スウェーデンを拠点に活動していたポップ・デュオ、The Tough AllianceのメンバーであったEric Berglundのプロジェクト、CEO(シーイーオー)。自身が主宰するレーベル、Sincerely Yours(註:jjやAir Franceらをリリースしてきたレーベルです)から、2010年にファースト・アルバム『White Magic』をリリースすると、そのマジカルかつドリーミーなセンセポップ・サウンドがインディー系メディアを中心に高く評価され、カルト的人気を獲得したアーティストです。
そんなCEOが、ニュー・アルバム『WONDERLAND』(ワンダーランド)を3/5に日本リリースします。『White Magic』から実に約4年ぶり、海外ではSincerely Yours / Modular Recordingsからのリリースとなる本作。制作にじっくりと時間をかけ、彼のさらなる音楽的探究を具現化したその内容は、リード曲の「WHOREHOUSE」や「OMG」を筆頭に、よりエクスペリメンタルにして美しいエレクトロニック・ポップ・サウンドが詰まったものとなっています。
CEOの新境地を感じさせる音世界が詰まった『WONDERLAND』。本作の内容について、CEOのEric Berglundにメールで話を聞きました。なお本作の日本盤は、ボーナストラックとして「Everything Is Gonna Be Alright」、「Halo」(Beyoncéのカバー)も収録した内容となっています。
CEO『WONDERLAND』インタビュー
__2010年にリリースした前作『White Magic』は、高い評価と人気を得たアルバムになりましたね。現在『White Magic』は、あなたにとってどんな意味を持つアルバムですか?
「僕にとって、その頃の経験を美しく表現した作品だね。『White Magic』をつくった時、僕は制限をする性格だったから、内容も結構制限したものになってると思う」
__今作『WONDERLAND』は、前作から約4年という期間を経て発表されるアルバムになりますね。まず、アルバム制作を始めたのはいつ頃でしたか?
「『White Magic』をつくってから、約一年後かな。CEOの新たな作品をつくるために、イメージや思い浮かんだ物を待つっていうことが大切でね。僕は、音楽をただ単につくらない。音楽でしか表現できない音や物があるから、音楽をつくるんだ」
__今作に影響を与えた音楽以外のものとして、あなたは“禅・戦い・自然・蟲師”などを挙げていますが、今回アルバムを手がけていくにあたって、どんなアイディアやイメージを持っていたのでしょうか?
「イヴ・クラインの絵、ケイト・モスの目、Chief Keef「I Don’t Like」のPV、ZELDA、ドリス・ヴァン・ノッテン、(スウェーデンにある)Sarekの山や川、などかな」
__アルバムのテーマやコンセプト等は、何かありましたか?
「ある程度までテーマやコンセプトで制限することには、意味が無いと感じているよ。僕が音楽をつくるのが好きな理由は、“人生”そのものより小さいテーマなんて無いって信じているからなんだ。“死”もね。心が望むままに作品をつくって、脳がそれを止めず、自分でコントロールできないものが音楽となる。僕にとって、それがアートさ。コンセプトなんていうのは、脳がつくり出しただけのものであって、存在しないんだ。心は、コンセプトなんていうものを知らないだろ」
__では、曲づくりやサウンドメイキング面に関して、今作で特に重視したこと、チャレンジしてみたかったことは何でしたか?
「重視したのは、人生が僕に何をして欲しいかを聞くこと、かな。そして、脳とエゴがそのプロセスを邪魔しないこと。自分自身の心を信用しないと、素晴らしいことなんて何もできないよ」
__今作のアルバム・タイトルを“ワンダーランド”にした理由や、このアルバム・タイトルに込めた意味合いについても教えてください。
「“ワンダーランド”とは、現実とぶつかる場所なんだ。頭の中にしかないイリュージョンとか、自分と人生のあるべき形がある場所ではない。“ワンダーランド”は、いつでも、どこでもあるんだよ。夢らしき場所から抜け出して、現実と向き合うことが大事さ。“ワンダーランド”では、全てが大丈夫なんだ。このアルバムは、そんな“ワンダーランド”にたどり着くまでの旅なんだよ」
__ところで、今回の曲づくり~レコーディングのプロセスは、『White Magic』の時とはかなり違うものだったのでしょうか?
「曲づくり自体はそこまで変わらなかったけど、レコーディングは違ったね。『White Magic』は、Kendal Johanssonと短い期間でレコーディングしたものだった。でも『WONDERLAND』は、自分のみでつくることが多くて…プレッシャーを感じる時は何もつくらないようにしたよ。何をしているのか分からない状態で、曲をつくりたくなかったんだ。だから時間もたくさんとった。時には怖かったけど、結果的には良かったね。で、最後に、決断やテクニカルな面でDan Lissvikに手伝ってもらったんだ」
__リード・トラックの「WHOREHOUSE」は、どのようにして誕生した曲ですか?
「以前住んでいた場所で山の周りを歩いているうちに、気づいたらコーラスを歌ってたんだ。で、すぐスタジオに行って作業したよ。で、それから2年くらいしてから、この曲ができ上がったんだ(笑)」
__今作の中で、あなたがその仕上がりに特に満足している楽曲や重要視している楽曲がありましたらご紹介ください。
「「WHOREHOUSE」か「OMG」かな。昨日久しぶりにアルバムを聴いて、「ULTRAKAOS」にも驚いたけど。でもそれが一番好きとは言えないよ…一番好きな子供を選ぶのと同じだからね」
__日本盤にボーナストラックとして収録されるカバー曲「Halo」と「Everything Is Gonna Be Alright」についても、取り上げた経緯などについて教えてください。
「すごく好きな歌で、その愛を見せたかったんだ。憧れの人と恋に落ちて、ラブラブできる感じかな。んー、僕には好きな歌がいっぱいあるから、何でこの2曲にしたのかは分からないよ!」
__最後に、CEOの次なる活動目標、今後のヴィジョンについて教えてください。
「僕の計画は、しばらくはビジョンを持たないこと。少し休んで、走って、たくさんの人と出会いたいね。バカンスで、4月に日本に行く予定さ。ぜひ会おう!」
interview iLOUD
【リリース情報】
CEO
WONDERLAND
(JPN) P-Vine/Tugboat / PCD-20292
3月5日発売
HMVでチェック
tracklist
01. WHOREHOUSE
02. HARAKIRI
03. MIRAGE
04. IN A BUBBLE ON A STREAM
05. WONDERLAND
06. jUjU
07. ULTRAKAOS
08. OMG
bonus tracks
09. Everything Is Gonna Be Alright
10. Halo
【VIDEO】
【オフィシャルサイト】
https://www.facebook.com/pages/CEO/199793403541329
http://www.ceoceoceoceoceo.com/
http://www.tugboatrecords.jp/4694
http://p-vine.jp/artists/ceo