Wavves『Afraid Of Heights』インタビュー


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2008年に、米サンディエゴ出身のネイサン・ウィリアムスの宅録プロジェクトとしてスタートしたWavves(ウェーヴス)。アンダーグラウンド・シーンで注目を集めた『Wavves』(’08)、『Wavvves』(’09)を経て、スティーヴン・ポープ(B)らを迎え入れたバンド編成でのサード・アルバム『King of the Beach』(’10)をリリースすると、そのローファイでパンクでサーフなサウンドが評判を呼び、インディー界を中心に大きな反響を巻き起こしたアーティストです。2011年には、Best CoastやFucked Upのメンバーが参加した『Life Sux EP』をリリースし、話題となっています。

そんなWavvesが、ニュー・アルバム『‪Afraid of Heights‬』(アフレイド・オブ・ハイツ)をリリースしました。曲づくりに専念するためにレーベルを離れ、一年近くをかけて自腹で制作を続け、さらにM.I.A.やNasとの仕事で知られるジョン・ヒルをプロデューサーに迎え完成させたという注目作です。“自分達のやり方を貫くことを重視した”という本作。その内容は、進化したWavves独自のパンク・サウンドが詰った、聴きごたえのあるものとなっています。

ここでは、本作『‪Afraid of Heights‬』の内容について、Wavvesにメールで話を聞きました。なおThese New Puritansは、6/8(土)6/9(日)に恵比寿ガーデンホールで開催される<Hostess Club Weekender>で来日することが決定しています(Wavvesの出演日は 6/9)。


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Wavves『Afraid Of Heights』インタビュー

__最新アルバム『‪Afraid of Heights‬』のリリース、おめでとうございます。今作は、フル・アルバムとしては2010年『King of the Beach』以来となりますね。ずいぶん時間をかけたとも聞いていますが、いつ頃アルバム制作に着手したんですか?

「ありがとう。このアルバムは2011年の秋に書き始めて、スタジオに初めて入ったのは2011年の末だったな。2012年は一年を通して制作に取り組んで、2013年の1月にミックスとマスタリングを仕上げたよ」

__前作『King of the Beach』のリリース後、レーベルを変えることにした経緯についても、少し話を聞かせてください。以前のレーベルとの関係は、あまり上手くいかなかったんですか?

「特に前のレーベルと問題があったわけじゃないんだ。契約が切れたから、今回はレーベルのサポートなしでアルバムの制作に取り組もうと決めたんだ」

__なぜ、レーベルのサポートなしでアルバム制作をしようと思ったんですか?

「レーベルを通してアルバム制作をしない道を選んだのは、いろんな面で制限されたくなかったからなんだ。レーベルを通してやらなかったから、一年間フルに時間を活用することができたし、やりたいことができたと思っている。どんなに小さなレーベルでも、レーベルはレコーディングの途中で入ってきて、プレッシャーをかけてくるからね。それがイヤだったんだ。自分のペースでやっていきたかったんだよね」

__ “Afraid of Heights”というアルバム・タイトルですが、作品全体のテーマやコンセプトは何かありましたか? どのようなアイディアやヴィジョンを基にアルバム制作を始めたのでしょう。

「特定のテーマはないかな。だけど、僕たちの他の作品と比べたら、少しダークな雰囲気が出ているのかもしれない。一年間ずっと暗い部屋に引きこもって制作した、っていうのが影響しているんだと思う。孤独感とアルコールの組み合わせは、人間をさらに社会不安へと追い詰める…。歌詞にはそういう考えも反映されているよ」

__今作では、プロデューサーにM.I.A.やNasとの仕事で知られるジョン・ヒルを起用していますね。彼と仕事をすることにした経緯などについても教えてください。

「以前、他アーティストの作曲でジョンと一緒に仕事をしたことがあったんだ。それがとてもいい仕事関係でね。そのうえジョンは、Wavveのアルバムに一年間専念するという意思があったから、一緒に働くことにした。ジョンは素晴らしいプロデューサーで、僕たちのサウンドをよく理解しているんだ」

__ジョン・ヒルとのレコーディングは、いかがでしたか?

「レコーディングは最高だったよ。最初の二週間は何をすればいいのかわからなくて、あやふやな感じだったけど。でも、デモに取り組み始めたら、全てが明確に見えてきた。うまく一緒に働くコツをその時に掴んだんだ。最初の数週間は大変だったよ。方向性が明確じゃなかったんだ。僕たちのようなバンドのレコーディングを、ジョンは手がけたことがなくてね。とりあえずいろんなテクニックを試して、とにかくお酒を飲んで、必要以上に酔っ払っていた。もうどうしようもなかった」

__今作のサウンドメイキング面で、特に重視したことや意識したことは何でしたか?

「いろんな批評家が、僕たちは’90年代のオルタナティヴ・バンドに匹敵するって言うんだけど、それに対しての不満は特にないね。僕も’90年代を生きて、その時代のバンドに影響を受けてきたから、それが僕たちのサウンドにも出てきているんだろうね」

__アルバム・タイトル曲で、‪Jenny Lewis‬をフィーチャーした「Afraid of Heights」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「2012年の1月に“Afraid of Heights”と題した曲のデモをネイサンに送ったんだ。いい方向に向かっていると思わせてくれた最初の曲だったね。曲名がしっくりきたんだよね」

__6月に開催されるHostess Club Weekenderでの来日公演では、どんなステージを披露しようと考えていますか?

「良いパフォーマンスにしたいと思っているよ! 日本に戻るのはとても楽しみだから、日本のファン達も来日するのを楽しみに待っていて欲しいね!」

__最後に、Wavvesの次なる活動目標を教えてください。

「とにかくツアー漬けだね。2013年から2014年のあたまくらいまでは、ずっとツアーの予定が入っているよ。あとは、ちょっとした空き時間に曲づくりをしている。実は、新しいプロジェクトを始めるところなんだ」

interview : iLOUD


【リリース情報】

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Wavves
Afraid of Heights
(JPN) Hostess / HSE-60159
5月22発売
HMVでチェック

tracklist
01. Sail to the Sun
02. Demon to Lean On
03. Mystic
04. Lunge Forward
05. Dog
06. Afraid of Heights
07. Paranoid
08. Cop
09. Beat Me Up
10. Everything Is My Fault
11. That’s On Me
12. Gimme a Knife
13. I Can’t Dream
14. HIPPIES IS PUNKS (Japan Bonus Track)
15. BUG (Japan Bonus Track)
16. POOR LENORE (Japan Bonus Track)



【オフィシャルサイト】
http://wavves.net/
http://hostess.co.jp/

【来日公演情報】

Hostess Club Weekender
恵比寿ガーデンホール(東京)
2013年6月8日(土)OPEN 13:00 / START 14:00
2013年6月9日(日)OPEN 12:00 / START 13:00

出演
6/8:Múm / Team Me / These New Puritans / Inc. / Indians
6/9:Travis / Editors / Wavves / Little Barrie / British Sea Power

チケット
1日券:7,900円(税込/1ドリンク別)
2日通し券:13,900円(税込/各日1ドリンク別)
http://www.ynos.tv/hostessclub/schedule/201306weekender/index.html

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