリリースされました。

ここでは、本作の参加アーティストより、ボーカロイド曲の制作で名高い、sasakure.UKと、ELECTROCUTICAのTreowからのコメントを交え、本作の聴きどころをご紹介します!


More SQ
注目のボーカロイド・クリエイター、インスト・バンド、ジャズ・シンガーらが参加!
新旧の人気ゲームBGMをリミックス&カバーした、新感覚コンピ

音楽的クオリティーの高さや、独特の音色、制作手法が注目され、根強いファンを獲得しているゲーム・ミュージック。その中でも特に人気の高い、FINAL FANTASYやSaGaシリーズなどのゲームBGMを、テクノ、ハウスから、ジャズ、ロック、ダウンテンポまで、カラフルなサウンドにリミックス&カバーしたコンピレーションが、ここにご紹介する『SQ』シリーズだ。これまでにリリースされた『Love SQ』(’09)、『Chill SQ』(’10)は、本格派アーティストが多数参加したことで、大きな話題となっている。

このたび、そんな『SQ』シリーズの第三弾、『More SQ』がリリースされる。そこで、本作の参加アーティストより、ボーカロイド曲の制作で名高い、sasakure.UKと、ELECTROCUTICAのTreowに、ゲーム音楽にまつわる原体験をたずねてみた。

「ゲーム・ミュージックに魅力を感じたきっかけは、ゲームボーイ用ソフト『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』でしたね。マミーシーカーっていうロボットが、ジャンプできずに塔と一緒に沈んで、壊れちゃう場面があるんですよ。そこで流れている音楽がとても悲しい雰囲気で、“あぁ、いい曲だな~”って思い、初めてゲームで泣くっていう体験をしたんです」(sasakure.UK)

「幼い頃は、ゲームをやっている時に、あまりBGMを意識していなかったんですけど、その後アニメのサントラを聴くようになってから、ゲーム・ミュージックにも興味を持つようになりました。初めて買ったサントラは、『ファイナルファンタジーVIII』でしたね。ゲーム・ミュージックの、“ジャンルにとらわれず、いろんな音で場面を表現する”という要素は、自分の音楽性においても、ルーツになっています」(Treow)

sasakure.UKは『More SQ』で、父娘 / 兄妹の悲しい運命と人間愛を描いたアクションRPG、ニーア ゲシュタルト & レプリカントの「カイネ/救済」を、IDMを彷彿とさせるエレクトロニカへアレンジ。オリジナル曲のボーカル素材にエフェクトをかけるなどして、原曲の世界観を生かしつつも、斬新なトラックに再構築している。

「ニーア ゲシュタルト & レプリカントには、魔物に体を半分浸食されてしまった、カイネっていうキャラクターが出てくるんです。そのカイネが、物語の重要なシーンで意味深な言葉を投げかけたりする時に流れる、「カイネ/救済」のテーマ曲がすごく印象的だったので、今回選ばせてもらいました。オリジナル曲には、すごくキレイなメロディーなのに、悲壮感が漂っていますよね。このリミックスでは、インテリジェントな雰囲気を出しつつも、ポップで聴きやすい路線は残しておこうと考えて、アレンジをしました」(sasakure.UK)

一方、ELECTROCUTICAは、時空を行き来し、魔物たちと戦う主人公をテーマにしたRPG、クロノ・トリガーの「世界変革の時」を担当。ELECTROCUTICAらしい、生音の質感を持ったオーケストラ・サウンドと、ドラムン・ベース的なビートを融合させた、ハイブリッドな楽曲にアレンジしている。

「「世界変革の時」は、クロノ・トリガーのラスボスが登場する場面で流れる曲なんですけど、一曲の中で展開がいろいろ変わるので、自分の音楽スタイルにも合っていて、アレンジしやすいかなと思ったんです。原曲のイメージを受け継ぎつつ、異なる要素をリズムで取り入れたりして、たくさんの音を重ねていきました。結構人数多めのオーケストラをイメージして、音を足していったので、最終的にトラック数がかなり多くなってしまって。オケ部分で20トラック、ビート系で50トラック以上になり、パソコンが動かなくなるということも、ありましたね(笑)」(Treow)

その他にも、『SQ』シリーズではおなじみの、livetuneのkzによるRE:NDZ、→Pia-no-jaC←や、mouse on the keys、SPECIAL OTHERS、SAKEROCKといったインスト・バンド、JABBERLOOP、畠山美由紀 meets 平戸祐介トリオのようなジャズ勢、オルタナティヴ・テクノ・クリエイターの、Idiot Pop、ふかわりょうによるダンスミュージック・プロジェクト、ROCKETMANらが参加し、生音からエレクトロニック・サウンドまで、多様なアプローチを提示している『More SQ』。ゲーム・ミュージックの発展性を改めて実感できる、必聴の一枚だ。

interview & text EMIKO URUSHIBATA


【アルバム情報】

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VARIOUS ARTISTS
More SQ
(JPN) SQUARE ENIX / SQEX-10238
3月2日発売
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tracklisting

01. ROCKETMAN / FINAL FANTASY MAIN THEME 〜ROCKETMAN LOVE & COURAGE MIX〜
02. JABBERLOOP / FINAL FANTASY V メインテーマ
03. Shisotex / FINAL FANTASY Dugem DE チョコボ
04. →Pia-no-jaC← / クロノ・トリガー 風の憧憬
05. SAKEROCK / サガ フロンティア2 Rosenkranz
06. sasakure.UK / ニーア ゲシュタルト & レプリカント カイネ/救済
07. Idiot Pop / LIVE・A・LIVE メガロマニア
08. ELECTROCUTICA / クロノ・トリガー 世界変革の時
09. mouse on the keys / FINAL FANTASY VIII The Extreme
10. SPECIAL OTHERS / FINAL FANTASY VI 仲間を求めて
11. RE:NDZ / FINAL FANTASY プレリュード
12. 畠山美由紀 meets 平戸祐介トリオ / FINAL FANTASY IX Melodious Of Life
13. 栗コーダーカルテット / FINAL FANTASY メインテーマ


【LIVE INFORMATION】

More SQインストア・ライブ
3/8(火)@ タワーレコード渋谷店内 STAGE ONE
19:30〜

LIVE: →Pia-no-jaC← / JABBERLOOP
入場方法: タワーレコード渋谷店・新宿店のいずれかで、『MORE SQ』、または→Pia-no-jaC←『EAT A CLASSIC 3』をご購入の方に、ご予約者優先で先着で入場整理券を配布いたします。CD1点につき1枚の入場券、CDは一度に2点までご購入いただけます。

INFO: More SQ公式サイト

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