TIM & JEAN『Like What』インタビュー


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ティーンエイジャーのティム・エアーとジョーン・クリストフ・カポトートが、’09年に西オーストラリアのパースに近い海岸町、マンデューラの駅で出会い結成したエレクトロ・ポップ・デュオ、ティム&ジョーン。出会ってすぐに制作した「Come Around」が、オーストラリアの有名ラジオ局、トリプルJでピックアップされるや瞬く間に話題となり、フェス出演を経て一気にメジャー・デビューを勝ち取ったニューカマーです。
 
そんな彼らのデビュー・アルバム『ライク・ホワット』が、6/15に国内リリースされます。早耳ファンの間で、パッション・ピットに続く注目作として、既に話題となっていた本作。その内容は、キラキラのシンセとキャッチーなメロディーを満載したエレクトロ・ポップを楽しめるものとなっています。

ここでは、そんな本作『ライク・ホワット』の内容と、彼らの音楽性について、メンバーのティムに話をきいてみました。


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TIM & JEAN

ティーンエイジャーのバイタリティーが生んだ、
オーストラリア発のキラキラ・エレクトロ・ポップ

__あなた達が音楽活動をはじめたきっかけは、2009年末のある日、電車の駅で会話を交わしたことだったそうですね。その時、どんな部分で意気投合したんですか?

「もともと、お互いの存在は知っていたんだ。子供の頃から2人ともいろんなバンドに入っていて、ライブでよく顔を合わせたからね。僕はジャズやブルース寄りの音楽をやってて、ジョーンはロックをやってたかな。で、あの日駅で会った時、“何か一緒に音でもつくって遊べたら面白そうだ”って話になったんだ。暇つぶしに遊ぼうよって感覚でね」

__その後、ジョーンのベッドルームで曲づくりをして、すぐに「Like What」と「Come Around」が完成してしまったそうですが、その時に様子について教えてください。それぞれ、どのようにして誕生した楽曲ですか?

「ジョーンの家に一泊遊びに行ったんだ。彼の部屋には、スタジオのようにいろんな機材がセッティングされててね。だから、あとは2人でアイディア出し合って、ただ録ってみる、という感じだったよ。で、一番最初に曲としてでき上がったのが「Like What」と「Come Around」だった。すごく自然にできたのを覚えているよ。キーボード何台かに、たくさんのピザとコーラだけでね」

__ちなみに、その時は、どんなサウンドの音楽をやってみたいと考えていたんですか?

「何も考えてなかったね。ジョーンがメインのアイディアを持っていて、そこから遊びで2人で重ねていったんだ。真剣に続けようと思ってなかったし、ラジオでかかるなんても想像してなかった。実際にラジオでかかってから、このプロジェクトを少し真剣に考え始めたくらいだよ」

__「Come Around」が、オーストラリアのラジオ局、トリプルJでピックアップされたんですよね。で、今ではこうして世界的に注目を集める存在になりました。現在の心境はいかがですか?

「ラジオで流れたのには、本当にびっくりした。そして人々が興味を持ってくれたのは、嬉しいショックだったよ(笑)。でも、いろんな素晴らしいバンドとツアーができたりするのは、最高に楽しいね。もうアメリカには2回行ったし、ここ1年半、オーストラリアをずっとまわってるし。フランツ・フェルディナンド、トゥー・ドア・シネマ・クラブ、モービー、エンパイア・オブ・ザ・サン、エリカ・バドゥといったアーティスト達と同じステージに立てたのは光栄だよ。横から彼らのステージを観れるしね。だから、ライヴの側面が一番の喜びかな」

__あなた達は、まだとてもお若いですよね。幼少期の頃から音楽をやっていたんですか?

「僕は、本当に小さい頃からジャズ・ピアノを学んでたね。ジョーンはギターをやっていた。2人とも11歳頃のからバンドをやっていたんだ。今とは全く違う音だけど。まぁ、今後また変わるかもしれないけど、そこは。」

__どんなアーティストの音楽を聴いて育ってきたんですか? あなた達のMyspaceページのフレンド欄を見ると、Willie Hutch、Fleetwood Mac、The Notorious B.I.G.、Michael Jackson、Sonic Youth、Tom Petty…とあって、かなりユニークなセンスを感じましたが。

「ジョーンがSonic YouthやTom Petty、My Bloody Valentineが大好きなんだ。僕はRay CharlesとかOscar Petersonが大好き。で、二人ともStevie WonderやHerbie Hancockが好きだね。ライブでは、Tom PettyやFleetwood Macの曲をカバーしたりもしているよ。みんな知ってるから、一緒に歌ってくれて、反応も良いね」

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__それでは、あなた達のデビュー・アルバム『ライク・ホワット』について教えてください。まず、どんな内容のアルバムに仕上げたかったですか?

「コンセプトは無かったね。フェスへの出演が決まった時、何とかフル・セットのライブができるようにと、一週間くらいで必死に何曲も書いた曲が、このアルバムの原型になったんだ。すごくスピーディーに、流れるように曲が出てきたよ。だから、何も考えずに無我夢中でつくった作品さ」

__そうなんですか。では、その曲づくりとは、どのようなものだったんでしょうか?

「歌詞は、ほとんど即興で考えたね。マイクの前に立って、何かサウンドに合った言葉が出てくるのを願いながら、とりあえず歌ってみるといった感じさ。音の方も、自由に進めていったよ。シンセの音には、意識したかな。キーボードをたくさん使ったから、そのバランスや音質にはこだわった。自分のボーカルの音や質感にもこだわったけど」

__音楽的には、キラキラしたシンセ・サウンドを主体にした、メロディックでエモーショナル楽曲を収録した作品となっていますが、あなた達はシンセ~エレクトロニック・サウンドのどの辺に魅力を感じていますか?

「んー、よく分からないかも(笑)。このアルバムには、その音がぴったりだったと感じたんだよ。次のアルバムには、もっとギターが入ってくると思うよ」

__シングル曲の「I Can Show You」と「Veronika」は、それぞれ、どのようにして誕生した楽曲ですか?

「「Veronika」は、僕がチャットで知り合った子からインスピレーションを受けた曲なんだ。「Veronika」のビデオクリップは、ミックスをニューヨークでやった時に、ハーレムとかグレニッチ・ヴィレッジとかMoMAで遊んでいるところを撮っったんだけど、楽しかったなー。「I Can Show You」のビデオは打って変わって、オーストラリアの砂漠で撮ったんだけど、あまりにも暑くて、月みたいな地形だったな。だから、あそこの人々は地下に暮らしていたりするんだよ。あ、こんな話じゃ、曲がどう生まれてきたのか分からないよね(笑)」


【リリース情報】

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TIM & JEAN
Like What
(JPN) P-VINE / PCD-20101 
6月15日発売
HMVでチェック

tracklist
01. Like What
02. Veronika
03. I Can Show You
04. Come Around
05. Give It Up
06. Solina
07. Don’t Stop
08. Afrika
09. Souls
10. Hustle
11. Come Around (Palgy Remix)

【オフィシャルサイト】
http://p-vine.jp/artists/tim-jean
http://www.timandjean.com.au/

【VIDEO】



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