マドンナ『ハード・キャンディー』レビュー


 マドンナが、全世界で1000万枚以上の売上を記録した『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』に続く、約2年半ぶり12枚目のオリジナル・アルバム『ハード・キャンディー』を4月30日にリリースします。プロデューサーにティンバランド、ネプチューンズ、デンジャ・ハンズらを迎えて制作された本作は、モダン・ヒップホップ・テイストの会心作。ジャスティン・ティンバーレイクをフィーチャーした先行シングル「フォー・ミニッツ」は、すでに話題となっていますが、ここでは全曲レビューをお届けします!


1.Candy Shop
ネプチューンズ・プロデュース。トライバルなビートと、ホーンの効いたフック・パートが印象的。間奏では、アシッド・シンセも登場。

2.4 Minutes(featuring Justin Timberlake and Timbaland)
ティンバランド、ジャスティン・ティンバーレイク、デンジャ・ハンズがプロデュースした先行シングル曲。ティンバランドらしいホーン・セクションとヘビーなリズムが印象的。

3.Give It 2 Me
ネプチューンズ・プロデュースのハウス・テンポ・チューン。レイブっぽいシンセ音がフィーチャーされており、アルバム中ではかなり異色。間奏にはガムラン風の音色も登場します。

4.Heartbeat
これもネプチューンズのプロデュース。タイトル通り、心臓の鼓動音でスタートする。SP系リズムと、フック・パートのエレクトリックなシンセ音が好対照。

5.Miles Away
ティンバランド、ジャスティン・ティンバーレイク、デンジャ・ハンズ・プロデュースの、アコギがフィーチャーされたバラード。フジテレビ系月9ドラマ『CHANGE』の主題歌で、セカンド・シングルになる模様。

6.She’s Not Me
ネプチューンズ・プロデュースのエイティーズ風ディスコ・ナンバー。カッティング・ギターとベースラインがシックあたりを彷彿とさせる。フィルター使いもあり、後半の展開はハウス的。

7.Incredible
ネプチューンズ・プロデュースの実験的ポップ・ナンバー。ノーベースデ、ピアノ、ギターというトラック編成。間奏部分にシンセのアルペジオが登場するのがネプチューンズらしい。

8.Beat Goes On
ネプチューンズ・プロデュース、カニエ・ウエスト参加の話題作。鉄琴の音色とカニエのラップが印象に残る。ビートは四つ打ちで、ネプチューンズらしいトランシーなエレクトリック・シンセも聴けます。

9.Dance 2night
ティンバランド・プロデュースの、アルバム中もっともポジティブな雰囲気を持ったファンキー・ナンバー。ギターを前面に押し出して、エイティーズ調に仕上げています。

10.Spanish Lessons
スパニッシュ・ギターをフィーチャーした異色チューン。歌詞にもときおりスペイン語が登場する。プロデュースはネプチューンズ。

11.Devil Wouldn’t Recognize You
ティンバランド、ジャスティン・ティンバーレイク、デンジャ・ハンズ・プロデュースのバラード。深いリバー部のかかったピアノに、アコギ、デジタルシンセがからみます。

12.Voices
ティンバランド、ジャスティン・ティンバーレイク、デンジャ・ハンズ・プロデュースの、ストリングスが不思議な浮遊感を醸し出しているナンバー。鐘の音でアルバムに終わりを告げます。

13.Ring My Bell
日本盤のみのボーナス・トラック。

全体を通して聴いて感じることは、マドンナがまた新たな挑戦をしたということ。そして、それが新種のポップミュージックに結実したということ。特に、ネプチューンズのラディカルなテイストが、マドンナのポップさと出会った意義は大きいと言えましょう。意表をつく構成の楽曲もあるので、聴くたびに新たな発見があるアルバムとなりそうです。

HMVでマドンナ『ハード・キャンディー』をチェック

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