ギターを主体にした正統派ロック・サウンドと、ボーカロイドの初音ミクを融合させた独自の楽曲で、ニコニコ動画を中心に人気を博しているDECO*27(デコ・ニーナ)。これまでに4枚の自主制作アルバムを発表するなど、精力的に活動するボーカロイドP(=プロデューサー)だ。13歳の時にギターと作曲を始め、大学生の頃からDTMで楽曲制作を始めたというDECO*27。バンド活動ではなく、初音ミクをボーカルに選んだ理由とは何だったのだろう?
「感情を持っているような、いないような、そんな初音ミクの声に惚れたんです。この声をバンド・サウンドとぶつけたらどうなるだろう? と思ったのがきっかけです。ギター以外のパートは打ち込みで、最初にドラムを打ち込んで、それにあわせて弾き語ったものを録音。そのあと、アレンジ加えていく感じですね」
そんなDECO*27が、このたびデビュー・アルバム『相愛性理論』をリリースした。本作は、表題曲の「相愛性理論」や「二息歩行」といった、ニコ動で“VOCALOID殿堂入り”(再生数が10万以上のボーカロイド曲に付けられるタグ)を果たした7曲をに加え、新曲や、sasakure.UKらによるリミックスを収録。初回限定版には、4曲のアニメーションを収録したDVDも同梱される。収録曲では、どれも恋愛にまつわる出来事や心情が赤裸々に綴られているが、作品全体を通して、どんなことがテーマになっているのだろうか?
「「相愛性理論」の歌詞にもありますが、“想いは誰にも見えないから、このように歌にしてみたのです”ということがテーマになってます。歌詞は、すべて実体験が元になっていますが、恥ずかしいので、よくひねくれた言い回しを使ってますね(笑)」
リスナーから大きな共感を集めている、DECO*27の描くリアルな恋愛模様。その世界観を彩るのが、『相愛性理論』に参加した、数多くのクリエイター陣だ。本作では、ボーカロイドやニコ動を通じたコラボレーションによって生まれた、楽曲の新たな魅力に気付くことができるだろう。
「イラストレーターの“りょーの”さんは、色使いやセンス、独特の作風に惚れて、本作のイラストをお願いしました。「愛 think so, feat. とぴ」で歌ってくれた“とぴ”さんは、僕のボーカロイド曲を歌ってくれたことがきっかけで、一緒に活動しようという話になりました。ボーカロイドというテーマは共通しているものの、みなさんそれぞれが、同じ方向を向いて制作しているわけではないと思うんです。それが本作のように、ひとつの作品に向かって一緒に制作することは大変面白いし、自分にはないものを補い合えるのが素晴らしいですね。結果、最高の一枚を仕上げることができたと思ってます」
アルバム情報
01. 相愛性理論
02. ハルイチ。
03. 愛+K=aKi
04. 心壊サミット
05. 愛言葉
06. 恋様シート
07. 僕みたいな君、君みたいな僕。
08. キミ以上、ボク未満。
09. 好きよ好きよも好きのうち
10. 罪と罰
11. “bye-bye” by my 愛
12. 愛 think so,
13. 二息歩行
14. 一人ぼっちで二人きり
15. 愛 think so, feat. とぴ
16. ハルイチ。 (kous Remix)
17. 愛言葉 (sasakure.UK Remix)
18. 相愛性理論 (Treow Remix)