ネズミ型のマスクを被って繰り広げられるユニークなDJ/ライブ・パフォーマンスと、高い完成度を誇るエレクロニック・ハウス/エレクトロ・サウンドで世界的な人気を獲得している、カナダはトロント出身のプロデューサー/DJ、ジョエル・ジマーマンのプロジェクト、デッドマウス(deadmau5)。’06年にリリースした「Faxing Berlin」で頭角をあらわすと、デジタル・ダウンロード・サイトを中心にヒット・トラックを連発し、「I Remember (with Kaskade)」(’08)を全英チャート14位に、「Ghosts ‘n’ Stuff (feat. Rob Swire, Pendulum)」(’09)を全英チャート12位に送り込んでいます。
そんなデッドマウスが、『Random Album Title』(’08)、『For Lack Of A Better Name』(’09)、『4×4=12』(’10)を経て、日本デビュー作『デッドマウス』を2月23日にリリースします。世界各地のパーティー/フェスでプレイする合間につくり溜めたというトラックを、ノンストップ仕立てでまとめた本作。その内容は、デッドマウスならではの、モダンかつキャッチーなハウス/エレクトロ・サウンドを満載したものとなっています。
本作の内容について、デッドマウスに話を聞きました。なお、本作は、ノンストップに仕立て直した『4×4=12』に加え、ヒット曲「Ghosts ‘n’ Stuff 」と「I Remember」を収録した、日本特別仕様となっています。
また、デッドマウスのポータブル・スピーカー(Deadmau5 Mini Speaker Thingie)を1名様にプレゼントいたします。詳細は“続き”をご覧ください。
deadmau5
今、クラブ・ミュージック界で最もホットなアーティスト、
デッドマウスが、遂に日本上陸!
__早速ですが、日本デビュー・アルバムとなる、最新作『デッドマウス』について話を聞かせてください。まず、本作には、昨年末にリリースされた『4×4=12』が、ノンストップ仕立てで収録されていますが、この海外での『4×4=12』の反響はいかがですか?
「すごくいいよ。まぁ、どんな反応でも、反応があるってことはうれしいことだと思ってるけど(笑)」
__ちなみに、アルバム・タイトルの“4×4=12”には、どのような意味合いが込められているのでしょうか? 本来なら、4×4は16になりますが…。
「そのタイトルは、僕の算数の能力がその程度だってことなんだけど…ジョークなんだよね(笑)。ファンとチャットしていた時に、ライブでどうやってミックスをやってるかって話になって、“全部で12のチャンネルがある。4×4だから”って言ったら、“4×4は16じゃないの?“ってつっこまれてさ(笑)。それ以降、ファンがジョークで使うようになったんだ。だから、“もういい加減やめないとアルバム・タイトルにするぞ!”ってことで、本当にそのままタイトルにしちゃったよ(笑)」
__そういうことでしたか(笑)。あなたは、これまでに3作のアルバムを手がけてきましたが、『デッドマウス』で特にチャレンジしてみたかったことは何でしたか?
「テーマのようなものは、特になかったね。ツアーが多かったから、一定期間腰を落ち着けて、しっかりとアルバム全体を考えながらつくる、といったようなことができなかった。一週間帰ってきている間に一曲つくってまたツアーに出る、みたいな生活だったからね。だから、このアルバムは、この一年で積み重ねた作品のコンピレーションみたいなものだよ」
__音楽的には、ハウス、エレクトロ、トランスが融合した、デッドマウスらしい独特のサウンドとグルーヴを、ノンストップで堪能できる内容となっていますね。曲づくりや音づくりで、特に意識したことは何かありましたか?
「ダブ・ステップを試してみたい、とは思っていたよ。「Raise Your Weapon」なんかがそうだね。この一年半くらい、北米でのダブ・ステップ人気には、ものすごいものがあるから、ダブ・ステップに僕の解釈を入れてみよう、って思ったんだ。YouTubeなんかで音をチェックして、“コレならできるな。じゃ、やってみようか”って思ってね(笑)」
__なるほど。ちなみに、あなたはPCソフトの開発をできるほど、DTMやエレクトロニック・ミュージックのノウハウに精通していますよね。今作の制作で導入した新技術などは、何かありましたか?
「一年かけてつくってきた曲をまとめたものだから、その間にいろんな要素が足されていったってことはあったけど、実は、いま僕が集めているのって、アナログ機材なんだ。古いコンプレッサーとか、そういうヤツ。それで、最近はPCから離れ始めている。以前とは真逆のアプローチなんだけど、楽しいよ」
__そうなんですか。では、今作の曲づくりは、どのようなプロセスで行ったものが多かったんですか?
「以前よりも、制作に時間がかかるようになったね。何でもコンピューター上でつくれば、相当時間は節約できる。でも今は、外部のシンセとか機材をつなげて曲をつくっているから、タイミングを合わせるのに時間がかかったりしてね。一度作業を始めたら、仕上げるまでやらないと音を残しておけないし(笑)」
__最新シングル「Sofi Needs a Ladder (feat. SOFI)」は、どのようにして誕生したトラックですか?
「トラック自体は、一年くらい前に完成して、既に公開していたものなんだ。で、そのトラックをソフィが聴いて、“これにボーカルを入れたい”って言い出したんだんで、“まぁ、やるだけやってみれば?”ってことになった。それで、彼女が試しにボーカルを入れてみたら、それがすごく良くてね。ちゃんとリリースし直すことにしたわけさ」
__『デッドマウス』には、大ヒット曲「Ghosts ‘n’ Stuff (feat. Rob Swire)」と「I Remember (with Kaskade)」も特別に収録されているので、この2曲が誕生したエピソードも教えてください。
「「I Remember」は、すごく昔に書いた曲でね。当初は、曲の雰囲気もタイトルも違っていたし、作業途中のままになっていたものだった。でも、5~6年経ってファイルを見つけた時、ハウスっぽい感じで仕上げてみることにしたんだ。で、それをマネージメントに渡したら、それがカスケードにまわって、彼のコネクションでヒーリーがボーカルを入れてくれることになった。みんなの協力で、結果的にすごく良い曲に仕上がったよ。「Ghosts ‘n’ Stuff」も、ずっと昔に書いたもので、後からボーカルを乗せて仕上げた曲だね。完成形が違うと、昔プレイしたことのある曲でも全く気づかれなかったりするから、面白いよ(笑)」
__早くからキャリアを積んできたからなんでしょうけど、曲の貯金が多いんですね?
「そうだね。18歳から始めて、今は30歳になったけど、ずいぶん長くやっている気がする。キース・リチャーズほどじゃないけど(笑)」
__では最後に、デッドマウスの次なる活動目標を教えてください。
「今、クラブだけを意識した内容じゃないレコードをつくってるんだ。アコースティックなものから、ヒップホップやブレイクビーツも入った、興味のある音を追いかけるようなアルバムだね。それを完成させて、リリースしたい」
__トレードマークになっているネズミのマスクとステージ・パフォーマンスは、今後どのように発展させていきたいと考えていますか?
「今以上にクールなアイディアを思いつくのは、ちょっと難しいかもね…。ネズミ・マスクにLEDライトがつくのを初めて見た時、“うわぁ、これよりもクールなものなんてあり得ない”って思ったくらいだったからさ(笑)。でも、才能あるデザイナーやクリエイターが周りにたくさんいるから、いつか何かは思いつくだろうね」
interview & text Fuminori Taniue
tanslation Nanami Nakatani
photo
Drew Ressler (LED deadmau5)
Anna-M. Weber (White deadmau5)
【アルバム情報】
deadmau5
デッドマウス
(JPN) EMI / TOCP-66989
2/23発売
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tracklisting
01 ゴースト・アンド・スタッフ (Ghosts And Stuff – ft. Rob Swire)
02 サム・コーズ (Some Chords)
03 ソフィ・ニーズ・ア・ラダー (Sofi Needs a Ladder – ft. Sofi)
04 ア・シティー・イン・フロリダ (A City In Florida)
05 バッド・セレクション (Bad Selection)
06 アニマル・ライツ (Animal Rights)
07 アイ・セッド(マイケル・ウッズ・リミックス) (I Said – Michael Woods Remix)
08 CTHULHU・スリープス (Cthulhu Sleeps)
09 ライト・ディス・セカンド (Right This Second)
10 レイズ・ユア・ウェポン (Raise Your Weapon)
11 ワン・トリック・ポニー (One Trick Pony)
12 エヴリシン・ビフォア (Everything Before)
13 アイ・リメンバー (I Remember – with Kaskade)
【オフィシャルサイト】
http://www.emimusic.jp/intl/deadmau5/
http://www.deadmau5.com/
【プレゼント】
デッドマウスのポータブル・スピーカー(Deadmau5 Mini Speaker Thingie)を1名様にプレゼントいたします。画像の通り、携帯mp3プレーヤーなどのお供にいかがでしょうか。
プレゼントをご希望の方は、コチラのメールフォームからご応募ください。
本文に「デッドマウス・ミニ・スピーカー・プレゼント」とご記入ください。
当選された方には、3月25日(金)以降にメールでご連絡を差し上げますので、
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当選者の発表は、メールの返信をもってかえさせていただきます。
(※ 応募しめきり: 2011年3月25日 24:00)