Enter Shikariが、「Destabilise」のPVを公開しました。「Destabilise」は本日から配信リリースがスタートした新曲で、iTunesにて購入可能。Enter Shikariの最新モードを象徴する、エレクトロ・サウンドを大胆に取り入れた曲調に仕上がっています。Enter Shikariは、11月末から始まる、30 Seconds To MarsとのUKアリーナ・ツアーの後に、2011年中にリリース予定の最新3rdアルバムのレコーディングに入るとのこと。新作も楽しみですね。
Aeroplane『We Can’t Fly』インタビュー
ベルギーを拠点に活動するプロデューサー/DJ、Vito de Lucaのプロジェクト、Aeroplane。’07年にシングル「Aeroplane / Caramellas」でデビューして以来、Nu-Discoを牽引する存在、新たなバレアリック・サウンドの旗手として話題を集めてきた注目株です。リミキサーとしても人気を博し、これまでに手がけてきたリミックスは、Friendly Fires「Paris」、Grace Jones「Williams Blood」、Sebastien Tellier「Kilometer」、Robbie Williams「Bodies」などなど多数。公式リリースはされていませんが、MGMT「Electric Feel」のリミックスでも話題となりました。
そんなAeroplaneが、待望のデビュー・アルバム『We Can’t Fly』をリリースしました。Au Revoir Simoneや、ザ・ローリング・ストーンズ「Gimme Shelter」でのボーカルで知られる、伝説的な女性R&Bシンガー/女優、Merry Clayton、Uffie「Pop The Glock」のPVにも出演していた、LA在住の注目ティーンエイジ・シンガー、Sky Ferreiraらが参加した注目作です。
本作『We Can’t Fly』の内容とAeroplaneの音楽的背景について、Vito de Lucaに話を聞きました。
気鋭ダンス・ロック・バンドBREMENが、新曲「DAISY DAISY」のビデオ&メイキング映像を公開
エリー(Vo)、コージロー(G/Synth/Vo)、ハイオカ(Synth/Programming)からなる、ダンス・ロック・バンド、BREMEN。2004年のデビュー以来、テクノ、エレクトロ、ロックといった様々なサウンドを、独自の目線で融合させている注目株です。
そんなBREMENが、このたび新曲「DAISY DAISY」のミュージック・クリップと、そのメイキング映像を、DIESEL:U:MUSIC のサイトにて公開しました。
Good Charlotte、PUNKSPRING 2011に出演決定
PUNKSPRING 2011の開催が決定。そのラインナップ第一弾として、Good Charlotteの出演が発表されました。国内外のパンク / ハードコア / ミクスチャー・シーンの重要アーティストが出演する春フェスとして、幕張メッセと大阪城ホールの二会場を舞台に、2006年に初開催されたPUNKSPRING。その人気と規模は年々拡大し、2009年からは、東名阪の三会場で行われています。開催日等の詳細は近日発表されるとのことです。
出演アクトの第一弾として発表されたGood Charlotteは、’96年に結成され、’00年にアルバム『Good Charlotte』でデビューした、5人組ポップ・パンク・バンド。今年でデビュー10周年を迎えた彼らは、これまでに累計1,000万枚以上のアルバム・セールスを記録し、ワールドワイドな人気を博しています。10月27日には、通算5作目となるオリジナル・アルバム『Cardiology』をリリース。これまで以上にメロディックで多彩な楽曲群を展開しているので、PUNKSPRING 2011の開催前にチェックしてみてはいかがでしょう?
Lykke Li「Get Some」
スウェーデンのシンガーソングライターLykke Liが、「Get Some」のPVを公開しました。「Get Some」はLykke Liのニューシングルで、B面の「Paris Blue」とともに、オフィシャルサイトで現在無料配信されています。ニューアルバムも来年早々には出るそうなので、楽しみに待ちましょう。
Diplo feat. Lil Jon「U Don’t Like Me」
Diploが、CrunkのパイオニアLil Jonをフィーチャーした「U Don’t Like Me」のPVを公開しました。7月にデジタル・シングル・リリースされた同曲ですが、やっとビデオが到着です。ビデオの監督は、台湾のNMA。「U Don’t Like Me(Datsik Remix) 」が収録されたコンピレーション『Blow Your Head: Diplo Presents Dubstep』は、来週のリリース予定となっています。
Chromeo ニュー・アルバム“Business Casual”インタビュー
A-Trakの兄としても知られるデイヴ・ワン [Dave 1](ギター&ボーカル)と、アラブ人の血を引くピー・サグ [P-Thugg](トークボックス)からなる、モントリオール出身のエレクトロ・ファンク・ユニット、Chromeo。’04年に、Tiga率いるTurbo Recordingsから、ファースト・アルバム『She’s In Control』を発表し、’80sファンク / ディスコ・ミュージックさながらのグルーヴで注目を集めた実力派です。’07年には、「Fancy Footwork」をフロア・ヒットさせ、ニュー・エレクトロ界隈で大きな話題となったほか、Vampire WeekendやFeistの楽曲リミキサーをつとめるなど、多方面から支持を獲得しています!
そんなChromeoが、このたび約3年ぶりとなるニュー・アルバム、『Business Casual』を発表しました。Chromeoらしい、ファンキーで粘り強いグルーヴ感とダンサブルなビート、’80s感満点のシンセ・サウンドに加え、 ’70年代のソフト・ロックやバラードの要素が取り入れられた本アルバム。これまで以上に歌ごころを追求した、深みのある楽曲が詰まった意欲作です。
そんな『Business Casual』の内容について、Chromeoのピー・サグに話を聞きました。
Chromeo ニュー・アルバム“Business Casual” interview
ブラック・ミュージック・バンド、Bran Van 3000のメンバーとして活動していた経歴を持ち、A-Trakの兄としても知られるデイヴ・ワン [Dave 1](ギター&ボーカル)と、アラブ人の血を引くピー・サグ [P-Thugg](トークボックス)からなる、モントリオール出身のエレクトロ・ファンク・ユニット、Chromeo。’04年に、Tiga率いるTurbo Recordingsから、ファースト・アルバム『She’s In Control』を発表し、’80sファンク / ディスコ・ミュージックさながらのグルーヴで注目を集めた実力派だ。’07年には、「Fancy Footwork」をフロア・ヒットさせ、ニュー・エレクトロ界隈で大きな話題となったほか、Vampire WeekendやFeistの楽曲リミキサーをつとめるなど、多方面から支持を獲得している。
そんなChromeoが、このたび約3年ぶりとなるニュー・アルバム、『Business Casual』を発表した。Chromeoらしい、ファンキーで粘り強いグルーヴ感とダンサブルなビート、’80s感満点のシンセ・サウンドに加え、’70年代のソフト・ロックやバラードの要素が取り入れられた本アルバム。これまで以上に歌ごころを追求した、深みのある楽曲が詰まった意欲作だ。また、ビヨンセの妹でもあるR&Bシンガー、Solange Knowlsのボーカル参加や、フレンチ・ハウス・ユニット、CassiusのPhillipe Zdarがサポート・プロデューサーをつとめている点も注目だ。
エレクトロニック・ミュージック・シーンにおいて、独自路線を貫いている個性派、Chromeo。彼らの最新モードが詰まった新作『Business Casual』について、ピー・サグに話を聞いた。
__’07年に発表した『Fancy Footwork』のヒットを経て、Chromeoはいまやリミキサーとしてもひっぱりだこで、大きな成功を収めていますね。それについて、ご自身ではどう思いますか? p>
ピー・サグ「俺達が音楽に注いでいる努力を、世間が評価してくれていると感じるね。リミックスのオファーは数多く受けているし、いいトラックもたくさんあるけど、残念ながら全てのオファーを受けることはできていないんだけどね」
__また、Chromeoはこれまでに、世界各地でギグを行ってきました。様々な国でプレイして、得たものとは何でしょうか? p>
ピー・サグ「いろんな国に行ったから、パスポートに新しいページが必要だよ(笑)! 新しい場所に行くこと、そして世界中のファンに会えることは、何よりも嬉しいね。トルコ、日本、ブラジル、アメリカ、ヨーロッパ…場所がどこであれ、ファンへの恩返しとして、最高のショーを行う機会があるのは素晴らしいことさ」
__Chromeoのように、’80sエレクトロ・ファンクやディスコ・ミュージックを、ここまで忠実に表現しているアーティストは、今のダンス・ミュージック・シーンには他にいないと思います。ある意味、異端とも言えるスタイルですよね? p>
ピー・サグ「Chromeoを結成した時から、俺達は音楽的な“異端者”だった。これは自ら選択したというよりも、純粋に俺達のセンスだね。シーンのトレンドがエレクトロクラッシュだった頃、俺らは、アルバム『She’s In Control』(’04)で見せたような生のファンクをやっていたし、Boys NoizeやJusticeのような、ディストーション・サンプルや、ヘヴィーでアグレッシブなサウンドが主流だった時には、滴音のようなリバーブや、Quincy Jonesのようなプロダクションを用いた。何を影響源とするか、そしてトレンドを追うかどうかは、自分たちで自由に決めているんだ」
__なるほど。このたび約3年ぶりに発表した、ニュー・アルバム『Business Casual』は、どんなコンセプトの作品なのでしょうか? p>
ピー・サグ「これは、Pink Floydの作品みたいなコンセプト・アルバムというわけではないけど、全体を通して、親しみのあるテーマを持った、グルーヴあふれる楽曲を収録しているよ。あと、このアルバムは、カセットテープのように二つの面を持っているんだ。アナログ・レコードで聴いてもらうと分かると思うけど、サイドA(前半)は、よりファンク色が強いグルーヴ、サイドB(後半)は、バラードとクラシックなソフト・ロック的要素で構成されている」
__たしかに本作のサウンドは、’80sミュージックの単なる再現に終わらず、オリジナリティーにあふれていると感じました。 p>
ピー・サグ「俺達は、ある一定のところまでは’80sの要素を取り入れるけど、一人よがりになってしまわないよう気をつけているからな。今作には、’70年代後半のソフト・ロックや、バラードの要素を多く取り入れた。これまでと同じことを繰り返さないためにも、アンテナを張る音楽の幅を、常に広げるよう心がけているんだ。新たな音を出すために、今回は新しいシンセを使って、音色づくりにも多くの時間を費やしたよ」
__前作『Fancy Footwork』よりレベルアップしたサウンドを届けるために、新たに挑戦したことはありますか? p>
ピー・サグ「今回は、ソングライティングに集中したね。ピアノ・コードのみで楽曲を発展させたのは、新たな挑戦だったよ。具体的には、ピアノ・コードに重点を置きながら、歌をベーシックな部分まで分解していき、その後、Chromeo特有のサウンドを肉付けしていったんだ。いきなり曲全体のサウンドを組み立てるのではなく、まずは歌の基本的な部分から、制作に着手したのさ。この方法をとったことで、歌の本質に触れることができたね」
__その結果、ボーカルはどのようにパワーアップしましたか? p>
ピー・サグ「今作のボーカルは、過去のものよりも深みが増して、より音楽的になったと思うよ。もちろん、Chromeoらしい、楽しいダンスの要素も維持するよう意識したさ。進化をしつつも、自分達のサウンドを失わないよう、バランスを保ちながら曲づくりしていったよ」
__リード・シングル「Don’t Turn The Lights On」には、どんなメッセージを込めましたか? p>
ピー・サグ「この曲を逆再生すると、Allister Crowley(※編注: ’80年代後半〜’90年代に注目を集めた、カルト系のイギリス人魔術師)が、一節歌い始める…って、それはジョークだけど(笑)。「Don’t Turn The Lights On」は、アルバムの中でも、最もシリアスなことを歌っている曲の一つさ」
__そうなんですね。この曲では、“目”をモチーフにしたユニークなミュージック・ビデオも印象的でした。 p>
ピー・サグ「あまりにシリアスになりすぎないように、ビデオには、奇抜なビジュアルや面白い展開を盛り込んだのさ。遊び心を少しだけ入れて、この曲のメッセージを、リスナーが文字通りに受け止めすぎないようにしたかったんだ」
__その一方、もう一つのシングル曲「Night By Night」は、Chromeoが以前から大事にしている、セクシーさが前面に押し出された楽曲ですね。この曲のビデオでは、デイヴ・ワン(Chromeo)がキレのいいダンスを披露していたので、驚きました。 p>
ピー・サグ「「Night By Night」は、スピード感のある、大都市的な要素をイメージした曲なんだ。それを表現する方法はいくつもあったけど、とにかく歌に込めたエネルギーを放出したかった。そこで俺達は、ビデオに’80sの伝統的なダンスを取り入れてみたんだ。これは、ビデオの監督をつとめたJeremie Rozanのアイディアなんだけど、とても気に入っているよ。特に、冒頭に映っている、デイヴのポケットに入った歯ブラシのシーンとかね(笑)」
__ところで、「When The Night Falls」には、R&BシンガーのSolange Knowlsがボーカル参加していますね。彼女とコラボレートした感想はいかがでしたか? p>
ピー・サグ「彼女はもともと、デイヴ・ワンの弟でもある、A-Trakと知り合いだったから、Chromeoの音楽も聴いていてくれたんだ。だから、このコラボレーションはとてもスムーズで、心地のいいものだったよ。彼女は、とても素晴らしい歌声を披露してくれたね!」
__Solange(Knowls)のクリアーなボーカルは、Shannonのような’80年代のフリースタイル・シンガーを彷彿とさせますね。 p>
ピー・サグ「どちらかというと俺達は、MadonnaやChaka Khan、Evelyn Champagne Kingといったディーヴァのことを思いながら、「When The Night Falls」を書いたんだけどね。この曲は、アルバムにファンクの要素を加えるために、制作期間の終盤にレコーディングしたものなんだ」
__その他に、本アルバムにおける重要曲はどれでしょうか? p>
ピー・サグ「最も気に入っている曲の一つは、「J’ai Claque La Porte」だね。普段俺達がやるようなことから、完璧に逸脱した内容になっているのと、フレンチ・バラードをChromeo流に表現できたのが、その理由さ。Chromeoは二人ともフランス語が母国語だから、そういう意味でもこの曲がアルバムに入っているのは、素敵なことだと思うよ」
__話は変わりますが、『Business Casual』のアルバム・アートワークは、Robert Palmer(※’70〜’90年代に活躍を見せた、UKの大御所ブルー・アイド・ソウル・シンガー)の『Pressure Drop』からインスパイアされたものだそうですね。 p>
ピー・サグ「あぁ。こういった昔のクラシック作品によく登場する、“洗練された色気”を再現するのが好きで、今作では足をキーボード・スタンドのような形で、融合させてみたんだ。『Pressure Drop』のアートワークそのものというよりは、あのジャケットが代表するようなスタイルが重要なのさ。説明するのが難しいけど、すごく良いヴァイブスを持っているよね」
__最後に、Chromeoの活動ビジョンを教えてください。 p>
ピー・サグ「俺達は、今後も良質な音をつくり、バンドを継続的な存在にしたいと思っているよ。ファンのみんなが、Chromeoの音楽を聴きたいと思う限りね!」
interview & text EMIKO URUSHIBATA
translation AKIMOTO KOBAYASHI
80kidz 満を持して放つセカンド・アルバム、“Weekend Warrior” interview
2007年1月に結成され、いまやクラブ・シーンからポップ・リスナーまで、多くの人々から支持を獲得している、次世代エレクトロ・ユニット、80kidz。DJユニットとして活動をスタートし、自主制作で発表した二枚のミックスCDや、リミックス・ワークで注目を集めた彼らは、2008年に12インチ・シングル『Disdrive EP』、初のCD作品『Life Begins At Eighty』をリリース、両作品が評判となり、クリエイターとしても頭角を現している。2009年には、ファースト・アルバム『This Is My Shit』をスマッシュ・ヒットさせ大ブレイク、その人気を確実なものとした。また、海外アーティストとも親交が厚く、これまでに、The Shoes、tHe pEneLOpe[s]、Black Kidsなどの楽曲リミックスを担当。autoKratz、Lovefoxxx(CSS)とは、コラボレート曲も発表している。最近では、DJギグに加え、バンド編成でのライブも行っており、
ここにご紹介する『Weekend Warrior』は、そんな80kidzが放つ、約1年半ぶりとなるニュー・アルバム。ギターを前面に押し出した、バンド的なエレクトロ・トラックから、アシッド・サウンド、インディー・ポップ / チルウェイヴの要素までをも飲み込み、エレクトロの固定概念に縛られない、新しいサウンドを提示した意欲作だ。ボイス・サンプル以外は歌を用いず、インスト・トラックのみで構成されている点も、話題となっている。
80kidzの新たなフェイズを示すアルバム、『Weekend Warrior』。その制作背景に迫るべく、メンバーのAli&とJunに話を聞いた。
__前作『THIS IS MY SHIT』のリリースで、80kidzは大きな躍進を遂げましたが、ご本人としてはどんな手応えを感じていましたか? p>
Ali&「それまでは、まだクラブ・ミュージック・シーンだけでの認知度だった。でも『THIS IS MY SHIT』のリリース以降は、様々なジャンルのリスナーに、自分たちの音楽を手に取ってもらえたから、ロックが好きな人も、僕らのギグ / DJに足を運んでくれるようになったと思います。でも、まだ手応え的なものは感じていないですね」
Jun「自分でも信じられないほど、いろいろな経験をさせてもらいましたが、どんなこともステップを経てのことだったので、それほど驚くようなことはなかったですね。僕が音楽をやる、もしくは音楽ができる、なんて思っていなかった周りの人も、徐々に評価してくれるようになったのは嬉しかったです」
__そこから現在までの約1年半で、80kidzとしての音楽性やマインド、方向性に何か変化はありましたか? p>
Ali&「基本の部分は変わらないんだけど、ひたすら歪んでるサウンドには飽きてきましたね。その楽曲に歪む必要性があれば歪ませる、必要性が無ければ歪ませないようになりました。あとは、リスナーをそこまで意識しなくなった。逆に自分達の本質を、意識しだしたかな。音楽性に関しては、僕個人としてはテクノ再考と、静けさの中に潜む攻撃性とか、そんな感じ」
Jun「時代性として、エレクトロというジャンルが、アーティストそれぞれの原点に回帰する方向で進化 / 細分化している中で、僕らも純粋にそうなっただけかな」
__そんな変化を経て発表されたニュー・アルバム、『Weekend Warrior』は、どんな音楽的コンセプトで制作したのでしょうか? p>
Ali&「自分達の起源でもあるシンセ・リードを押して、ボーカル曲を入れないことが重要でした。わかりやすいメロディーなんだけど、アンサンブルに関しては結構練りましたね。あとは、エレクトロクラッシュとか、エレクトロ初期の音づくりかな。6月にリリースしたEP『Spoiled Boy』も、初期のエレクトロクラッシュとマンチェスターがコンセプトだったし。それと、『Weekend Warrior』では、TB-303とかTR-808の音を多用しています。あとは、OVER2010感。2010年から先を見据えて制作しました」
Jun「まあ、もともとコンセプトを元にはつくっていなくて、制作過程で“これはアリ、ナシ”というのを選択していくことで方向性が決まり、コンセプトが見えてくる感じでしたね」
__本作には、ギターを前面に押し出したバンド的なエレクトロ・サウンドから、アシッド・トラック、インディー・ポップ / チルウェイヴの要素がうかがえるものなど、これまでの80kidzサウンドから、さらに進化した楽曲が詰まっている印象を受けました。 p>
Ali&「僕は、アシッドとかテック・ハウスはもともと結構好きだったんだけど、上手く80kidzの音に落とし込めるタイミングないかなーって思っていたんです。ちょうど世界の流れ的にも、アシッドやテック・ハウスで面白い曲が結構出てきたんで、今回取り入れてみました」
Jun「ビート感に興味があって、いろいろと試しています。試していく中での流れとして、多少ユルい曲もアルバムには収録していますね」
__ここ数年、クラブ・ミュージックからポップスまで様々なフィールドで、“エレクトロ”というスタイルを掲げるアーティストが、一気に増えた感があります。そんな中80kidzは、初期からエレクトロにフォーカスしており、巷では、その代表格と言われることも多々あったかと思いますが、今作ではそこから脱却し、次なるサウンドを追求したいという意識もありましたか? p>
Ali&「あまりそこまでは考えてないけど、でも80kidzっていうプロダクトは、その時代を僕らなりの解釈で、80kidzのフィルターを通してアウトプットしているものだから、このアルバムには、次なるエッジーな要素もあるとは思う。あまりにもストイックな内容のアルバムも、つくろうと思えばできるんだけど、あえてそれはしていないかも。ティーンエージャーが僕らの音を聴いて、そこから細分化して、いろんなジャンルを聴いてもらいたいなーと。もともと、エレクトロって括り自体が曖昧なものだったから、最近は単純に、“エレクトロ!”って言いづらい部分も出てきてるからね」
Jun「エレクトロから脱却…うんぬんとかは、考えてないけど。いわゆる“エレクトロ”っていうバキバキした音は、僕らももうほとんど聴いていないから、そういう曲をつくりたいとは思わなかった」
__アップデートした音楽性を見せるというのは、とても挑戦的なことに思えます。そういった点で、試行錯誤したことは何かありますか? p>
Ali&「まったく無理はしていないです。自分達は雑食で音楽を聴いてきたし、今もそう。自分達のアーカイブをもとに、80kidzの音をアップデートしているのかは、わからないけど、挑戦ではなくて、むしろ必然で自然なことだったんです」
Jun「僕たちが興味を持っている範疇を、80kidzというフィルターを通して、アウトプットしただけかな。いろいろ試すことは実験みたいで楽しいし、そういう過程はあまり疲れない。逆に、無理して過去の音を模索する方が疲れますね」
__なるほど。アルバムの全体像を決定づける、きっかけとなった楽曲はどれでしょうか? p>
Ali&「EPでリリースした、「Spoiled Boy」と「Blow」を制作した直後に、アルバムの全体像が見えました。『Spoiled Boy EP』を出した時には、もうアルバムのデモが上がっていて、“さあ、これからどうしよう?”って感じだったんだけど、あのEPを出したことで逆に、“EPの路線とは、違うことをしよう”って、無意識に思い始めたんです。もう、好きにやっちゃえ的な」
Jun「アルバムの楽曲だと、「Agenda」や「Weak Point」は、僕がデモをつくったんですが、それを収録することが決まった時に、ちょっと気持ちがラクになりました。この2曲は80kidzっぽくないから、“Ali&君やマネージャーから、ダメが出るかな?”って思っていましたからね…。でも、そこまでスタイルの幅を広げてもいいんだなって感じました」
ATPの日本初上陸イベント、開催決定(2011年2月)
“アーティストがキュレーターとなって、出演者を選ぶ”というコンセプトのもと、2000年にUKでスタートしたオルタナティブ・ミュージックの祭典、<ALL TOMORROW’S PARTIES>(ATP)。ロンドンのホリデーセンターをはじめとする、UKやUSの各都市を舞台に、最新のインディー・ロック / ポップス / エレクトロニック・ミュージックを発信してきたこのイベントが遂に日本初上陸し、<I’ll Be Your Mirror>と題して、2011年2月27日に新木場STUDIO COASTで開催されることになりました。
The Velvet Undergroundの7インチ・シングルである「All Tomorrow’s Parties」のB面から名づけられたこのI’ll Be Your Mirrorは、アーティストがキュレートする新シリーズのイベントとして、世界各地の都市で開催される予定。東京のイベントでは、音楽やDJに加え、ロンドンのデザイナー、ジェームス・ジャーヴィスをフィーチャーする模様です。ラインナップやチケットの詳細は、近日発表とのことなので、iLOUDでも追ってお知らせいたします。