Delorean『Apar』インタビュー


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エキ・ロペテギ(Vo:Ekhi Lopetegi)、ギレルモ・アストライン(G:Guillermo Astrain)、イゴール・エスクデロ(Dr:Igor Escudero)、ウナイ・ラスカーニョ(Key:Unai Lazcano)からなる、スペインのバルセロナを拠点に活動するインディー・バンド、Delorean(デロレアン)。2004年にアルバム・デビューを果たした彼らは、数枚のリリースを経て、エレクトロニックな要素を大胆に導入した2009年の『Ayrton Senna EP』、2010年のサード・アルバム『Subiza』で世界的ブレイクを果たした実力派です。2010年には来日公演も行い、インディー・ファンを中心に日本でも話題を集めました。

そんなDeloreanが、前作から約3年を経て、通算4作目となるオリジナル・アルバム『Apar』(アパー)をリリースしました。地中海に面したバルセロナ近郊の街にスタジオを建て、曲づくりに磨きをかけ、バンドの音楽性をより深く追求したという意欲作です。その内容は、キャメロン・メジロー(Cameron Mesirow:Glasser)をフィーチャーした「Destitute Time」や、キャロライン・ポラチェック(Caroline Polachek:Chairlift)をフィーチャーした「Unhold」なども収録した、爽やかにしてディープな、浮遊感あるサウンドとビートが詰ったものとなっています。

ここでは本作『Apar』の内容について、Deloreanのメンバー、エキに話を聞きました。なお、Deloreanは、 11/30(土)と12/1(日)に東京 恵比寿ガーデンホールで開催される<Hostess Club Weekender>で、来日が決定しております(彼らの出演日は11/30)。


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Delorean『Apar』インタビュー

__2010年にリリースした前作『Subiza』は、高い評価と人気を得たアルバムになりましたね。『Subiza』は、あなたにとってどんな意味を持つアルバムとなりましたか?

「『Subiza』は、様々な意味を持ったアルバムなんだ。曲づくりも、曲をライブで披露するのも、楽しくて仕方なかった時期だったな。いい意味で、とてもウブだったんだよ。評判もよかったし、僕たちにとってそれはとても嬉しいことだった。アルバム制作に全力を注いだからね」

__今作『Apar』は、長期に渡るツアーを経て感性したアルバムとなりますね。まず。アルバム制作を始めたのはいつ頃でしたか?

「2012年の終わり頃にアイディアは上がっていたんだけど、実際に曲を書き始めたのは2013年だった。ツアーをしながら曲をつくるのって、僕たちあんまり得意じゃないから、アルバム制作はツアーが終わるまで待つことにしたんだ」

__今作は、地中海に隣接する工業地帯にスタジオを建て、そこで制作したアルバムだそうですね。その街はバルセロナ近郊にあるんですか? どんな環境の場所でどんなスタジオなのか、少しご紹介ください。

「スタジオは、都心のバルセロナの近くだったよ。今はそうでもないんだけど、もともとは工業地帯のエル・ポブレノ(El Poblenou)っていうところの近所にあったんだ。そこでアルバム制作できたのは、僕たちにとってとても喜ばしいことだったね。海まで徒歩10分だし、都心から5駅しか離れていないところだし」

__では、アルバムを手がけていくにあたって、今回はどんなアイディアやイメージを持っていたのでしょうか。アルバムのインスピレーション源やコンセプト等がありましたら、教えてください。

「とりあえず、曲が書きたかったんだ。で、『Subiza』はベッドルームからプロデュースしたようなアルバムで、PCの前に座ってつくり上げたものだった。コンピューター上での作曲を学べたから、それはそれでよかったけどね。でも今回は、ちゃんとコード進行を考えて、ギターやベース、使う全ての楽器の音をどう組み込むかを考えたうえで、曲づくりに挑みたかった。コンピューターを完全に無くしたわけじゃないんだけど、使える道具が増えたのは間違いないね」

__なるほど。

「インスパイア源としては、今回は、いろんな機材を使って大切に何ヶ月間もかけてプロデュースされたような、1980年代後半のヒット・アルバムに一番影響されたかもしれないな。もちろん全ての機材が揃っていたわけじゃないけど、できるだけ制限はされたくなかった」

__音楽的には、あなた達らしいメロディーやサウンド・センスはそのままに、よりソングライティングやバンドとしてのアンサンブル~アレンジが印象に残る内容だと感じました。音づくりで特に重視したことは何でしたか?

「必要以上のことはしない、ってことに専念したよ。『Subiza』ではアレンジをしすぎた感じがあったから、今回はもっとシンプルに、強調したい部分が目立つような曲づくりをしたかったんだ」

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__で、今作には、GlasserのCameron Mesirowが参加した「Destitute Time」、ChairliftのCaroline Polachekが参加した「Unhold」も収録されていますね。まず、「Destitute Time」はどのようにして誕生した曲ですか?

「「Destitute Time」は、ボーカル・サンプルを使った曲だね。メインのフックとバック・ボーカルに、力強い声が欲しかったんだ。で、Cameronとは友達で、彼女の声は僕たちの欲しがっていたものにピッタリだと思ったから、誘ったんだ。彼女も完全に入り込んでいたね」

__「Unhold」の方は、どのようにして誕生した曲ですか?

「これもボーカル・サンプルをベースにしたものなんだ。とても不思議なボーカル・ラインで、逆再生されたアカペラ・ファイルからつくり出したんだけど、途切れていたり、だけどそこにはちゃんとメロディーがあってね。で、友達を通してCarolineとコンタクトをとったんだけど、それが素晴らしい仕上がりだったんだよね。エディットもオートチューンもする必要がなく、彼女がただ歌うだけで最高の出来になったよ」

__今作の中で、バンドとして特にその仕上がりや完成度に満足している楽曲というのは、何になりますか?

「メンバー全員、「Dominion」が一番出来が良かったって思っていると思うよ。他のどの曲よりも“確立”していて、僕たちが成し遂げたかったものが、この一曲に凝縮されているんだ」

__アルバム・タイトルについても教えてください。“アパー”(Apar)は、あなた達の地元で“泡”を意味する言葉だそうですね。なぜこの言葉をアルバム・タイトルにしたのでしょうか?

「泡というより、“フォーム”みたいな感じだね。このタイトルは、アルバム・カバーからきているんだ。このカバーの絵は、二つの十字架が海に投げられて、水しぶきが立っている様子を描いたものなんだけど、これを見た時、“アパー”っていうタイトルが頭をよぎってね。十字架は無条件の献身を表し、アパーは物事の矛盾を表しているんだよ」

__11/30のHostess Club Weekenderでは、どんなプレイ、セットを披露する予定ですか?

「『Apar』と『Subiza』からセットリストを組む予定だよ。ライブでやる方が、この二つのアルバムが上手くつながるんだよね。エネルギーたっぷりで、大音量のセットにしたいと思ってるよ!」

__最後に、Deloreanの次なる活動目標ついて教えてください。

「このアルバムで沢山ツアーをして、ステージやライティングのセットなどを駆使しながら、演奏する毎に磨きをかけていければいいなって思ってるよ!」

interview iLoud


【リリース情報】

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Delorean
Apar
(JPN) True Panther Sounds/Hostess / BGJ-10184
10月16日発売
※初回仕様限定盤はボーナストラック・ダウンロードカード封入(フォーマット:mp3)
HMVでチェック

tracklisting
01. Spirit
02. Destitute Time (feat. Cameron Mesirow of Glasser)
03. Dominion
04. Unhold (feat. Caroline Polachek of Chairlift)
05. You Know It’s Right
06. Keep Up
07. Walk High
08. Your Face
09. Inspire
10. Still You

【アルバム全曲試聴】
http://hostess.co.jp/news/2013/10/002861.html
(期間限定です)

【VIDEO】

【オフィシャルサイト】
http://dlrn.net/
https://www.facebook.com/dlrean
http://hostess.co.jp/matador/delorean/

【来日情報】

Hostess Club Weekender


2013/11/30(SAT)OPEN 13:00 START 14:00

2013/12/1(SUN)OPEN 12:00 START 13:00

場所:恵比寿ガーデンホール

出演:
11/30:Neutral Milk Hotel / Okkervil River / Sebadoh / Delorean / Temples

12/1:Deerhunter / Juana Molina / Four Tet / Omar Souleyman / Austra

チケット:
1日券 7,900yen(税込/1ドリンク別)

2日通し券 13,900yen(税込/各日1ドリンク別)

※1日券、2日通し券、一般販売中

http://www.ynos.tv/hostessclub/

http://www.facebook.com/Hostessclubofficial

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