Heavenstamp『Hype – E.P. + REMIXES』インタビュー


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Sally#Cinnamon (Vo/G)、Tomoya.S(G)、Shikichin(B)、Mika(Dr)の、男性2名/女性2名からなるロック・バンド、Heavenstamp。それぞれ異なるバンドで活動してしていたメンバー達が、’08年のフジロックで体験したマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのライブをきっかけに、新たな音楽性を追求すべく結成したという新星です。

そんな彼らが、このたび『Hype – E.P. + REMIXES』で、CDデビューを果たしました。オリジナル曲の「Hype」「Wake up」「Mimei」「Morning glow」に、ラッセル・リサック(ブロック・パーティー)とジェイミー・エリスのユニットによるリミックス3曲を加えた注目作です。その内容は、ハードかつメロディックなギターワーク、ディスコ・パンクゆずりのダンサブルなビート、そしてカリスマ性に満ちたSally#Cinnamonのハイトーン・ボーカルが融合した、ユニークなものとなっています。

ブロック・パーティーのラッセルが、「Hype」のPVに魅了され、“Sallyの声に衝撃を受けた”と語るHeavenstamp。彼らのデビュー作『Hype – E.P. + REMIXES』の内容について、メンバーのTomoya.SとSally#Cinnamonに話を聞きました。


Heavenstamp

UKロックのエッセンスと日本的ポップ・センスが結合した、
最新型ギター&ダンス・ロック・バンド

__まずは、昨年Heavenstampを結成した経緯について教えてください。

Tomoya.S「’08年のフジロックでマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのライブを観たことが、結成のきっかけにはなりましたね。そのライブを観た時に、男女混合の、とにかくメチャクチャかっこいいバンドをイチからつくりたい、って気持ちになったんですよ。それで、自分の人脈の中で知りうる最強のメンバーに声をかけて、誘ったんです。実はメンバーも、その時それぞれフジロックに行っていて、そのライブを観てたんですよ」

__その時マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのライブを観て、どんな部分に感動したんですか?

Tomoya「僕の場合は、本当に10代の頃から大好きなバンドだったんですけど、全く活動をしていなかったんで、まさか観られるなんて思ってなかったんですよね。ただ、ブランクが長いんで、“もしかしたら…?”みたいに思ったりもしていたんですよ。でも、実際にライブを観たら、メチャクチャ良かったんで、より一層感動してしまいました」
Sally#Cinnamon「私の場合は、“衝撃”の一言でしたね。もう、こんなバンドがいるんだ…って感じで、腰を抜かすくらいの衝撃がありました」

__それで、Tomoyaさんが現在のメンバー3名を誘って、Heavenstampを結成したというわけですね。

Tomoya「はい。ただ、構想には数ヶ月くらいかかりました。当初は、いかにもシューゲイザーっぽい曲をつくってみたりしたんですけど、時代の中で新しいことをやっていきたいという気持ちもあったんで、そういった音楽的バランスを取ってみたりもしましたね。で、’09年になって、今のメンバーで初めてスタジオに入った時点では、シューゲイザーの要素もあるけど、ディスコ・パンク的な要素も前に出ているような感じになっていました。このバンドがスタートしたのは、そこからです。メンバー全員が、新しい音楽に入っていくような感じでしたよ」

__Heavenstampというバンド名には、どんな気持ちが込められているんですか?

Tomoya「最初は“DEATHSTAR”という、ヘヴィーメタル・バンドと間違われそうな名前だったんですけど、それは、その時たまたまスターウォーズにハマっていた、ってだけの理由で付けたものでしたね。でも、自分達の音楽にフィットした名前だとは言いがたかったんで、音楽性がちゃんと確立したって感じた、今年’10年の3月くらいに“Heavenstamp”という名前を考えました。“death”を“heaven” に、“star”を“stamp(足踏み)”にと、ちょっと対比する言葉を使った名前なんですけど、“天国ダンス・ミュージック”とか、“降り注ぐノイズの洪水”みたいな感じがしていいんじゃないかな、と思いまして」

__なるほど。自分達が目指すサウンドを表現したバンド名なんですね。では、デビュー作となる作品『Hype – E.P. + REMIXES』について教えてください。作品全体のテーマは、何かありましたか。

Tomoya「初めて出すCDになるんで、自分達のいろんな側面を見てもらおうと、純粋に“曲”で選んだ内容になってますね。「Wake Up」は初ライブの時からやっている曲で、「Morning grow」は去年つくった曲です。そして「Hype」は、HeavenstampとしてCDを出すにあたって、名刺代わりになる曲をつくろうということで、合宿してガツっとつくった、一番新しい曲になります」

__ダンサブルなビートと重厚なギター・サウンドが詰まった内容となっていますが、サウンドメイキング面で重視したことは何でしたか?

Tomoya「名刺代わりになる作品なんで、曲をつくり込んでいくというよりも、音数を絞って、バンドとしての衝動とか、各メンバーの勢いをトラックに込めるような音を心がけましたね」
Sally「1曲目の「Hype」では、女性が演奏しているとは思えないような、ビックリする音を出したかった」
Tomoya「歌が始まるまでは、男性4人組のバンドだと思わせたい、みたいな気持ちだよね(笑)。あとは、クラシックも好きなんで、例えば「Wake Up」には、ちょっとシンフォニックなコーラス・パートが入っていたりもします。ディスコ・パンク的なビートに、そういった要素を融合させてみたい、とも思っていたので」

__歌詞面では、どんなことを重視しましたか?

Sally「基本的に、歌詞は楽曲が完成してから付けていきました。Heaven stampの世界観を表現していくアイコン、Sally#Cinnamonとして、その世界観をさらに広げていくような歌にしたかったので、曲と向き合って、その曲が一番引き立つような言葉を選んでいったつもりです」

__本作には、ラッセル・リサック(ブロック・パーティー)のユニット、“Bloc Party vs CoPilots”による、「Hype」「Wake up」「Morning glow」のダンス・リミックスも収録されていますね。これは、どういう経緯で実現したんですか?

Tomoya「ある日、スタッフの人から“Heavenstampの曲をラッセルが気に入っているみたいだよ”って話を聞いて、その頃たまたまブロック・パーティーの曲を聴き返していた時期だったんで、ビックリしましたね。それで、“じゃあ一緒に何かやりたいですね”なんて話をしたら、本当に実現しちゃったんですよ。だから、嬉しかったですね」

__実際にリミックスを聴いた感想はいかがでしたか?

Tomoya「“うわっ”って感じでした(笑)。意外性という部分では、僕は個人的に「Morning glow」のリミックスが面白かったかな。“そうきたか”って思いました」
Sally「「Morning glow」のリミックスは、確かにとても美しいアプローチで仕上げてくれたと思います。私も気に入ってます」

__では最後に、Heavenstampの次なる活動目標を教えてください。

Sally「まずは、やっぱりフジロックに出てみたいですね。あと、いつかグラストンベリーにも出てみたい、という野望も抱いています」
Tomoya「そう、グラストンベリーの映像を観ては感動をもらっているので、いつか出演してみたいんですよ」

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【アルバム情報】

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Heavenstamp
Hype – E.P. + REMIXES
(JPN) Goldtone / QYCS-10002

tracklist
1. Hype
2. Wake up
3. Mimei
4. Morning glow
5. Hype (Bloc Party vs CoPilots remix)
6. Wake up (Bloc Party vs CoPilots remix)
7. Morning glow (Bloc Party vs Jamie Ellis remix)

【オフィシャルサイト】
http://heavenstamp.com/

【”Hype” music clip】

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