‘07年に結成されて以降、『DISDRIVE EP』(’08)、『Life Begins at Eighty EP』(’08)、『This Is My Shit』(’09)、『WEEKEND WARRIOR』(’10)といった作品群とDJ/ライブ活動を通じて、エレクトロ~インディー・シーンを中心に一躍人気アーティストとなったダンス・アクト、80KIDZ。彼らが、『HOTSTUFF EP』(’11)を経て、通算3作目となる待望のニュー・アルバム『TURBO TOWN』を4/18にリリースします。
フル・アルバムとしては前作『WEEKEND WARRIOR』以来、約1年半ぶりとなる本作。その内容は、ダンサブルなテイストはそのままに、前作で打ち出した多彩なサウンド・アプローチをさらに押し進めた、楽曲性の高いトラックを収録したもの。タイトル曲や、The Whip、Yes Giantess、Frankmusik、Ghostapeをフィーチャーしたボーカル曲や筆頭に、聴き所の多い作品に仕上がっています。
ここでは、そんな最新作『TURBO TOWN』の内容について、80KIDZのJUNとALI&に話を聞きました。
80KIDZ『TURBO TOWN』インタビュー
__最新作『TURBO TOWN』は、オリジナル・アルバムとしては前作『WEEKEND WARRIOR』から約1年半ぶりとなりますね。まず、前作『Weekned Warrior』をリリースして以降の80KIDZの活動を振り返ってみて、どのような感想や手応えをお持ちですか?
ALI&「以前(『THIS IS MY SHIT』リリース後)より、自分達の置かれている状況が、少しずつ変化しているのを感じ取れました。現場(ライブやDJ)でも感じ取れます。少しずつですが、自分達のやっていることが世間に理解されてきて、知名度も高まったんだなーと。今作に関しては、制作中は何も考えず、純粋に楽しく制作しました」
JUN「今回は3枚目ということもあり、自分たちの置かれた状況や、音楽のシーンの現状等を特に意識することもなく、肩肘張らずにリラックスして制作することができたように思います。出来た時には、これまでで一番納得のいくものができたように思いました」
__80KIDZは、昨年末に『HOTSTUFF EP』をリリースしましたが、このアルバムの制作自体はいつ頃スタートしたのでしょうか?
JUN「最初のデモ制作は、DJツアーや夏フェスが終わった2011年の9月くらいから始めました」
ALI&「ツアー中にも少しずつデモは書き溜めてあったりしたんですが、昨年の9月スタートです」
__『TURBO TOWN』は、80KIDZにとって通算3作目のアルバムとなりますが、今作を制作していくにあたってのテーマやコンセプトはどのようなものでしたか?
JUN「毎回コンセプトというものを意識して制作してはいないのですが、収録曲を絞り込んでいくうちにアルバムの雰囲気や方向性、コンセプトのようなものが決定づけられていきます」
ALI&「“Turbo Town”というワードが先にあり、あらかじめタイトルということを決めていたので、いい意味で引っ張られていくって感じもありました」
__では、アルバム・タイトル曲「Turbo Town」は、どのようなアイディア~イメージから誕生した楽曲ですか?
JUN「10代の頃のロック体験を、いま表現した感じです。(タイトルを)“Turbo Town”にしたのは、単純に語感が良いなと思っただけなんですが、そこから感じられる疾走感や、“都会ではない町っぽさ”と少しの未来感が良いな、と思っています」
__音楽的には、まず、ギターやピアノといった生楽器の音色がとても印象に残る作品だと感じました。今作のサウンドメイキング、レコーディングで特に重視したことは何でしたか?
ALI&「自然と、今回のアルバムはそうなりましたね。自分達の特色って歪んだシンセベースで見られがちなんですけど、どんな音色、楽器を使うかで80KIDZということを表現しているつもりもなかったんで、自然と各楽曲に必要なサウンドがピアノだったりギターだったりした、という結果かと思います」
__今作の場合、曲づくり自体はどのようなプロセスで進めていったのでしょうか? 各楽曲ごとにアプローチが異なるような、ヴァラエティに富んだ作品になっていますね。
JUN「最初に、お互いが好き勝手デモ曲を作成し、ある程度でき上がって時点で持ち寄り、お互いのやりたいことを確認しながら、曲を絞り込んでいきます。その後、お互いのデータを交換しながら、展開やアレンジを詰めて完成させます」
ALI&「今回に関しては、制作期間中はずっと僕の家のスタジオ環境で制作を詰めていったので、過去作品よりも修正やディテールの調整は細かくできました。作品のデモ楽曲も30曲以上あって、そこから絞りこんでいったんですが、もっとヴァラエティに富んでたんですよ。でも最終的にはまとまったと思います」
__今作には、Yes Giantess、The Whip、Frankmusik、Ghostapeが参加したボーカル曲もフィーチャーされていますね。彼らに声をかけた経緯についても教えてください。
ALI&「Yes Giantessは、2009年かな? 同じ海外フェスに出てて、そこで彼らのライブを見て気に入って、僕らがリリースしているKSRに紹介して日本リリースしたって経緯があって、その頃からいつか一緒にやってみたいなと思ってたんで、ようやく一緒につくれたって感じ。The Whipは、日本公演の時に、まだ僕らが新人の頃なんですけど、前座をやらせてもらってからの付き合いです。Frankmusikは、LAのKILLPOPというレーベルのオーナーボスと僕らが古くからの友人で、結構前から一緒にやりたいという流れになっていて、じゃあ今回、みたいな。Ghostapeは、JUN君の親友なんで、また今回もって流れです」
__ご自身達の中で、その完成度や仕上がりにおいて気に入っている楽曲、満足できた楽曲はどれになりますか? またその理由も教えてください。
JUN「僕が好きなのは「Numan」と「Apollo 80」です。「Numan」は、要素が少なくシンプルで、ベースがグルーヴィーなところが気に入ってます。「Apollo 80」は、3拍子なのと、各パートのレイヤー感が気に入ってます」
ALI&「全楽曲気に入ってます、ほんと。完成してから、自分達のアルバムなんてプライベートで今まで全く聴いたことないんですけど、今作は掃除しながらとか、移動しながらとかも普通に聴いてますよ。いい曲だなーって(笑)。でもその中から選ぶとすれば、僕も「Apollo 80」かなー。3拍子、いわゆるカノンなんだけど、とても感情的な、生きているような曲になったと思います。すごく引っ張られる感じです」
__今作の制作で一番印象に残っているエピソード、楽しかった出来事などがありましたら、教えてください。
JUN「1月の頭から、2ヶ月間Ali&の自宅スタジオに毎日のよう通ったことです。楽しい部分もありましたが、ネコがジャマしてきて大変でした」
ALI&「まー猫も一緒に頑張ったってことで(笑)。「Lucy」という曲が、我が家の猫にささげる曲です(笑)」
__今現在、80KIDZにとって“エレクトロ”というキーワード、もしくは“エレクトロ”という音楽は、どのような位置づけのものになっていますか?
JUN「僕らのつくる音楽がエレクトロにカテゴライズされるのか、もはや解らないのですが、沢山ある表現手法の、選択肢の一つでしかないと思います」
ALI&「エレクトロ世代とか、そんな感じなのかもしれないし、エレクトロって何度もいうけど、エレクトロニックを駆使した音楽なのか、いわゆるジャスティスのようなサウンドなのか、定義しづらい。昨年出たジャスティスのアルバムも、エレクトロ?か何かわからないし。もともと様々なジャンルをクロスオーバーしてできた、2006年から2009年ぐらいまでのフランスを中心としたムーブメントだと思っているので、僕らの音楽はエレクトロなのか?と言われれば、わからないけど、僕らはエレクトロというワードを背負う日本人アーティストの一組だと思うので、僕らがやることがエレクトロだと思う。だから今作もエレクトロで、今作がエレクトロです」
__最後に、80KIDZの次なる活動目標について教えてください。
JUN「僕らはまだまだ知名度が低いと思うので、より多くの方に聴いてもらえるようにライブやDJなど、今まで以上に精力的に活動していきたいです」
ALI&「まだまだやっときたいことが沢山あります。でもまだ内緒です」
interview iLOUD
【リリース情報】
80KIDZ
TURBO TOWN
(JPN) KSR / KCCD-481
4月18日発売
HMVでチェック
tracklist
01. Lander
02. Autobahn
03. Turbo Town
04. Big Bay
05. Dream City Dream
06. Stack Up
07. Step By Step
08. Lucy
09. Numan
10. Lightwaves
11. Mind The Gap
12. Esquire
13. I Shake
14. Apollo 80
【オフィシャルサイト】
80kidz.net/
http://www.ksr-corp.com/label/artists.php?artist_id=28