Bloc Party『Four』インタビュー


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ケリー・オケレケ、ラッセル・リサック、ゴードン・モークス、マット・トンの4名からなる、UKロック・バンド、ブロック・パーティー。’03年にデビューを果たすと、そのダンサブルな音楽性で話題を集め、ファースト・アルバム『Silent Alarm』(’05)は全英チャート3位、100万枚を超えるセールスを記録。一躍トップ・アーティストとしての地位を確立した人気バンドです。以降『A Weekend in the City』(’07)、『Intimacy』(’08)とアルバムを発表するものの、’09年にバンド活動の休止をアナウンス。近年は個々のプロジェクトを通して音楽活動を行ってきました。

そんなブロック・パーティーが、約4年ぶりに復活。通算4作目となるニュー・アルバム『Four』(フォー)を8/15に日本先行リリースします。プロデューサーにAt The Drive In、The Mars VoltaやDeath Cab For Cutieとの仕事で知られるアレックス・ニューポートを迎え、ニューヨークでレコーディング作業を行った注目作です。ケリーが“僕たち4人じゃなければつくれなかったサウンドだし、今までにつくったどのアルバムよりも誇りに思う”と語る本作。その内容は、バンド本来のサウンドをストレートに表現したものとなっています。

ここでは、本作『Four』の内容について、6月に<Hostess Club Weekender>で来日を果たしたブロック・パーティーのメンバー、ケリーとラッセルに話を聞きました。


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Bloc Party『Four』インタビュー

__日本での久々のライブ(Hostess Club Weekender、6/24)はいかがでしたか?

ラッセル「たぶん4年ぶりくらいだったんだけど、すごく楽しかったよ。これまでに日本でやったライブの中でもベストだったんじゃないかな。昔の曲はもちろん、新曲に対するお客さんの反応もよかったから、嬉しかった。まだ今作のライブをスタートさせたばかりだから、僕ら自身も演っていて新鮮だしね」

__では、そのニュー・アルバム『Four』ですが、昨年後半から制作を始めたそうですね。まず、バンドを再始動するきっかけは何だったのでしょうか?

ケリー「2010年のクリスマスに一回みんなで集まったんだ。で、その時に“ブロック・パーティー続ける? 続けない?”って話をして、正直どっちに転ぶか分からなかったんだけど、幸い良い方向に話が傾いて、“続けよう”ってことになった。で、メンバーそれぞれのやっていたプロジェクトが終わるのを待って、2011年の終わり頃に全員ニューヨークに集まって曲づくりを詰めて、今年初頭からレコーディングを始めたんだ」

__2010年のクリスマスに集まった時、バンドを続けるか否かは本当に50/50の状態だったんですか?

ラッセル「そう思う。もしかしたら、みんなでいがみ合って終わっていたかもしれない。でも、まだこのバンドで面白いことができるはずだってみんな思ったから、続けることにしたんだよ」
ケリー「もう一稼ぎしようぜってね(笑)。冗談だけど」
ラッセル「ハハハ。バンドから離れた2年という時間はけっこう長かったから、その間にみんな人間的にも成長したし、人生観も変わったと思う。だから、この四人でまだやれることはあるだろうって、その時思えたんだと思うな」

__レコーディング場所をニューヨークにした理由は何でしたか?

ラッセル「その当時、メンバーの二人はニューヨーク、もう二人はロンドンに住んでたんだけど、いろいろ考えた結果ニューヨークでやるのが集まりやすくていいだろう、ってことになったんだ。ロサンゼルスって案もあったんだけど、いろいろ面倒があって止めた」

__なるほど。

ラッセル「ニューヨークはみんな知っている通り、ああいう街だから、レコーディング作業をしつつもそれぞれ自分の時間も持てるだろう? スタジオ以外に居場所がなくて、スタジオに缶詰めになって四六時中みんなでいなきゃいけない、みたいな必要がない。作業をしたらブレイクをとって、また集まってという感じで、息抜きをしやすい、メリハリをつけやすい環境なんだ。3〜4ヶ月かけて作業をしていくには、みんなにとって良い場所だよ」

__今回久々に集合して、曲づくりやレコーディング作業はいかがでしたか?

ケリー「順調だったね。僕らは、アイディアを持ち寄って、みんなで楽器を弾いて、その相互作用で楽曲を完成させていくんだけど、それが今回もこれまでやってきたのと同じように上手くいった。久々にみんなで演奏した時、“いい作品ができそうだな”って手応えが最初からあったよ」

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__今作『Four』では、バンドらしいサウンドを軸に、様々な曲調の楽曲にトライしている印象的がしました。かなり激しい曲から、シンプルで伝統的な雰囲気のものまで、バラエティー豊かですよね。制作を進めていく中で、どのようなアルバムにしようと考えていたのでしょうか?

ケリー「今回は17曲を用意してレコーディングしてみたんだけど…サウンド面の方向性に関しては、ライブのエネルギーをそのまま反映させたようなものにしたかったね。そこを大切にしたかった。スタジオを駆使してつくり上げたサウンドではなくてね。スタジオ・テクニックに頼るのではなく、各自の楽器演奏に自信を持って、それをさらけ出すって感じ。プロデュースされていない生々しいサウンド、って言えばいいかな」

__プロデューサーのアレックス・ニューポートは、バンドにどのような作用・効果をもたらしてくれましたか?

ラッセル「今作では、これまでに組んだことのないプロデューサーとやりたかったんだ。で、人から推薦されて彼とやることになったんだけど、彼は素敵な人物だったよ。彼はバンドのライブ・サウンドを上手く引き出してくれるというか、しっかりと導き出してくれるプロデューサーで、僕のギターも良い音で録音してくれたね。今回彼は、レコーディングに入る前にとにかくリハーサルをちゃんとやれ、ってアドバイスしてくれたよ。だから、レコーディングの前に二週間かけて、とことん曲のリハーサルをやった。そうすることでみんなのプレイがタイトになって、すごく良くなっていったと思う。レコーディングの時、演奏だけに集中できたしね。以前は、ちょっと弾いてみてはスタジオの機材をいじりまわして…って感じだったりもしたから」

__アルバム・タイトルの“Four”には、どのような意味が込められていますか? 今作が4作目のアルバムであること、4年ぶりのアルバムであること、そしてブロック・パーティーが4人組であること…などを連想をさせるタイトルですが、そのような捉え方でOKですか?

ケリー「正に、その通りだよ」

__アルバム・ジャケットにある4つの輪は、あなた達自身のことを示しているんですか?

ケリー「そう、僕らのことだ。このデザインは、ゴードンが手がけたんだよ」

__分かりました。では、ファースト・シングルの「Octopus」について教えてください。どのようにして誕生した曲ですか?

ラッセル「たしか、ギター・エフェクトからスタートしたと思う。他の曲でも使ったエフェクトなんだけど…」
ケリー「コードの組み合わせが面白いって話もしたよな」
ラッセル「このアルバムの為にいろんな曲を書いて、デモもたくさん録ったんだけど、この曲はその最後の方で完成した曲だったよ」
ケリー「この曲は、つくり始めた時にアルバムの中でも重要な曲になるだろうなって思ったよ。というのも、ラッセルのつくり出したペダル・エフェクトは他のバンドで聴いたことがない音だったし、そこに入ったゴードンのベースもいい感じだったから、良い曲になりそうだってすぐ手応えを感じてね」

__ライブで披露していた「3 X 3」や「Team A」についても教えていただけますか?

ケリー「えーと、「3 X 3」はどうだったっけ?」
ラッセル「この曲をつくった時の記憶は…もうあんまりないね。結構昔につくった方の曲だと思う」
ケリー「僕がいまライブでプレイしていて楽しいのは、「Real Talk」だよ。テンポやリズムが他とちょっと違う曲だから、面白い。ライブをやるごとに良くなっていくのも分かるしね」
ラッセル「その点で言うと、僕は「3 X 3」が楽しいね。激しい曲でプレイもしやすいから、アドレナリンが出る。他の曲は、まだちょっとプレイする時に集中力がいるんだけど」

__では最後に、今後の展望について教えてください。

ケリー「まずは、ツアーだね」
ラッセル「年内はひたすらツアーだよ。それが終わったら…」
ケリー「2枚組のアルバムでもつくろうか?(笑)」

__各自のプロジェクトについては、今現在は特に動きなしですか?

ケリー「そうだね。今はブロック・パーティーの活動に集中したい。僕の場合、ソロ・アルバム『The Boxer』はつくってみて面白かったから、機会を見ていずれまたつくりたいと思っている」
ラッセル「…僕は、ピン・ミー・ダウンに関しては、もうやらないと思う(笑)」

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【リリース情報】

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Bloc Party
Four
(JPN) Hostess / HSE-60125
8月15日 日本先行発売
※ボーナストラック5曲、歌詞対訳、ライナーノーツ付
HMVでチェック

tracklisting
01. So He Begins To Lie
02. 3×3
03. Octopus
04. Real Talk
05. Kettling
06. Day Four
07. Coliseum
08. V.A.L.I.S.
09. Team A
10. Truth
11. The Healing
12. We Are Not Good People
13. Mean (ボーナストラック)
14. Leaf Skeleton (ボーナストラック)
15. Straight Thru Cru (ボーナストラック)
16. Octopus – RAC Remix (ボーナストラック)
17. Octopus – Koreless Remix (ボーナストラック)

【オフィシャルサイト】
http://hostess.co.jp/four/(豪華グッズが当たる“4”択クイズ『フォー』キャンペーン実施中)
http://blocparty.com/(全曲試聴実施中)

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