Active Child、来日直前インタビュー


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2010年の夏にリリースしたデビューEP『Curtis Lane』で脚光を浴びた、LA出身のパット・グロッシのプロジェクト、アクティヴ・チャイルド(Active Child)。彼は、チルウェイブ〜シンセ・ポップに通じるドリーミーなサウンドと、ボン・イヴェールやジェイムス・ブレイクとも比較される美しくソフトなボーカルで注目を集める、インディー・ポップ・シーン期待の新星です。今年8月には、ファースト・アルバム『ユー・アー・オール・アイ・シー』(You Are All I See)をリリース。エレクトロ・ポップやヒップホップに影響を受けたビート〜サウンド、美しいハープの音色、 R&B的なメロディー・ラインが融合した、ある種神聖なフィーリングを感じさせる、エモーショナルでディープな音世界を完成させています。

そんなアクティヴ・チャイルドが、アルバムで一曲コラボレーションしているハウ・トゥ・ドレス・ウェル(How To Dress Well/こちらも新進気鋭の注目株)と共に、来週12/12(月)に、東京 代官山UNITで初来日公演を行います。
ということで、ここではアクティヴ・チャイルドに来日直前インタビュー。彼に、アルバム『ユー・アー・オール・アイ・シー』の内容と自身の音楽性について聞いてみました。日本のメディアでの初インタビューになるみたいですよ。


Active Child、来日直前インタビュー

__まず、あなたがアクティヴ・チャイルド(Active Child)の名で、音楽活動を始めた経緯について教えてください。また、Active Childという名前の由来は何ですか?

「アクティヴ・チャイルドという名前は、僕の母から直にインスピレーションを受けたものなんだ。僕が彼女に初レコーディングを聴かせてあげた時、彼女は僕がまだ小さい頃の古い話を、全部打ち明けてくれてね。僕がどれだけ音に心を奪われていたかってこと…スピーカーとか、楽器とか、どんなことにも合わせて歌っていたりとか…ほとんど全てだね。僕の音楽を彼女のために演奏するのは、とても特別な時間だった。そして、僕が全く知らなかった僕自身の物語を聞いた。“アクティヴ・チャイルド”は、母から聞いた自分自身のストーリーと、その時の特別な時間から生み出されたんだ」

__あなたは、もともとはどのような音楽を聴いて育ってきたのでしょうか。影響を受けたミュージシャンやシンガーがいましたら、少しご紹介いただけますか?

「たくさんの音楽の間を、行ったり来たりして聴いて育ったよ。最初の頃は、ピーター・ガブリエル、アニー・レノックス(ユーリズミックス)、シャーデー、ジェームス・ブラウン、アル・グリーン、フリートウッド・マックを聴いていた。このほとんどは、僕の父がよく聴いていたアーティストで、今でも全部好きだね。で、その後は、ヒップホップに没頭した。当時聴いていたアーティストといえば、2パック, ビッグL、N.W.A., スヌープ(・ドギー・ドッグ)、ウータン(・クラン)とか、ご存じの通りの偉大な人達だよ。最近は女性シンガーに触発されることが多くて、僕が好きなシンガーは、ビョークやカーリン・ドレーイェー・アンデション(Karin Dreijer Andersson:フィーヴァー・レイ/ザ・ナイフ)さ」

__あなたは、昨年発表したデビューEP『Curtis Lane』で、注目を集める存在となりましたね。どのようなサウンドの音楽をつくり出したいと思って、制作に取り組んだ作品でしたか?

「『Curtis Lane』EPは、僕にとってレコーディングと作曲に関する実験的なものだったんだ。だから僕がつくったそのサウンドは、その日感じたことにすごく依存していた。当時は、’80年代のニューウェイブ・サウンドとか、アナログ・シンセサイザーとか、ゲートをかけた大きなドラムの音とか、ポップ・バラードなんかに、普段とてもインスピレーションを感じていたね。でも、さらに探究するにつれて、「Wilderness」や「I’m In Your Church At Night のように、自分自身に違う方向性を見出したんだ。そこで僕は、かなり納得もできたし、さらに好奇心もわいて、『ユー・アー・オール・アイ・シー』のようなサウンドに導かれていったんだよ」

__それでは、この度日本でもリリースされるあなたのファースト・アルバム『ユー・アー・オール・アイ・シー』(You Are All I See)について教えてください。作品のテーマやコンセプトは、どのようなものでしたか?

「このアルバムは、たった数週間の間に、僕の身体から流れ出ていくように創られたんだ。僕は、数ヶ月に渡るEPのためのツアーから解放されたばかりだった。とても疲れていたし、これから何かフレッシュなものを作曲してつくり上げることに不安があった。さらに僕は、長く続いていた親密な人間関係が終わったばかりで、そういった抗いようのない心痛と孤独が、真にヘヴィーな音楽をつくることにつながったんだと思う。僕自身は、そういった音楽を全く意図していなかったんだけどね。僕はどちらかというと、コンセプチャルな世界を自分の音楽に宿すというよりは、その瞬間瞬間を音楽にして、それが僕をどこに導くのかを観察するような作曲をする傾向があるんだ。だから数週間の作曲活動の後、このアルバムは最終的に僕の告白書になった。これは、愛と心痛に包み込まれた僕の強迫観念 を反映した聖歌なんだよ」

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__音楽的には、シンセを軸にしたディープな音響と、あなたのソウルフルでエモーショナルなボーカルが融合した、独特の音世界が詰まった作品に仕上がっていますね。曲づくりやサウンドメイキング面で重視したことは何でしたか?

「僕が重視したのは、サウンドスケープをデザインすること、そして歌詞を書いて、ふわふわ漂って自分を見失ってしまえるようなメロディーを書くことだったね。僕はリスナーに、ふわふわと浮かんでいるような、腕の産毛が立ち上がって、不思議と満たされた気持ちになるような感覚を味わって欲しかったんだ。あとは、リスナーがそれに飽き飽きした時に、彼らが頭をボブにしちゃうような、少し激しいトラックもつくったよ。そうすることで、彼らは深い場所にいつまでも埋められているだけじゃなく、そこから上がって息継ぎできる。「Playing House」や「Ivy」は、そういった息継ぎの曲なんだ」

__あなたの曲づくりにおける着想のアイディア、制作プロセスというのは、具体的にはどのようなものなのでしょうか? 作曲方法とそのインスピレーション源を、少しご紹介いただけますか?

「そんな簡単には、秘密を教えられないよ。でもね、基本的に僕にとって曲づくりっていうのは、本当に基本的なビルのブロックの積み上げから始まるんだ。大抵は温かくて気持ちの良い、ブロックで長さのあるようなシンセサイザーの音を見つけて、それをコードに移して発展させるか、ただ音符として持っておく。そこから、そのトラックがどこに向かうべきかを、どこに向かうのが良いと思うのかを、考え始めるね。ドラムのリズムが良いかどうかとか、 ボーカルのメロディーか、ボーカルチョップか、シンセ・リードか、ハープのメロディーか…とても多様だよ。だから僕の周りには、いくつもの完成していないアイディアがそこらじゅうに転がっている」

__先行シングルの「Playing House (feat. How To Dress Well)」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「「Playing House」は、そういった未完成のアイディアの一つだったものだ。再発見して磨き上げるまではね。えーと、ツアーの後、カルフォルニアのビッグ・サーで少しだけ休暇を取って、のんびりしたり新曲をつくってたりしていたんだけど、数日間作業して、行き詰っちゃったからインスピレーションを得ようと古いトラックを探っていたんだよ。で、その時に「Playing House」のビートと出合ったんだ。ビートを聴いて、“うーん、僕はこれで何かができるぞ”って思った。だからビートを磨いて、歌詞とコーラスを書いたんだけど、そうしたら“これは完璧なコラボレーションができるぞ”って思ってね。それで、トム(・クレル:ハウ・トゥ・ドレス・ウェル)と僕は、実際に何かを一緒に始める前に数ヶ月間メールのやり取りをして、最終的にこれが僕らの初めての曲になったんだ」

__タイトル・トラックの「You Are All I See」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「僕の人生の中で、切望する人をただただ死にもの狂いで説得するために生まれた曲だね。ツアーって、人間関係とか、率直さやシンプルさを荒廃させるんだ」

__ところで、あなたのつくり出すサウンドは、現在”チルウェイヴのネクスト・レヴェル”とも形容されていますね。こういったシーンからのリアクションについては満足していますか?

「うーん。そうみたいだね。僕は、チルウェイヴっていうジャンル分けがそんなに好きじゃないんだけど、でも何かに対してのネクスト・レヴェルだってことにしておくよ。褒め過ぎだね」

__あなたは12月に、ハウ・トゥ・ドレス・ウェルと共に来日公演を行いますね。初来日かと思いますが、どのようなパフォーマンスを行う予定ですか?

「何を期待していいのかまだ分からないんだけど、ただ言えることは、来日することにすごくワクワクしているということさ! 長い間日本に行ってみたいと思っていたし、それが現実になって、しかも演奏できるなんて本当に幸運だよ。パフォーマンスに関して言えば、満員御礼で演奏したいね!」

__最後に、あなたの次なる活動目標を教えてください。

「次の活動っていうのは、僕にとってはいつもミステリーだ。僕はその時、その瞬間を生きているからね。でも、新しい曲を書きたいと思っているよ。レコーディングでは生楽器をもっと探究したいし、もっと抽象的な音のデザインとか、フィールド・レコーディングも取り入れてみたい。僕は今まで、シンセサイザーには何ができるのかってことを、ドアの隙間から見ていたんだ。もっともっと学ぶことがある。職業として音楽をつくったり探究したりできる自由があることを、僕はとても感謝しているんだ。今、僕の身近なゴールはね、自分自身を驚かせたり感動させたりし続けるってことなんだよ」

interview iLOUD


【来日情報】
ACTIVE CHILD/HOW TO DRESS WELL来日公演

2011年12/12 (月)

東京 代官山 UNIT

LIVE :
ACTIVE CHILD

HOW TO DRESS WELL

Special Guest : Dustin Wong (ex. Ponytail)

OPEN 18:00 / START 19:00

¥4,500 (前売/1ドリンク別途)

INFORMATION:03-3444-6751 (SMASH)

チケット発売中

ぴあ (P: 152-493 ), ローソン (L: 75255 ), e+ (プレ: 10/11-16 ), 会場, 岩盤

企画制作:root & branch

協力:ART UNION CORPORATION/PLANCHA, ULTRA-VYBE

お問い合わせ
03-3444-6751 (SMASH)

smash-jpn.com smash-mobile.com
03-5459-8630 (UNIT)

http://www.unit-tokyo.com/schedule/2011/12/12/111210_active_child.php

【リリース情報】

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Active Child
You Are All I See
(JPN) Plancha/art Union / ARTPL018
※ボーナス・トラック6曲『Curtis Lane EP』収録
※日本独自紙ジャケット仕様
HMVでチェック

tracklisting
1. You Are All I See
2. Hanging On
3. Playing House (ft. How To Dress Well)
4. See Thru Eyes
5. High Priestess
6. Ivy
7. Way Too Fast
8. Ancient Eye
9. Shield & Sword
10. Johnny Belinda
11. I’m In Your Church At Night (Bonus Track: from Curtis Lane EP)
12. She Was A Vision (Bonus Track: from Curtis Lane EP)
13. When Your Love Is Safe (Bonus Track: from Curtis Lane EP)
14. Take Shelter (Bonus Track: from Curtis Lane EP)
15. Weight Of The World (Bonus Track: from Curtis Lane EP)
16. Wilderness (Bonus Track: from Curtis Lane EP)

【VIDEO】

Playing House Feat. How To Dress Well [Official Video] from Active Child on Vimeo.

Active Child – I’m In Your Church At Night from Active Child on Vimeo.

【オフィシャルサイト】
http://artuniongroup.co.jp/plancha/
http://activechildmusic.com/

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