Citizens!『Here We Are』インタビュー

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ロンドンを拠点に活動する、Tom、Mike、Lawrence、Martyn、Thomの5名からなるインディー・ポップ・バンド、シチズンズ!(Citizens!)。フランスの人気レーベルKitsuneが送り出す、Two Door Cinema Club、Is Tropicalに続く新星で、その才能に惚れ込んだジルダ(Kitsune)が、“シチズンズ!は、時代の音を鳴らしている、今聴くべき素晴らしい楽曲とエモーションを持ったバンド! 彼らには優れたポップ性や圧倒的なカリスマ性がある”と、自身が手がけるコンピ等を通じてプッシュし続けてきた注目株です。

そんなシチズンズ!が、シングル「True Romance」、「Reptile」を経て、いよいよデビュー・アルバム『Here We Are』(ヒア・ウイ・アー)を5/16にリリースします。フランツ・フェルディナンドのフロントマン、アレックス・カプラノスが全面プロデュースした作品で、人間味あふれるバンド・サウンドを全面に打ち出したシチズンズ!流ポップ・ミュージックの世界が詰まった内容となっています。

アレックス・カプラノスも、“彼らのサウンドは、今まで聞いたこともないような何かがある。彼らは、誰かのフォロファーじゃないからフレッシュで、彼らは何か新しいものを生み出す才能があって、それが俺をワクワクさせるんだ”と太鼓判を押すシチズンズ!。ここでは、本作『Here We Are』とその音楽性ついて、バンド・リーダーのTom(Vo/G)に話を聞きました。


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Citizens!『Here We Are』インタビュー

__まずはシチズンズ!の成り立ちについて教えてください。バンドを結成したきっかけは何でしたか?

「もともと、僕を含めたバンド・メンバーの三人が友達同士でね。で、その三人であるハウス・パーティーに行った時、そこでお互いにいろんな音楽をかけては、みんなの反応を見ていたことがあったんだ。カニエ・ウェストとか、マイケル・ジャクソンとか、いろいろね。で、反応が良かった曲に共通していたのは、“ポップ・ミュージック”ってことだった。それでいろいろ考えて、今の時代にはリアーナやレディ・ガガのようなポップ・アーティストはいても、それをバンド・スタイルでやっているアーティストっていないな、って思ったんだ」

__確かに、そうかもしれませんね。

「以前はブラーとか、ザ・フレーミング・リップスとか、ザ・ビートルズとかいろいろいたのに、今はエキサイティングなポップ・ミュージックをつくっているバンドって、いないよね。だからそれを動機に、この五人でバンドをやってみることにしたんだ」

__そういうスタートだったんですね。ポップ・ミュージックをつくろうと思った時に、バンド・スタイルにこだわった理由は何かあったんですか?

「単純に、僕にとってバンドは欠かせないものなんだ。一人で歌うだけだと寂しいし、やっぱり今の5人が集まってできる音楽の方が、様々な面でエネルギーがあると思うしね。感覚的にも、バンドじゃないスタイルは考えられないよ」

__シチズンズ!というバンド名の由来は何ですか?

「友達があるコミックを見せてくれて、そこに“Citizens!”って書いてある新聞が描かれてたんだけど、バンド名にどうかって提案してくれたんだよ。で、タイムリーなことに、偶然その頃ロンドンの僕が住んでいる近くで暴動があったりもしたから、このバンド名に決めたよ」

__そのロンドンの暴動は、昨年の夏の話ですよね。では、バンド名自体は比較的最近つけたんですね。

「そうだね。半年とちょっと前くらいの話だよ(笑)」

__Kitsuneと契約を結ぶに至った経緯についても教えてください。

「ジルダが僕らのデモをどこかで耳にしたみたいで、彼の方から“コンピに曲を収録したいんだけど”って連絡してきてくれてね。で、それがきっかけとなって連絡を取り合っているうちに、アルバム制作の話も出てきたんだ。他のレーベルからも話があったりしたんだけど、自分達のやりたいことを一番尊重してくれたのがKitsuneだったよ。“好きなようにやっていいよ”って言ってくれたんだ」

__ちなみに、バンドを始めた時の経緯を考えると、あんまりロック・バンドとは言われたくない感じですか?

「うーん。ライブではロック・バンドのようなアグレッシヴな要素もあると思うけど、バンドの根本にある姿勢みたいなものは、ちょっと違うだろうね。いわゆるシリアスなロック・バンドよりもユーモアがあると思うから」

__分かりました。それではデビュー・アルバム『Here We Are』について教えてください。まず、本作はフランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノスと共にレコーディングしたそうですね。どういう経緯で実現したんですか?

「僕らが普通のバンドとちょっと違うのは、実はライブやらないでレコーディングに入ったことだろうね。まずはとにかく曲をつくって、曲を絞り込んでからスタジオに入ったんだ。で、アレックスとはその間に知り合った。アレックスと共通の友人が何人かいて、彼にデモを渡してくれたんだよね。で、バーで飲みながら音楽の話をしていくうちに意気投合して、“じゃあ一緒に何かやろうよ”ってことになった」

__そうなんですか。

「で、実際にレコーディングすることになったんだけど、お互いに人間らしい部分を残したサウンドにしたい、という思いがあったから、聴いての通り、こういうサウンドになったよ。Pro Toolsを使ったとしても編集作業はしなかったし、オートチューンを使ったりなんかもしてないよ。音楽性が違っていても、アレックスは、僕らの陽気なスピリットだとか、ダンサブルな部分に共感してくれたんだと思う」

__レコーディング期間はどのくらいだったんですか?

「2ヶ月くらいかな。楽しかったよ、本当に。スコットランドの西海岸の方の、ほとんど何もない孤立した場所でやったんだけど、おかげで音楽だけに集中できた。そんな場所に大人が6人も籠っていたから、ちょっと息苦しさを感じた時もあったけどね(笑)。100曲くらい持って行ったから、最初の2週間はその書き溜めていた曲の選別をして、そこからさらに曲を組み立て直したり、アレンジをちゃんとやったりして、それからレコーディングに入ったよ」

__先ほど“人間らしい部分を残したサウンド”と言っていましたが、より具体的には、どんな内容のアルバムを目指していたんですか?

「いま流行っているポップ・ミュージックのサウンドって、工場から次々と送り出されてくるようなものばかりだよね。工業製品のように、本当にいろんなものが量産されているというか。だから、僕らとしてはもっとソウルのこもった音楽をつくりたかったよ。それこそ、かつてのソウル~ファンク・アルバムにあった熱のようなものを感じるサウンドにしたかった」

__なるほど。

「だから、レコーディング方法自体を、クラシカルなスタイルに戻してやってみたりもしたんだ。かなり極端にやった部分もあって、アルバムを聴くと分かると思うけど、羊や鳥の鳴き声が入ってたりもするからね。部屋で録音した感じが、凄く出ているんじゃないかな」

__そうですね。各楽曲についてもいくつ教えてください。まず、ファースト・シングル「True Romance」はどのようにして誕生した曲ですか?

「ピアノのリフから発展していった曲で、もともとはちょっとカニエ・ウェストっぽいピアノだったよ。で、アーケイド・ファイアのような壮大な感じをイメージしながらつくっていった。このアルバムに入っている唯一のラヴ・ソングなんだけど、ちょっと寂しい内容でダークだよね」

__セカンド・シングルの「Reptile」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「みんな、自分が子供の頃に教わったり、そして成長していく過程で身につけてきた、自分なりの道徳観やルールというものを持っていると思うんだけど、そういったアイデンティティの形成をテーマにした曲だね。で、楽曲自体は、フレンチ・エレクトロに影響を受けたものなんだ。そこにUKっぽいギター・サウンドをミックスして、完成させた感じかな」

__ちなみにバンド・メンバーの音楽趣味って、かなりバラバラなんですか?

「そうだね。もちろん音楽的にお互い共有している部分もあるけど、幅広いと思うよ。好きな曲をお互いに紹介し合ったりするのも、楽しいよね。メンバーの中では、Martynが一番エレクトロニック~ダンス・ミュージックが好きかな」

__“Here We Are”というアルバム・タイトルの由来は何ですか?

「このタイトルは、「True Romance」の歌詞の一節から取ったものなんだ。「True Romance」は、やっぱりライブでかなり盛り上がるんだけど、特にこの歌詞の部分のリアクションが良いんだよね。だから、自然とこのアルバム・タイトルに落ち着いたよ。ライブでは、「(I’m in love with your) Girlfriend」も盛り上がるね」

__最後に、シチズンズ!の今後の目標と活動予定を教えてください。

「どのバンドもそうだと思うんだけど、最初が重要だよね。だから、デビュー・アルバムの時点から自分達のアイデンティティをサポートしてくれたKitsuneには、感謝しているよ。で、アルバムをつくったからには、これからはツアーだね。できるだけいろんな場所に行きたいと思っているし、今は新鮮な気持ちさ。ただ、あんまりツアーばかりで作曲活動の方に弊害が出てくるようだと、個人的には困っちゃうな(笑)」

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【リリース情報】

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CITIZENS!
Here We Are
(JPN) P-VINE/TRAFFIC/KITSUNE / PCDT-54(初回限定スペシャルプライス盤)
(JPN) P-VINE/TRAFFIC/KITSUNE / PCDT-55(通常盤)
5月16日 日本先行発売(海外 5月28日)
HMVでチェック

tracklist
01 True Romance
02 Reptile
03 Caroline
04 Love you more
05 Let’s Go all the Way
06 (I’m in love with your) Girlfriend
07 Nobody’s Fool
08 Monster
09 She said
10 I wouldn’t want to
11 Know Yourself
12 Caroline acoustic*
13 Reptile acoutic*
※ M-12&13:bonus tracks for Japan


Caroline – CITIZENS! by COOPERATIVE MUSIC USA

【オフィシャルサイト】
http://p-vine.jp/pages/citizens/releases.html
http://trafficjpn.com/citizens
http://kitsune.fr
http://www.citizens.cz/
http://www.facebook.com/gocitizens

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