buzzG Feat. 初音ミク×VOCALISTS 『Symphony』 インタビュー


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エモーショナルで重厚なギター・ロックに、シリアスな詞の世界観を融合させ、ボーカロイドのMegpoid(GUMI)や初音ミクをフィーチャーした楽曲を、’09年8月頃からニコニコ動画等で発表してきたクリエイター、buzzG。ニコニコ動画にて、初音ミク楽曲の「GALLOWS BELL」「アルビノ」「かくれんぼ」で20万再生を記録している彼が、明日3月9日の“ミクの日”に、初音ミクと4人のボーカリストをフィーチャーしたメジャー・デビュー・アルバム、『Symphony』をリリースします。

重厚なロックとボーカロイドの融合サウンドは、どのように生み出されているのでしょう?その制作背景について、buzzGに話を聞きました。

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buzzG
エモーショナルなギター・ロックと初音ミク、そしてボーカリストたちが織りなすシンフォニー

ヘヴィー・ロックやメロコアのバンドで、ギターとボーカル担当だった経験を生かしたエモーショナルなギター・ロックに、ボーカロイドのMegpoid(GUMI)や初音ミクをフィーチャーした楽曲を、’09年8月頃からニコニコ動画等で発表してきたbuzzG。初音ミクをフィーチャーした、「GALLOWS BELL」「アルビノ」「かくれんぼ」の3曲が、ニコニコ動画で20万以上の再生回数を記録した他、彼の曲を歌い手がカバーする、“歌ってみた”等の関連動画も多い、注目のクリエイターだ。もともと、バンド活動を行っていた彼が、ボーカロイドに興味を持ったきっかけは何だったのだろう?

「友人が先にボーカロイドを使い始めていて、打ち込んでいるところを見せてもらったら、音ゲーっぽくて面白そうだったので始めてみました。Megpoidを選んだ理由は、人間が持つ声の質感に一番近かったからですね。ボーカロイドを使うまで、PCで音楽をつくったことはなかったんですが、Megpoidを買ってからアップまでは二ヶ月もかからなくて、やってみたらできたという感じでした」

buzzGがニコ動で注目を浴びるターニングポイントとなった一曲が、2009年11月にアップした「AGAINST」だ。この曲の動画を、ボーカロイド楽曲のイラストや動画を制作し人気を博している絵師のmeolaが手がけたことも、注目を浴びるきっかけになったという。ニコ動では、再生回数が目に見えて分かるが、リスナー数が増えていくときは、どのような気分なのだろう?

「ある意味けっこう中毒性があって、数字が目に見えるので、すごく嬉しいです。バンド時代は、曲をつくってから練習してライブで発表するまで、結構時間がかかるし、ライブで演奏しても、あまりレスポンスが返ってこないこともあったんです。でもニコ動は、楽曲をアップした瞬間にレスポンスがあるので、とても気持ち良いですね」

そんなbuzzGが、初音ミクに加え、相沢舞、nana takahashi(SOUND HOLIC)、花たん、コンテンツ投稿サイトのピアプロとビクターがコラボしたオーディションの合格者であるYOME(kyachiskoid)ら、4人のボーカリストをフィーチャーしたメジャー・デビュー・アルバム、『Symphony』を、“ミクの日”である3月9日にリリースする。リード曲のタイトルにもなっている『Symphony』をアルバム名に冠した理由は何だったのだろう?

「『Symphony』には、いろんな曲があって、いろんな立場の人がボーカリストとして参加してくれているんです。それらが折り重なってできた作品ということで、この名前にしました」

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前述の人気曲や新曲など、計11曲を収録した本作には、重厚なツイン・ギターと、叙情的なピアノを筆頭に、各パートが主役級の存在感を放ちながら、一体のハーモニーを奏でる楽曲が満載だ。こうしたバンド・サウンドを、ソロでどのように生み出しているのだろう?

「アコギからギターに入ったので、基本的にはアコギの弾き語りで大枠をつくり、それをバンドの音にする流れが多いです。ベースを友人に弾いてもらっている以外、ギターは自分で弾いていて、ピアノとドラムも自分で全部打ち込んでいます。ドラムは、基本的にライブを意識していて、たとえば、佐野康夫さんとか自分の好きなドラマーの方が叩いている姿を想像しながら打ち込んでいます」

そんなサウンドの魅力のみならず、buzzGが人気を博すもう一つの理由は、聴き手の胸に深く切り込む、シリアスな歌詞の世界観にある。彼は、どのようなイメージを元に、作詞を行っているのだろう?ニコ動のコメント欄で物議を醸している「GALLOWS BELL」について、彼はこう語る。

「日常生活で腹が立つことが結構多いんです。たとえば、殺人事件のニュースが報道されると、mixi等のブログに、容疑者に対して気軽に“死刑にしろ”と書かれていたり、人間の悪意が目に見えて分かってしまうことがあるんですよね。それに対する皮肉を、「GALLOWS BELL」には込めました。ただ、個人的な歌詞の解釈はあるけど、それを敢えて出さずに、聴き手に委ねたいと思っています。決まった答えを出すと、それに限定されてしまうので、聴き手によって捉え方が変わるような歌詞を書きたいですね」

また、たくさんの歌い手によるカバーが生まれている人気曲「アルビノ」に関しては、このように語ってくれた。

「“アルビノ”という言葉自体がセンセーショナルなものなので、まずそれが頭に浮かび、テーマにしてみました。曲が先にできて、それに歌詞を書いていくことが大半なんですが、弾き語りをしている時点で、ハマリのいい歌詞の一部がパっと思い浮かぶんです。そこから、自分の中にあるものをなぞっていきながら、内容を広げるように書いていくことが多いです」

buzzGのエモーションを、初音ミクやボーカリストたちが代弁する『Symphony』。本作は、ボーカロイド・ファンのみならず、一般のロック・リスナーの心をも捉えることだろう。なお、buzzGは、相沢舞とともに、3月9日に開催される、のオープニング・アクトを務めることも決定している。そちらも合わせて注目だ。

interview & text HIROKO TORIMURA
photo KENJI KUBO


【アルバム情報】

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buzzG Feat. 初音ミク×VOCALISTS
Symphony
(JPN) VICTOR / VICL-63709
3月9日発売
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tracklisting

01. Symphony [feat.初音ミク]
02. かくれんぼ [feat.相沢舞]
03. アルビノ [feat.初音ミク]
04. Tru La La [feat.初音ミク]
05. Flashback [feat.YOME]
06. GALLOWS BELL [feat.初音ミク]
07. Fantastic Cyborg [feat.初音ミク]
08. 御名前 [feat.初音ミク]
09. 赤い雨 [feat.Nana Takahashi]
10. Marygold [feat.花たん]
11. それじゃあね [feat.初音ミク]


【LIVE INFORMATION】
初音ミク ライブパーティー 2011
-39’s LIVE IN TOKYO-
3/9(水)@ ZEPP TOKYO
http://5pb.jp/mikupa/

INFO: www.jvcmusic.co.jp/buzzg/
http://buzzg.blog84.fc2.com/

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